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私の独学スケッチ⑥ ~広い景色と人物のスケッチ~

今回は遠近法を使ったスケッチと、テレビに映る人物スケッチについて紹介します。今回も、永沢まことさんの本を参考にしました。

遠近法について

前回、新宿御苑で初めてスケッチしたことを書きました。その際に描いたのは比較的アップの景色でしたが、広い景色や建物を描きたい場合は「遠近法」をおさえておく必要があります。

本を参考に、遠近法の図を作成してみたのがこちらです。

遠近法

まずは「一点遠近法」についてです。広い平原の真ん中にあなたが立っていて、一直線の道が地平線の方へと走っています。また同じ高さの電柱も、地平線の方へと続いている、という図です。

このとき平行なはずの道は、目の高さにある「消失点」に向かって集まっているように見えます。電柱も同じ高さのはずですが、「消失点」に向かって集まっているように見えます。

この「目の高さ」の「一点」に、平行線が集まるというのが「遠近法」の基本だそうです。また「二点遠近法」は、「消失点」が二つあります。

高いビルなどを下から見上げるときは、空にもう一つ消失点が増えます。こちらは「三点遠近法」ですが、とりあえず「一点遠近法」「二点遠近法」を覚えておけば大丈夫のようです。

広い景色を描く

この「遠近法」を頭に入れて、横浜にある「鶴見川」沿いの景色を描いてみたのがこちらです。

鶴見川②

橋の向こう側に消失点があるイメージで、広い川がせばっていくように描きました。また手前の道は、少し広めに描いています。周りの建物などは、だいぶ省略して描きました。

スケッチは時間との勝負という面もあるので、まず描きたいと思ったところを全力で描いておく必要があります。そのあとは少し省略しても、何とか形になるようです。

目黒不動尊を描く

さて次に目黒区にあるお寺、目黒不動尊を描いてみました。

目黒不動尊②

おそらく画面のずっと右の方に、消失点をイメージして書いたのだと思います。

屋根の勾配から描きはじめたのですが、「グイッ」と引いた線の角度に失敗して、あきらめかけました。しかし「描きたい気持ち」と「景色」との出会いは、一期一会なところがあります。ここで諦めると、また描きに来るのは難しいと思いました。

そこで失敗してもともとと思いなおし、どんどん線を引いていきました。するとだんだん考えなくても、線が自動で引かれていく感じになったのを覚えています。永沢さんも書いていますが、時折「自動筆記状態」になることがあるとのことでした。

この時はじめて、絵を描きながら心が無になったような、解放されたような、とても気持ちのよい感じを経験しました。とても印象深い経験でした。

ちなみに遠近法が必要な建物などを描く際は、鉛筆で下書きすることもおすすめされています。

準実物の人間を描く

絵をかなり描く人でも「人間は難しい」と言うそうで、人間は最も描きたいが最も手ごわいモデルだとか。そしていざ描こうと思っても、なかなか目の前に「実物」を持ってくるのが難しい対象でもあります。

そこで準実物として、テレビに映る人物を描く方法が紹介されていました。モデル向きの番組としては、日本や海外のニュース、放送大学などの講義もの、歌やインタビューの番組、国会中継などがあげられています。

最初は、お年寄の顔ほど描きやすいとのこと。またやや斜め向きが描くのによいそうです。

顔いろいろ

永沢さんおすすめの描き方は、まず輪郭からはじめ、頭蓋骨に沿うようなつもりで描きます。そして大ざっぱに髪形を描くことで、モデルの印象が出来上がります。

次に鼻先の位置が顔の上下のどの辺かよく見て、しっかり決めます。ここがかなりのポイントだそうです。この3つが上手くいけば、あとはラクになるとのこと。鼻先から部分を派生させて、鼻すじ、片方の目、もうひとつの目、口も鼻先からたどるようにして描きます。

そして口の脇のシワ、メガネ、耳とつづけます。初めは似顔絵を描こうと思わずに、パーツの位置とかたちの細部を正確に描くとよいそうです。

描いた人物を紹介

上記を参考に描いた、人物スケッチを紹介します。2011年当時に総理大臣だった菅直人さんと、公明党の佐藤茂樹さんです。

政治家①

同じく当時の総理大臣、野田佳彦さんです。

政治家②

千原ジュニアさんと今田耕司さん、山田洋次監督です。

芸能人など

独学スケッチの紹介でした

6回にわたり、永沢まことさんの本を参考にした独学スケッチを紹介してきました。ここしばらくスケッチからは遠ざかっていますので、私自身あらためて勉強し直すことにもなりました。

読んでくださった方にも、何かしら発見があったり参考になっていますと幸いです。それではここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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