リーダー論&ろう者像
NPOを立ち上げたときに言われた言葉は
今でも心の中に残っている。
「始めるのは簡単だけど、続けることは難しい。頑張りなさい」
以前、勤めていた会社を辞め28歳の時にフリーになった。
そして2005年、37歳の時にNPOを立ち上げ今年で18年目に入る。
長いようで、実はまだまだ短いと思う。
私の最終目標だったグループホームは達したものの、しかし本番はこれからなのだ。
「続けること」
そのためには次世代に繋げる人材が重要だ。
ここまでのデフネットは、すべてが順風満帆だったわけではない。
仲違いして去った人もいれば、意見の相違で潰した事業もある。人間不信に陥ったこともあれば、傷つけてしまったこともある。
たくさんの経営者の本や、経営論などの本を読み漁り、自分の中では「何でも知っている」気でいた。
しかし、実際は違うのだ。
経営とは、肌で感じるところから始まるものであり、本などから学ぶ知識はある程度参考になるものの、やはりナマの現場、ナマの人間に触れ合うと、また違う答えが出る。
そして自問自答の繰り返しなのだ。
どう判断するか。
どこまで妥協するか。
譲れないところは、譲らない。
譲らないならば、自分の思いをどう説明し分かってもらうか。
独断になっていないか。
そして
責任を負えるか。
それは本当に本当に苦しい作業だ。
なぜなら、自分の価値観を必要ならば壊す、変える作業だからだ。
立ち上げた頃の私を今、振り返ってみると怖いもの知らずの、パワーでガンガンいく私だった。(それもまた良いところでもあっただろうけど)
人間はセオリー通りにいかない。
思う通りにもいかない。
だから、私は皆さんに「学ばせて」もらったと思っている。
そして、たぶん「丸く(?)」させてもらったと思っている。
こんな無鉄砲で、破天荒な私を、それでも一緒に頑張ってついてきてくれた仲間には今でも感謝でしかない。
「しなやかに」
実は強い言葉だと思う。
信念はブレさせず、そして時代に、情勢に合わせて、剛柔使い分けながら身を置くのだ。
お世話になっている税理士事務所の担当さんに言われた言葉も深く残っている。
「理事長の1番の仕事は、判断すること。それだけ」と。
確かに。
全体を俯瞰して見て、流されず惑わされずベストと思うことを判断していく。
これが実は難しい。
そしてリーダーとして1番大切なことでもある。
自分を中立的な場所に置くこと、そのためには心身ともに健康でいなければならない。また冷静でなければならない。
判断を誤ったら全体が路頭に迷う。
ただ、人間だから過ちもある。
しかし、その時に救われたのはスタッフたちの頑張り。チームワーク、そして団結力。
事業って、決して1人では出来ないことだと本当に今でも思う。
「リーダーに必要なことは?」
と言われたら
人間力
説明する力
そして
バランス感覚
かなと現時点では、そう思う。
視る(聞く)力は、たぶんまだ修行の身だと思う汗
組織を「続けさせる」ことができる秘訣は、なんといっても人材である。
マンパワー。
薩摩の話になるが
島津斉彬が大事にしていたのは「人の和」。
「人の和」が集まれば
どんなに頑丈な城でも崩せると。
なるほどなと思う。
今後も組織を維持していくためには
次世代の人材発掘、育成
だが、これもまた難しい問題でもある。
ろう者・児が抱える諸問題を、喫緊の課題として捉え、問題解決に取り組もうとする次世代の「ろう者リーダー」がどんどん出てきて欲しいと思う今日この頃である。
それと同時に
福祉分野でなくとも、これまでにない斬新な「新しいろう者像」がたくさん輩出する未来をも願っている。
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