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TXT “Chaos Chapter”のジャンルに対する2つのアプローチ

'0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori' 、'LO$ER=LO♡ER'の音楽ジャンルに対する2つのアプローチ法のお話をしにきました。

アプローチ方法:①成長ストーリー ②Z世代

どちらもTXTのファンであればよく聞くキーワードかと思います。この二つのキーワードがどのようにジャンルに影響を及ぼしているのかを簡単に書きます。

Weverse magazineの復唱のような記事です。
ただ、専門家の書いたWeverse magazineは私含め消化しにくい部分も多々あるため、参考記事を照らし合わせながら考えを整理するための記事だと思ってください。

Chaos Chapter タイトル曲のジャンル

《The Dream Chapter》を終えて、《Chaos Chapter》に突入したTXTのタイトル曲に大きな変化を感じたと思います。

Weverse magazineによると、'0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori'では1990年代のオルタナティブ、または2000年代のエモ・サウンドを反映し、'LO$ER=LO♡ER'も同様にエモ・ロックのジャンルだそうです。

特に'LO$ER=LO♡ER'ではMV、音楽番組等で着用している衣装、スタンドマイクなどの視覚的要素からもロックであることは容易に判断できると思います。

このジャンルに対するアプローチの仕方を成長ストーリーとZ世代の観点からまとめます。

①成長ストーリー:思春期(反抗期)とロック

《Chaos Chapter》から思春期・反抗期に突入したことは、’0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori’のMVの冒頭でも確認できる。

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思春期・反抗期ということを示すために、単なるストーリー構成からの追及だけでなく、音楽ジャンルからも追求。そのジャンルこそがまさしくロックであるということ。

今やもう少年とは言い難いかもしれないが、だからと言って大人でもない、未成熟な時期。 自分を取り巻く世界も、自分自身も、もはや過去と同じではなく、過去に戻ることもできない。(略)この時期の若さが音楽として登場した時代がある。この時期の若さが音楽として登場した時代がある。それは「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori」が、1990年代のオルタナティブ、または2000年代のエモ・サウンドを反映していることが、選択ではなく結果だった理由だ。2021年の今、ジャンルとしてのオルタナティブ、エモとはどのような意味があるのか気になるところだ。だがその質問は、伝統的なスタイルのバンドに投げかければ有効である。現実の世界では、ラッパーのマシン・ガン・ケリーが、TikTokerのリルハディが、若さとギター・ロックのつながりを象徴している。「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori」のミュージック・ビデオ前半のダンス・シーンのバックに置かれたスピーカー、後半に着ていた衣装のグランジ・ロックのリファレンスなど、視覚的イメージはそのような流れの延長線上にある。個別の音楽ジャンル以前に、ジャンルが表現しようとしていたその時代、ある時期にいた10代たちが、自身の感情を表現していたやり方を視覚的に具現化しながら、TOMORROW X TOGETHERが今少年と大人の間にいる、ある世代の何かを表現していることを示している。『TXTが投げかけたZ世代の音楽

引用が長くなりました。すみません。
上記引用の一部分をピックします。↓

「ジャンルとしてのオルタナティブ、エモとはどのような意味があるのか気になるところだ。だがその質問は、伝統的なスタイルのバンドに投げかければ有効である。現実の世界では、ラッパーのマシン・ガン・ケリーが、TikTokerのリルハディが、若さとギター・ロックのつながりを象徴している。」

ここでまず、ラッパーのマシン・ガン・ケリーとTikTokerのリルハディを知ることから始めたかったのですが、なんとまあ情報が少ないこと。

ロックを始めたきっかけだったり、精神だったり、もっと詳しく書かれてると手掛かりになったけど。

とりあえず二人の関連記事載せておきます。Z世代のお話とも繋がるのでぜひ一度目を通してください!

私なりの捉え方としては、Weverse magazineの筆者にとって、「2021年の今、ジャンルとしてのオルタナティブ、エモとはどのような意味を持つか?」といったフォーカスした意味合いよりも、もっと遠くから、抽象的に、「ロックがどんな精神を示すのか?」が重要だと解釈。(ここの文は数日間に渡って読み深めましたが、ここまでが限界でした)

[追記]
上記の引用と類似した他の記事見つけました。

1950年代のロックンロールをはじめとして再び復興期を迎えた1970年、そして現在に至るまで、その根を下ろしているロックはジャンルとして区分されるが、一種の精神ともいえるでしょう。ロックは、成長過程で日々を激しく闘おうとするが、大人や世の中の物差しでは“失敗者(loser)”となってしまう子供たちの最後の砦であり、脱出口となってくれた。

このように書かれてます。
やはりここでも「音楽的側面とは別にロックの背景や精神に注目する」という解釈に至りました。

少し触れただけの私が、ロックという大きな枠組みのジャンルを安易に’反抗’に結びつけていいのか不安だけど、ロックは一般的に社会に対する反抗精神性を伴う音楽として捉えられています。

複雑になる人間関係や、コントロール仕切れない感情など、誰しもが一度は’マンホール’に陥るが、それでも必死に葛藤しながら自我を形成する時期に突入した《Chaos Chapter》で、ロックという反抗を示唆するジャンルを手段として用いる結果に至ったのかと。

'LO$ER=LO♡ER'のボムギュのTeaserで、”反抗の精神”の象徴としてロックミュージシャンが愛してやまないブーツであるドクターマーチンから映し出していたのも、同じ文脈かなと。これは視覚的要素(ミザンセーヌ)ではあるものの、ロックと深く関係があるため音楽ジャンルの延長線上にある。反抗を示す手段としてロックを用いていることを提示しているようにも受け取れる。

②Z世代の感覚:"Z世代"が音楽ジャンルを殺す?

