コンフェスコ 10/n ルカの危機
ルカはしっぽを掴まれて宙吊りのようになって、中空へ引き上げられて行きます。
ルカは身をよじって逃げようと試みますがうまくいきません。
コンフェスコはあまりの状況に身体が震えて動くことが出来ません。
ギガントは自分の顔の前までルカを引き上げるとしげしげとルカのからだを観察しています。
そして、低く大きな声を張り上げます。ルカは間近で浴びせられた強烈な音の衝撃ですっかり萎縮してしまいそうでした。
ルカはすべての力を振り絞ってからだをゆらし、ギガントの目を目掛けて飛びかかりました。
ギガントは驚いて、一瞬手の力が抜けました。ルカは中空へ放り出され、床に叩きつけられました。
鈍い音がしました。ルカは右手に力が入らなくなりました。
ギガントは驚いた拍子に尻もちをついています。
ルカは右手を引き摺りながら出口の穴へ懸命に走ります。
コンフェスコは我に返って、ルカが穴へ入りやすいように穴の奥へ動き出しました。
ルカが穴へ飛び込んできました。
二人は全力で暗い穴を走り抜けて、大きな葉っぱの木まで戻って来ました。
大きな葉っぱの木の近くには、戻るのが遅い二人を心配した二人の家族が集まって来ていました。