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長年お腹の中で育ててきた黒いの(胆石)を取り出した話

すっかりご無沙汰しております。

今私はまたしても病院にいます。

癌になってから2年、これで5回目の入院です。

3月末に受けた術後2年検診

「胆嚢が腫れていて、その中にかなり大きな石があります」

と言われました。

過去に撮ったCTを遡って見てみると

「2019年にはすでに内膜が腫れてきているので傷み出してかなり歴史のある胆嚢です」

との事。

「治療方法は腹腔鏡手術による胆嚢摘出となりますが、どうしますか?」

と問われ

「すぐに取ってください。」


と、私は間髪入れずに答えました。

と言うのも

これによるのであろう発作の腹痛が信じられない程…

それはもう痛いんです。


痛みが出だしたのはここ1年。

はじめての発作時は、


癌の再発かな?このまま死ぬのかな?

わりとあっけないんやなぁ、
人生の最後って…。

なんてうずくまり朦朧としながら真剣に考えた程でした。

とにかく癌を診てもらっているかかりつけ医に相談すると

「それは胃だと思うので一度消化器内科で胃カメラ飲んでみてください。」

と言われて次の日早速消化器内科を受診しました。

ちなみに、

発作は1時間もすると何事も無かったかのようになくなります

食欲も普通、吐き気も長引かないし嵐が過ぎれば至って普通。

だけど尋常じゃないあの発作の痛み…ほんまに胃なんかなぁ。

胃カメラ検査の後、医師に伝えられたのは

逆流性食道炎

と言う診断結果でした。

「胃は綺麗だし問題ない。だけど、食道が少し赤くなって炎症起こしてるのでそれが原因だと思われます。」

と言う事で、胃薬を貰って初動の通院はおしまい。

それからも、発作が起こるたびに

そのありえない痛みのせいで

夜間救急に運ばれる事もしばしば、

自宅や出先で救急車に乗る事もありました。

救急搬送先で3つの病院の内科の先生にCTを撮って見ていただきましたが

皆さん「食道炎でしょうね」との事で…。

かれこれ1年間、

救急に行く度に処方される胃薬を飲みながら

その薬では絶対に治ることの無い

地獄の痛みと闘っておりました。

3月末、先述した癌の定期検診がありました。

採血、レントゲン、MRI、超音波、マンモグラフィなど、内容盛りだくさんで

再発転移が無いかどうかをくまなく診る年に一度の検査です。

その腹部エコーの時に技師さんに言われました。

「これ…お腹痛くなることありませんか?」

その時私は『自分は万年逆流性食道炎なんだ』と思い込んでいたので

「逆流性食道炎と言われてたまにその発作はあります。」

と答えました。

「いや…気になるところは胃じゃないんですよね…

胆嚢です。」

ここで初めて『胆嚢』と言う名前を病院で聞きました。

「え、胆嚢って…どこにあるんですか?」

とマヌケな返事をしたぐらいノーマークだった(と言うか存在も気にした事ない)臓器が、

この地獄の痛みの根源だと分かった瞬間でした。

それから改めて外科で詳しく検査をした結果、

胆管にも影が2.3個あると言う事が分かりました。

乳腺外科、外科、消化器内科…病院中のいろんな科の先生に診ていただき

今回、ようやく
胆管内視鏡(EUSとERCP)
胆嚢摘出手術
を受ける事になりました。


術後、麻酔から覚めた病室のベッドの横には

私を苦しめていたあの黒いやつが堂々と置かれていました。


いやいや、でかすぎるでしょ…。

なんか胆石をアクセサリーにしたり

小瓶に入れて持ち運んだりする人がいるって

聞いた事あるけど…

もうこの大きさ、河原に落ちてる石🪨やん。

先生その返で拾ってきたんちゃうん?

まさか胆嚢でこんな大きな石を育てていたとは驚きでした。

何よりも、

あの痛みから解放されたんだ…と思うと

なんか今はもう本当にただ清々しくて、

憑き物が取れた感すらあります。


胆石をお持ちで、まだ痛みがない皆さま

主治医いわく

発作が一度でも起こると、男性でも『すぐに取ってください!』とお願いされるほどの激痛です。

私のように胃炎と間違える場合も多いそうです。

ありえない痛みの発作は胆嚢を疑ってください。

そしてその発作の間隔もどんどん狭まってきます。

私が受けた腹腔鏡手術は、

傷も小さく術後の辛さも少ないので、治療される事をお勧めします。


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