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マンガ『カモのネギには毒がある ~ 加茂教授の人間経済学講義 ~』の名言から学ぶ一歩を踏み出す勇気

落ち込んだとき、テンションが下がったとき、気分が乗らないときに、少しでも気分を変えて、一歩を踏み出す勇気がほしいときはありませんか?

マンガを読んでいると、この言葉深いなぁ〜ってしんみりさせてくれたり、大切なことを思い出させてくれる気がします。

今回は、2024年1月時点、6巻発行・連載中の作品である『シカモのネギには毒がある』(©甲斐谷忍・原案:夏原武/集英社)より、僕の人生をより魅力的になるよう考えさせてくれた言葉を紹介させていただきます。

『カモのネギには毒がある』は経済学をテーマに、天才経済学者の大学教授と親が詐欺に遭っていた女子大生のダブル主人公が、詐欺師たちを相手に独自の「カモリズム」理論と唱え、実地研究(フィールドワーク)を駆使してコロナ禍で混乱する現代日本のさまざまなリアルの社会問題を解決していく姿た描かれてた作品です!

※ちなみに作者は『LIAR GAME』など多数のヒット作を持つ甲斐谷忍さんと原案は『クロサギ』を代表作に裏社会に造詣の深いフリーライターの夏原武さんが務める、コロナ禍という特殊な情勢でこそ起きた詐欺事件や社会的弱者の現状、制度の抜け穴を悪用して暗躍する犯罪者の手口などが綿密に描かれています。

少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるときに、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

カモのネギには毒がある 名言一覧

「経世」は「世を治める」、「済民」は「民を救う」って意味なんだ。つまり「経済学」とは「民が救われる世を作る学問」って事になる。

加茂 洋平

経済学はカネを考える学問じゃない。
人を考える学問だ。

加茂 洋平

つくづく今の経済社会はヤバいと思ったね。
深刻なカモリズム社会だ。

加茂 洋平

わかったつもりでわかってないから、誰かが「今なら儲かる」と言えばホイホイ大金をつっこむし、適正相場なんかわからないから相場が暴落しても「すぐに値を戻すさ」と、あてのない希望を持ち続ける。

加茂 洋平

彼らは「人間」ってものをよく知っていたんだ。「中途半端なインテリは他人からバカだと思われる事をひどく嫌う」…ってね。

加茂 洋平

20世紀に「行動経済学」ってものができたけれども時すでに遅し。この世はすっかりカモる者とカモられる者の経済、「カモリズム社会」になってしまった。

加茂 洋平

行動経済学的に一番損させられる人間の特徴ってわかる?
それはね…、「確実に儲かる」と思い込んでる人間さ。

加茂 洋平

あの事務所、あそこでヤツらはたくさんの客をカモにしてきた。つまりあそこはヤツらにとって「カモる場所」。裏返せばヤツらがそこにいる以上、「自分がカモられる」という発想は限りなくゼロになる。

加茂 洋平

大事なのはそこなのさ。「借金をしちゃう資質」は誰でもみんな持ってる…って事。今お金に困ってないのは、それは単に運がいいだけかもしれないね。

加茂 洋平

経済学者ってとにかく机上の計算のみで世の中を見がちですが、それだけでは一側面でしかものが見えない。ビラを実際配ってみるとね、通行人の表情がよく見えます。いい事があった人、悩み事がある人、ムシャクシャする人。そういうのが理解できて初めて「経済学」なんです。

加茂 洋平

“善意で運営されるNPOが悪い事をするはずがない”…という、一般人の「思い込み」を利用して、一部の不届き者が過去にもNPOを隠れみのに犯罪を犯し摘発されているんだ。

加茂 洋平

ヤツら会社の書類に一切自分らの名前出してないし、助成金が振り込まれるのも他人名義の法人口座。自分たちの足跡が残らないように計画実行してるんだ。ホント無駄に頭がいいよ。

加茂 洋平

行動経済学ってのは人間の「思い込み」を探る学問でもある。「自分は天才」、「自分以外はみんなバカ」、「バカの行動は100%わかる」。法人譲渡と金銭受け渡しをやればすぐに自分の名義は消される。これらぜーんぶ思い込み。

加茂 洋平

つまり彼らには「信頼できるか」なんてハナっから頭にない。「カネこそ全て」。それを自ら証明したんです。

加茂 洋平

「ネットワークをつなげば皆幸せになる」。
これはもう完全にウソ。

加茂 洋平

「被害者意識」の元凶は「価格」ではなく「満足度」なんだよ。120円のジュースでも「150円の価値がある」と思えば人は満足するし、「10円の価値もない」と思えば120円も払わされることに不満を抱く。