前の世代が成し遂げた数多くのものは、彼らが本来のジャンルをもはや気にせず、いじり遊ぶ素材になる。その代わり、音楽であれ、他の何かであれ、全く新しいもの、彼らだけのものを持つことは難しい。だからこそ、何もかもかっこいいスタイルに結合させることがなお重要になり、その分、ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴ、ザ・キッド・ラロイのように、曖昧だけれど成果物に接するたびに思い知らされる「Z世代の感覚」という同世代の感覚やスタイルが重要になった。『TOMORROW X TOGETHERの世界がやってくる

これ以外に、ソ・ソンドクさんの語る『TOMORROW X TOGETHERとともにやってきた世界の流れ』でもジャンルとZ世代の話の流れでビリー・アイリッシュが登場。

ビリー・アイリッシュは音楽ジャンルにおいてどんな影響を及ぼしているのか知る必要があった中、これだ!って記事が見つかった。

ジャンル分けをベースとした音楽チャートを発表しているビルボードとのインタビューで、ビリーはこう語っていた。「私はジャンルっていう考えかたは嫌い。曲を何らかのカテゴリーにはめるべきじゃないと思う」。ビリーのようなZ世代のアーティストたちが、このまま分類不可能なヒット曲を生み出し続けていけば、厳格なジャンル分けは過去の遺物となっていくだろう。10年もすれば、ジャンルは何の意味ももたなくなるかもしれない。Z世代のアーティストたちは、そんな方向へ進んでいる。そろそろ音楽業界も、彼らのあとを追うべきだろう。

全文引用しそうな勢いだったので、最後のまとめ部分を持ってきました。ぜひリンク飛んで読んでみてください。

特に今回の《Chaos Chapter》から本格的にZ世代に訴えかける音楽として様々な記事でも紹介されています。

Z世代を代表するビリーの意向を汲み取った上でロックを融合させた’選択’だったのか、あるいは偶然同じ到着地に達したのかはわからないけど、今回ロックを融合させた意図として、TXTが描く成長ストーリーからのアプローチだけでなく、”Z世代の感覚”からのアプローチも可能。

このカテゴリー化をしないというのは記事にも書かれている通り、何も音楽ジャンルだけではない。ジェンダーにもセクシュアリティにも同じことを言える。こういったカテゴリーに囚われない考え方は、Z世代には既に備わっている。

前例があまりにも多く、1から斬新なものをオリジナルとして作り上げることが難しくなった今、いろんなものをかき集めて、自分だけのものに変形させるのがZ世代のスタイル。そして、Z世代の消費者たちは、どこに分類されるかわからないようなものも、なんの違和感もなく受け入れることができる。

ここで、鋭い方は先ほど紹介したTikTokerのリルハディの記事を思い出すかと。

タトゥーを入れ、マニキュアを塗り、最先端のファッションに身を包んでいたリルハディは、ポップ、パンク、オルタナティヴなど、異なるジャンルを組み合わせたハイブリッドなスタイルを確立し、紛れもない存在感を放っていった。『LILHUDDY-オフィシャルサイト

Z世代であるリルハディも一つのジャンルに囚われず、“自分らしさ”を追求しながら彼だけのスタイルを確立していた。

ラッパーのマシン・ガン・ケリーも同様に、自身がラッパーであろうと、ロックが死んでいようと、「やりたいからやる」の精神で実行し、快挙を成し遂げている。

過去の音楽を知りたがる必要がない。ただ聴けばいい。ビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルが、固有のベッドルームポップでいきなり1990年代のパワーバラードの流れを持ってきても、同世代は戸惑わないだろう。『TOMORROW X TOGETHERとともにやってきた世界の流れ

これをKPOPアーティストと呼ばれるTXTに置き換えた時、成長ストーリーの情緒を展開できるロックと融合させることこそが彼ら自身のスタイルを形成することができる手段であり、それを聴く同世代のリスナーも、ジャンルの崩壊に対して戸惑いを感じることがないからこそ、今回ロックというジャンルを取り入れることができたのだろう。

まとめ

①成長ストーリーと②Z世代の感覚が上手いこと絡み合って、今回の楽曲が誕生したことを説明したかったけど、なかなか言語化できない。難しい。

TXTの描くストーリーで反抗期に突入したからロックというジャンルに到達し、Z世代であるからなんの抵抗もなしにKPOPにカテゴライズされるTXTの音楽にロック要素を融合させることが可能であり、また、Z世代のリスナーはそのジャンル不明な音楽をなんの抵抗もなく聴ける。といった、絡みに絡み合った結果というか…。

今回もWeverse Magazine楽しく読ませてもらいました。基本となる知識が乏しい私が必死に理解した内容なので、そこ違うよ!ってところあったら優しく教えてください。また、他にもこんなアプローチ方法あるよ!ってのがあればそれも教えてください☺️。

返信はTwitterになりますが、匿名のもマシュマロも開けてるので是非!

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「Z世代を代表するビリーの意向を汲み取った上でロックを融合させた’選択’だったのか、あるいは偶然同じ到着地に達したのかはわからないけど..」

ここの部分、私は選択だったと思っている派ですが、実際そうだとしたら、毎度の事ながらも計算高くて緻密だなあと。どこのJKよりもトレンドにアンテナ張ってる感じ。ちなみにリルハディは先日からWeverseオープンしたらしいです(笑)

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