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今ブーローニュにて

新潟の北書店にて購入した私の好きな詩人である茨木のり子さんの「倚りかからず」を、山形美術館の近藤亜樹さんの展示を見た後に館内の喫茶【ブーローニュ】で読んでいた
ここに来る前に蔵王温泉に入りすぎて湯あたりしていたので、のんびりしていた(【ブーローニュ】BGMのオルゴール垂れ流しはいけ好かない)
「倚りかからず」作中で、ハンガリーの詩人であるペテーフィ・シャンドルさんという1800年代中期に活動されていた方の詩の引用があった
竹内好さんによる訳で

『絶望の虚妄なること まさに希望と相同じい』

と記された詩がわたしにはかっちりはまって、日々のストレスによるふらついていた心情が静かに安泰した
その詩を「絶望といい希望といたってもたかがしれている うつろなることでは二つとも共に同じ そんなものに足をとられず 淡々と生きていけ」と茨木さんはうけとられたそうだ
そういった考え方は、私自身も本を読んだり人と話すうえで知って良いなと思っていたことであり、行動をする上での考えるときの一つの引き出しとして持っていたり、自分なりにその考え方の元で行動したりした時もあった
しかし、その考えは自身では理解していると思っていても何かものにできていないような感覚があった
その感覚は、シャンドルさんの詩で自分のものになったような気になった
そんな気持ちになれる、秋の日とシャンドルさんに感謝し、この気持ちを受け止められた自分を少し認めてみたい

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