私は望まれて生まれた子だったか
父は公務員、母は事務員。
結婚と同時に新築した家に祖父母と同居する、
昭和のごくごく一般的な家庭に生まれた。
いちばん小さい頃の記憶が3歳なので、それ以前のことを私は知らない。
知りたかった時期もあるが、聞きたくても聞いてはいけない気がした。
物心ついた頃には、私はすっかりおばあちゃん子に育っていた。
昭和の公務員という職業は、一生を保証された仕事だったので、
私たち姉妹は金銭的には何不自由なく育ててもらった。
とはいえ、好きなものを買ってもらえたか、
行きたいところに連れて