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幽玄の夜

つま先まで紺碧の幕が降りると

微かに一番星が輝き始めた


薄雲の向こうで 

月が頬杖をついて

ぼんやりとこちらを見ている


「いつも明るくなんて出来ないよね

こんな日があってもいいよね」


届くはずもないのに

何となく

手を伸ばし

月の頭をそっと撫でる



憂いを帯びた静かな夜の丘



透き通る風が

月光のベールを引き寄せると

目の前を小鹿が駆け抜けていった


夜空を飛ぶように

煌めく幻想のカケラを散りばめながら


幽玄の世界に居るような錯覚の中で

瞬間の残像を追い求める



ふと我に返ると

沈むような静けさの中で

月光に照らされた私は影となり

大地に横たわっていた


延びる影の頭のてっぺんから

地平線を越え

夜空を仰ぐと

さっきまでぼんやりしていた月が

ニッコリ微笑んでいた


なぐさめたつもりが

なぐさめられていた


宇宙は想像を越える形で

愛を与えてくれる

この世界には流星のように

奇跡が降り注いでいる


お山では色々な動物に出逢います。鹿の群れ


もののけの森の主のようなニホンカモシカ


猿の群れにもよく出逢います


キジがお散歩をしていたり


夢のように美しい白サギが飛んでいます



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