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「愛犬を供養したい」と願った日 | ペット供養専門店『ディアペット』が生まれるまでのお話


「ペットに仏壇仏具があるの?」

そう驚かれることもまだまだ多い、少しめずらしいお店を運営しています。お店でご用意しているのは、旅立ったペットたちを供養するためのものばかり。

2008年。
ディアペットは日本で初めてのペット供養の専門店として生まれました。創業当時は、「ペットに供養なんて必要ない」という声を受けたこともありましたが、ずっと同じ想いと願いを胸に運営を続けています。

”旅立ったお子さまたちのために、
そして、見送ったご家族のために”



その想いが生まれるきっかけとなったのは、幼い少年と愛犬との別れでした。




愛犬の供養が出来なかった、少年時代の思い出



ディアペットが生まれるよりも、ずっと前。
お寺に生まれたある少年が、愛犬と日々を過ごしていました。

少年は、大切な存在へ手を合わせ思い偲ぶことを身近に感じるお寺という環境の中で、愛犬と兄弟のように育ちます。旅立った命を供養することも、愛犬を家族の一員として大切に思うことも、少年にとっては当たり前の日常だったのです。

当たり前の穏やかな日常を経て、少年は愛犬の旅立ちを経験することとなります。


愛する、家族の旅立ち。
少年からしてみれば、今まで身近に感じてきた供養というものを、愛犬のためにもしてあげたい。そう心が動くことは、少年にとってとても自然なことでした。


子供ながらに、
「うちの子のお墓を立ててあげたい」
そう家族に願ったそうです。


しかし、結果として周囲に反対されてしまい、お墓だけではなく愛犬を供養すること自体も許されることはありませんでした。

今ではペット供養がだんだんと受け入れられている時代となりましたが、当時は人と同じようにペットの供養をすることに、ずっと厳しかった時代です。


「あの子の供養をしてあげられなかった」



お寺という環境で供養というものを身近に感じて育った少年の心に、その出来事は深く刻まれることとなります。その少年が成長して大人になり、ディアペットというお店を生み出すことになるのです。



イギリスで見つけた、小さなお墓との出会い



少年は大人になり、墓石を販売する仕事に就いていました。
そんな中、海外の墓石や墓地の視察に訪れたイギリスで小さなお墓に出会うことになります。

日本のお墓は〇〇家之墓と刻まれているように、その多くはそれぞれの家族ごとにお墓が存在します。

しかし、イギリスのお墓は個人のためのもの。刻まれるのは、旅立ったその人の名前です。大きさも小さく、その人だけのために存在する小さなお墓。

それを見て、こう思ったそうです。


「これなら、ペットのお墓を建てて
 しっかりと供養出来るんじゃないだろうか」


昔、愛犬のお墓を建ててあげられなかったあの頃の自分のように、うちの子の供養をしたくても出来ないという人はきっといるはず。そんな家族のためにも、日本に帰国してからペットのためのお墓づくりに取り組みます。

しかし……



ペットのお墓をご用意したものの…



結論から言えば、ペットのお墓は売れませんでした。

現在、ディアペットではペットのお墓を販売しており、多くのご家族さまからご用命いただいています。けれど、初めてペットのお墓を販売した当時はまだまだペットの供養に厳しい時代だったのです。



ペットのお墓を建てるには、お金と場所、そして何よりも周囲の理解が必要です。その理解が、なかなか得られない時代でした。


それでも、ペット供養を諦めない



ペットのお墓が必要とされなくても、すでに多くの家庭にはペットが大切な家族の一員として存在していました。


「自分の愛犬のように、いつかはみんな旅立っていく」

「それなら、せめて旅立ちのお手伝いは出来ないだろうか」


精一杯生き抜いた、命の旅立ち。

供養することすら叶わなかった愛犬との思い出を胸に、社長はペットのための火葬業を始めます。



「うちの子の供養はどうしてあげればいいの?」



ペット火葬を行う日々の中で、様々なご家族と出会うこととなりました。


数々の、悲しみの涙。
頑張ったねと、わが子を撫でる優しい手。
別れを惜しむ声、悔やむお気持ち。


火葬をすると、お体はお空へ旅立ちます。
生前の姿を見ること、触れることは叶わなくなってしまいます。

家族として過ごしてきた、うちの子との別れ。

”お空へ送り出してからも、
あの子のために何かしてあげたい”

ペット供養への理解があるかどうかなんて関係なく、そんな家族としての想いは確かに存在していました。それを証明するように、想いを抱えたご家族から社長はある相談をうけることになります。


「うちの子の供養はどうしてあげればいいの?」


そこで、やっと気付きます。

”あの子のために何かしてあげたい”という家族の想いを叶えてくれる、ペットのための供養品がほとんど存在しないことに。



ペットメモリアル専門店ディアペット、誕生



そうした経緯を経て、まずはオンラインショップとしてディアペットは生まれることとなります。

もしも社長が愛犬と出会っていなければ、そして供養してあげられなかったという幼い頃の経験がなければ、きっと生まれることのなかったお店です。

そうした想いがきっかけとなって生まれた当店には、同じようにわが子への想いを胸に集ったスタッフたちが今日も作業に当たっています。



今日も明日もご用命を受けた祈り具に、ひとつひとつ、心をこめて。


思い出を胸に生きていく。
私の笑顔が、
あなたにとっての幸せだと信じて。

ディアペットHPより


これは、私たちの願いです。

大切なうちの子を亡くしてからの日々を、笑顔で過ごすことは簡単なことではありません。


うちの子のいない世界は生前とはまったく違うもののようで、これからどう生きていけばいいのか、悲しみを抱えたまま途方にくれてしまう方がいることを、私たちは身を持って知っています。

そんな悲しみを、せめて少しでも抱えやすくすることは出来ないだろうか。

大切なあの子へ想いを届ける時間が、あなたの心も癒されるような優しい時間となるように。今は悲しみにくれて涙する日々だとしても、いつかの未来であなたが少しでも笑顔になれるように、お力になりたい。


ディアペットが生まれてからずっと、それが私たちの願いです。



これからもずっと、祈りをこめて



ペットのための供養品は、今では沢山存在します。
ペット仏壇にペット仏具、位牌だってありますし、人の供養同様に魂入れを行うことも可能です。

だからと言って、その全てを揃えなければ供養にならないのかといえば、決してそんなことはありません。

どの供養品も、ご家族からの声を受けて生まれたものではあります。
けれど、生まれたのは商品という”モノ”ではなく、「あの子のために何かしてあげたい」と思われた時に、ご家族が選ぶことの出来る供養のかたちが”選択肢のひとつ”として生まれたのだと思っています。

「愛犬を供養したい」


幼い頃に叶わなかった少年の願い。
それが、これからは否定されることなく、少しでも叶えられる世の中になるようにと心から願っています。

「あの子を供養してあげたい」

そう思われた時に、「こんな風に供養してあげられるんだ」と思えるような沢山の供養のかたちと出会って欲しい。その中から、あなたらしい想いの届け方を見つけていただけたなら、私たちはそれが何よりもうれしいです。


これからも、ただ祈りを込めて。
小さな祈りではありますが、あなたの想いが大切な存在へ届くことを願っています。


ディアペット


△世界中の家族も心に寄り添ってきた『虹の橋の物語』△
どうか、あなたの悲しみにも、そっと寄り添ってくれますように…


ここまでお読みくださり、ありがとうございました!





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