私の独学スケッチ④ ~色を塗る~
前回は、購入した画材について紹介しました。今回は、透明の固形水彩絵の具を使った色塗りについて、書いていきたいと思います。今回も、永沢まことさんの本を参考にしております。
線を生かすように塗る
色を塗ることについて、永沢さんは次のように述べています。
絵の基本をなすものは「線」であり、色を塗るのは線をより美しく見せるためと考えてください。
そのため実物の色の3分の1位の感じで、まず全体に薄く塗ります。そして乾いてからまた薄く塗り重ねることで、色に透明感が出てきれいに仕上がるようです。最初から濃い色を決して塗らないように、とのことでした。
自由に、いちばん美しいと思う色を塗る
スケッチをするときは、モノを観察してソックリに描く必要があります。しかし色に関しては、
「リアリズム病」を捨てて、あなたの自由に、いちばん美しいと思う色を塗ればいいのです。
と説明されています。
色名人として知られる画家のポール・ゴーギャンが、弟子にこんなことを言ったそうです。「木の緑が美しいと思ったら、きみがいちばん美しいと思える緑色を作って塗ればいいのだ。」
永沢さんも色塗りで迷ってしまったときは、この言葉を思い出すようにしているそうです。
色を混ぜるのは2~3色に
絵の具は、混ぜるほど色が濁ってきます。そのため元の1色が塗りたい色だったら、そのまま塗るのがベストです。ただ多くの場合、そのままでは思い通りの色になりません。そこでメインの色に反対色などを少しプラスすることで、「おっ」と思える色が作れるとのことです。
それでも納得いかない場合のみ3色を混ぜるように、と説明されています。
色を塗る際は筆にたっぷり水をつけて、絵の具から色をパレットに取り、パレット上で色を作ります。また塗る前に一度いらない紙に色をつけてみて、どんな色になるかを確認するのがおすすめです。
色を塗ってみる
これらを参考に、新たにスケッチした花と野菜に色を塗ったのがこちら。
花のスケッチには、こわごわと色を塗ったのを思い出します。画像からは伝わりづらいですがとても明るいオレンジ色で、塗ったときに気持ちがパッと明るくなりました。
ズッキーニは色が濃くなりすぎて、線が消えてしまっています。トマトの方は、薄く塗り重ねようとしたのが少し感じられます。
ナマものを描いてみる
本には、ナマものも描いてみようとありました。もう動いていないとはいえ、ナマものには生き物にしかない迫力があるとのこと。まず描きやすい魚からとの説明があったので、さんまを買ってきて描いてみました。
上半身?の部分はわりと上手く描けたのですが、下半身はバランスが少しおかしいようです。次に描いたのが、こちら。
鯛をまるごと1匹買ったのは、初めてでした。スケッチは上手くいったと思います。しかし影の部分を黒で塗ったため、赤い綺麗な鯛ではなくなってしまいました。
さらにブドウも描きました。
全体的に、少ししなびたような印象を受けます。実際は1粒1粒にハリがあって、つるんとしていました。色はリアリズム病にかかったのか、そのままの色を出そうとして、全体的にくすんだ色になっています。
色を塗るのは楽しい!
永沢さんは色塗りに関して、
緊張しアタマを使って色を塗ると、必ず汚れた色が多くなり、また暗い絵になりがちです。
色を使う上で何より大切なことは、リラックスし、自由にのびのびした気分になることです。
と述べています。
永沢さんは、絵を描くことのなかでも、とりわけ色を塗るのが好きだそうです。私もスケッチが出来上がると、「早く色を塗りたいな」「色を塗るのが楽しみだな」とよく思います。
もう少し続きそうです
ようやく絵を塗るところまで、だどりつきました。順を追って紹介しようとした結果、思ったより長い回数の記事になってしまいました。書いてみるとあれもこれもと、書きたいことが増えてくるようです。
次回からは、屋外で行ったスケッチなどを紹介していきたいと思います。
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