「言ってもわからない」 (2022/8/12)
記事の長さはおよそ1,600文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
30から50代のミドル世代のキャリアづくりを後押しするスタートアップの対話サービスが広がっている。
人材開発支援のエールは10月にも、企業のミドル社員が社外の第三者にキャリアを相談できる専用プランを始める。
サービスが広がる背景には日本の労働環境の変化がある。
高度成長期に浸透した終身雇用や年功序列といった慣行は崩壊。同じ会社で働き続けるだけでなく、転職や起業を含めたキャリアを描く必要性が高まった。
ミドル世代の需要は大きい。日本の生産性本部の7月の調査によると、将来の転職を希望する回答と転職活動中という回答を合わせた比率は40代で約48%と、年代別で最も高かった。
一方でスキルや価値観を踏まえて適性がある仕事を見つけるのは簡単ではないためサポート需要が高まっている。
同じ会社で働き続けるためにエンゲージメントを高める手段としての引き合いも強い。
ザ•コーチは近く、キャリア支援の対話に加え、対話技術そのものを研修やワークショップで教える一体型サービスを始める。社内の交流を活性化し、組織の一体感の醸成につなげてもらう。
日本は経済停滞の理由の一つとして、人材流動性の低さを指摘されてきた。
新興勢の対話サービスが広がれば、適性にあった人材流動化が活性化し、課題だった生産性の向上につながる可能性がある。
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こんなふうに考えた
ミドル世代向けにキャリア支援を行う対話サービスが広がっているそうです。
いわゆる「コーチング」や「1on1」と呼ばれるものですね。
サービスの目的は大きく2つ。
社内でのエンゲージメント(働きがい)を高める
キャリア形成を支援する
価値観が多様化している中で、対話を増やして各自の価値観を理解した上で
組織の一体感を醸成し社内のエンゲージメントを高める。
前者については、効果的なことは理解できます。
一方後者については、
対話によってほんとうにミドル世代のキャリア形成意欲が高まるのか、
さらに最終的に人材流動性が高まるのか少し疑問が残ります。
先月(2022/7)読んだなかでお気に入りの一冊、
一橋ビジネススクール教授 楠木建先生の『絶対悲観主義』に
女優 高峰秀子さんの言葉が、「痺れる名言」のひとつとして紹介されていました。
同じ「痺れる名言」として、
帝政ロシアの小説家、思想家 トルストイの
こんな言葉も載っていました。
『絶対悲観主義』へのリンク:
自分から能動的に対話サービスを受けている人には
効果があるかもしれません。
(そんな方は、受ける前から自分でキャリア考えているでしょうが)
しかし会社から「受けろ」といわれて、
イヤイヤ受けている人は変わらないでしょう。
(ほんとうにキャリア形成が必要なのはこちらの方なんですが。。。)
私は4/24の投稿で、
入社時に退職届を書くことで退職というゴールを意識させ、
そこから逆算してキャリアの積み方を考えさせている
カヤック社の事例をご紹介しました。
4/24投稿へのリンク:
「言ってもわからない」「自分自身を変えようと思わない」人には、
対話の機会を提供することに加えて、カヤック社の例のような
「このままじゃマズイ」「変えないとヤバい」という
危機感をもってもらうための仕掛けも必要な気がしますね。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。