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各地域の女性のデジタル人材育成の取り組み パート2

今月(2023年8月)もいくつかの地域でデジタル人材育成の取り組みの報道がされていましたので、デジタル人材育成学会としても今後の調査活動のインプットのために本稿で紹介をしたいと思います。特徴としては前回記事と同じく「女性」にフォーカスをしたデジタル人材育成とともに、海外のデジタル・IT人材育成期間と地方自治体で提携をした取り組み事例も出ていきています。


長野県・佐久市の女性デジタル人材育成

2023年9月より長野県・佐久市において女性デジタル人材育成を目的とした、就労支援講座「Cosmosta+」(コスモスタプラス)を開始することが発表されています。長野県は移住者が多いことから、移住を機に離職をしたり、非正規雇用で働いたりする女性をターゲットとした講座であり、対象も市内在住または”移住予定”の人としているのが特徴です。

講座は「OJT重視型」と「オンライン型」の2種類があります。この研修の運営者も愛媛県の女性デジタル人材育成と同じく、株式会社MAIAが運営主体であり、長野県本社の株式会社はたらクリエイトと協業をして女性のデジタル人材育成を目指していくものです。

よって、この取り組みに関しても企業の基幹業務システムを構築するSAP導入スキルの取得を目指し、育成対象者のデジタル人材としての市場価値を高めることが可能と考えます

筆者も基幹業務システム(ERP)構築・運用の事業責任者を実業の分野では担っていますが、ERP人材は現在、リモート・オンラインでの仕事が可能であり、筆者の会社でも育児などの理由で短時間勤務をしながらも仕事をしているメンバーがたくさんいます。本デジタル人材育成の取り組みは、昨今ニーズが高いSAP人材の雇用に直結するものが期待でき、きちんと育成ができれば地域のデジタル人材育成の成功事例になると考えます。

Cosmosta+ オンライン型講座 募集要項

(1)募集期間 令和5年6月26日(月) ~ 令和5年8月8日(火)
(2)学習カリキュラム
 ①SAPコース(約140時間)+共通コース (32時間)
 ②RPA開発コース(約160時間)+共通コース (32時間)
(3)応募条件・佐久市内在住、佐久市へ移住予定の方
・PCをお持ちの方
・インターネット環境がある方
(4)受講期間 令和5年9月1日(金) ~ 令和6年1月15日(月)


https://cosmosta.jp/ Wepページより転載


群馬県の海外IT教育機関と提携したデジタル人材育成

デジタルクリエイティブの人材育成を群馬県では進めています。本取り組みではアルメニアの青少年向けのIT教育機関「TUMOセンター」の教育プログラムを導入するもので、アジアで初ということですが、パリやベルリンなどの国際都市で導入されている評価の高いプログラムとのことです。

アルメニアは旧ロシア圏であり、ロシア語が母語レベルの人材が豊富とともに、英語も話せる人材が多いとのことです。TUMOセンターは「世界で最も進んだIT教育機関のひとつ」として認知されており、日本の学童のようなイメージで、子どもたちが放課後にほぼ無料でITのトレーニングを受けられるとのことです。

こちらのYoutubeでTUMOの紹介ビデオを閲覧することが可能です。
群馬県がデジタルクリエイティブの育成を目指すと書かれている通り、TUMOではWeb開発やプログラミング教育だけでなく、アニメーションやゲーム開発、グラフィックデザインなど提供コースが多岐に関わっているのも特徴です。
自己学習、ワークショップ、そしてラボ学習という形で知識から実践まで子どもたちが飽きずに学習できるような工夫がされています。

本年度補正予算案での概算要求ということで群馬県での設立はまだ時間がかかりそうですが、設立した暁には是非調査活動をしたいと思います。


【参考文献】
アルメニアの「ITビジネス」の実態とは?【アルメニア現地調査レポート〈後編〉】

アルメニアのIT教育機関 TUMOセンター
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/blog-entry-1025.html

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