見出し画像

日本とイスラエル Ⅰ

 日本とイスラエルは昔から助け合いながら現在まで共存している。イスラエルというよりはユダヤコミュニティといった方が適切かもしれない。

2011年東北を襲った東日本大地震。日本中がその被害の大きさに愕然としている中、諸外国 に先駆けて支援を申し出たのがイスラエルだった。

イスラエルはスピーディーに先見部隊を派遣し、被害状況を確認したうえで被災地に何がどれくらい必要かを把握した。外科、内科、産婦人科、X線機能などを備えた仮設病院を作り被災者が適切な医療サービスを受けられるよう整えて支援を始めた。産婦人科の仮設で新しい命が誕生したという喜ばしいエピソードも残している。もちろん、被災者が安心できるよう通訳人も同行した。また被災者のトラウマケアにも心を寄せ、専門家から成るチームを派遣している。

2011年の12月日本中が復興支援に向けて力を合わせていたとき、例外なく私も微力ながら自分にできることはないかと動きはじめていた。その流れから、イスラエルの医療技術と東北での支援活動を報告するために地域の国際交流イベントに参加することを決めた。
 このイベント会場で宮城県で被災された女性から声をかけていただくという、嬉しいサプライズがあった。イスラエル医療チームについてとても関心を寄せていたその女性は『イスラエル医療チームの方には本当にお世話になりました。とてもありがたかった。』と言って、私に何度も頭を下げた。そして『イスラエルのことについて更に知ることができて、それだけでもこのイベントに来てよかった。』と名残惜しそうに会場を後にした。

あれから12年、当時イスラエルのトラウマケアチームに同行したユダヤ系インドネシア人の女性音楽家は今でも宮城県に通い続けて、東北の復興と被災者の心のケアを行っている。日本人である私たちでさえ、日々の暮らしに追われ東北復興を忘れてしまいそうになる中で、ユダヤ人である彼女の12年間は日本とイスラエルの絆を強くしていることだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?