8つのバイトをした話〈後編〉

〈前編〉のつづき。バイト歴の話。

⑤パン工場のバイト
某有名パンメーカーの短期バイト。
工場は和菓子部門・洋菓子部門・ドーナツ部門に分かれていて、その日によって仕事場が変わるという意味では面白かった。
初日は洋菓子部門で、ケーキの型にひたすら紙を敷く作業。途中で職員のおじさんと仲良くなって、失敗したケーキをもらって腹を満たしてたっけ。

次に配属された和菓子部門では、団子科に配属。
機械から延々と流れてくる、丸められた団子を無心にきな粉でコーティングしてたら、なぜかリーダーと化し、他の人に技を伝授していた。

「ドーナツは洋菓子じゃ無いんですか?」と思っていたけれど、いざ配属されてみて「揚げ物部門」だと分かったドーナツ部門。
ベルトコンベアーに流れてきたカレーパンの形を整えたり、揚げる機械に挟まった揚げパンを長ーい棒でひっくり返したり。
このバイトをすれば、コンビニで形の崩れたパンとか見ても許せるようになる。
単純作業が苦手な人は発狂しそう。

⑥新幹線のバイト
私にとっての、ドリームバイト。
というのもこの職業、子どもの頃の夢だった。それがアルバイトで経験できるなんて、やるしかないでしょ!と即応募。

しかし仕事は、想像以上に大変だった。
まず、9時〜17時×10日間の研修。5日座学+5日実技で、乗務員とはなんたるかを叩き込まれるのである。

大変だったのは、通路が狭いこと。そして1人で解決しなければならないことが多いこと。元CAさんでも根をあげる人がいるらしい。

そんな中で楽しかったのは、グリーン車の販売。
有名人らしき人、高そうなスーツやブランド物を身にまとった人など、只者ではなさそうな人々が乗り込んでくる。
そんな新幹線のVIPルームの様子を見て「金持ちになりたい」と思った。切実に。

⑦塾講師(個別授業)
先程、集団授業を強調していたのはこのため。
集団の方の教室の先生から紹介してもらい、お手伝い程度だが働かせてもらった。

集団と個別、どちらが大変かという話によくなるが結論から言うと「人による」のではないだろうか。
1対1のコミュニケーションが得意なら個別、プレゼンなど人に話を聞かせるのが得意なら集団が合うはず。 生徒のことを深く知れる分、一人一人に対しての責任感をひしひしと感じた。

⑧派遣・単発のバイト
就活を終えた4年の夏から始めたのが、単発バイト。
隙間時間にお金を貯められるから便利。
そして、最もいろんな人に出会える仕事でもある。

・交通量調査
私的に、過去イチ辛かった仕事。
交差点の角でカチカチ押している人を見かけたことがないだろうか。まさしくそれ。

朝9時ごろ、集合場所に指定された銀座の交番裏に行くと、表現のしづらい集団が出来上がっていた。この仕事はリピーターが多いのか、
"久しぶりー" "どうよ、最近の調子は?"
みたいな会話が飛び交っていてちょっと疎外感。

その場で3人1組になるように言われ戸惑っていたが、ちょうど近くにいた女性に誘ってもらい、女性グループの出来上がり。出来上がったグループから、パイプ椅子と調査セットを手渡され、地図で指定された場所に向かう。
歩道の隅に椅子を置き、調査員用の蛍光ジャケットを羽織ると準備完了。
3人で2地点を担当するので、2時間ずつで交代。休み時間には銀座の街をぶらぶらして過ごしていた。
雑談しながらもお互いそれほど踏み込まないのが派遣だなぁという感じ。
ちなみに、なにが辛かったかって、椅子に座ってカチカチしてる姿は結構見られること。
座ってるから見下ろされてる形になるし、道ゆく人はオシャレしてるから、ちょっぴり惨めな気持ちになった。(個人的に。)

・テストモニター
TOEICをひたすら解く仕事。
出来は関係ないので適当に解いてもいいものの、早く解き終わっても "寝るのは禁止" 。だから暇すぎて真面目に受験する他ないという、なんとも上手くできたシステムなのである。

・箱を組み立てる仕事
とにかく単純作業。
始めは遅かったらしく、社員の方からコツを伝授してもらうとスピードアップ。先人の知恵って大切。

・飲食店の皿洗い
ランチタイムに、ひたすらテーブルの下げと洗い物をする仕事。的確に汚れを落とし、かつ素早く回していくリズム感が求められる。
急ぎすぎた私はコップを手から滑らせて割ってしまい、思わぬタイムロスを生んでしまった。

・ティッシュ配り
おなじみの単発バイト。
メガネ屋さんのクーポンの入ったティッシュを配ったが、意外と受け取ってくれる人が多くてびっくり。小1時間経つと大体もらってくれそうな人が分かるようになり、しれっと2つや3つ渡すようにもなってくる。意外と向いていた気がする。

と、まぁこんなところ。
あとはイベントバイトが休んだ時用の待機要員とか。(結局欠員は出ず、勤務時間5分で3000円もらった)

どれもなかなかに面白い経験だったな。


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