加茂 洋平

ヤツらが最悪なのは毎週セミナーを開催し、毎週代わるがわる「成功者」と称するゲスト「権威」に「十訓」っぽい話をさせる事によって、「どの成功者も同じ事を言ってる、これは絶対なんだ」と思い込ませている事なんだ。これがマインドコントロールの入り口、「思想のコントロール」。

加茂 洋平

並行して「このまま何もしないと一生不幸な人生で終わるよ」と脅したり、「うちらの仲間に入ると必ず夢を叶えられる」と煽ったりする。これが「感情のコントロール」。「思想」と「環境」がコントロール下におかれたら、いよいよ「行動のコントロール」が始まる。

加茂 洋平

本物なら自分の能力や実績、将来の展望をわかりやすくアピールするはず。けれどもニセモノはそこをアピールできない。だってニセモノだから。

加茂 洋平

「◯億稼いでる」を自己アピールに出す人はまずニセモノ。
だって本物は言わないでしょ?
大谷が自ら「◯億稼ぎました」って言う?
ノーベル賞受賞者がそんなの言ったの聞いた事ある?
それを言わなきゃなんないのは自信のなさのあらわれ。
「私はカラッポの人間です」って言ってるのとおんなじだもん。

加茂 洋平

そんなのは愚の骨頂だ。師匠は多ければ多いほどいいに決まってる。俺はたくさんの人を師と思い学んできた。それがダメだというヤツがいたら、なぜ今俺はこんな大金を手にできているのかねェ。

加茂 洋平

こういう「悪い金儲け」がはびこる今の状況を、俺は「カモリズム経済社会」と名付けた。

加茂 洋平

カモリズム社会でまず考えるべき事はどう儲けるかじゃない。
自分はカモられていないか?…だ。

加茂 洋平

変な事?俺、何か言ったっけなあ。それより「15万円の自己投資しなさい」。これこそまじで変だろ。あのなあ、投資ってのは人に指図されてやるもんじゃないんだよ。投資の額と内容は自分で決めるもんだ。

加茂 洋平

だったらその15万、お前が出せばいいじゃん。出せるハズだろ?「自分の投資能力はホンモノ」で、他人に強要できるほど有望な投資案件なんだから。「出せない」となったら理由はふたつしかない。ひとつ目、お前は「本物」だが肝心の会員が実はポンコツ。ふたつ目、お前らが「ニセモノ」。

加茂 洋平

「選んでる」ようで「選ばされている」。それがーー、マジシャンズセレクトさ。手品師がよく「予言のマジック」ってのをやるだろ?あれってまさにこれ。観客がカードを「選んで」いるようで、実は手品師が思うカードを「選ばされて」いるのさ。

加茂 洋平

悲しい事に「学者」ってヤツは、困難であればあるほど突っ込んでいきたがる生き物なんだよねェ。

加茂 洋平

嘘など使わなくても人は騙す事ができる。これを「印象操作」と呼ぶんだ。彼は他人を操作する事に異常なまでの至福を感じる人間性ーーー、「マニピュレーター」なのさ。

加茂 洋平

知ってる?彼ら帰ったら地獄なんだよ。クソ狭いシェアハウスに半強制的に住まわされて、「自己投資」の名で毎月15万搾取され続けてる。そんな地獄に耐えられるのもこうやって、栄光はすぐそばにあると錯覚され続けてるからだろうなあ。

加茂 洋平

金儲けとしてはある意味究極形だと思うね。だって商売や投資の基本は「安く買って高く売る」だからね。「激安」で仕入れて「高値」で売る。どう考えても究極形でしょ。

加茂 洋平

お前らがまっ当で正直に営業活動していれば、後見人もちゃーーんと契約OK出すんだよ。カネが払えないのは不慮のアクシデントでもなんでもない。全部お前らのせいだ。

加茂 洋平

有無を言わさず人から家取り上げていたくせに、自分の家が取られる時に限ってガタガタ言うのかよ。

加茂 洋平

あいつは以前はプロジェクトリーダーだった。つまり大きな金を動かす権限を持ってたって事。するとその利権目当てに人が集まりぺこぺこしだす。そうなるとダメな人間は勘違いするワケよ。「自分は偉い人間なんだ」ってね。

加茂 洋平

本来、公務員とは「公僕」。国民のしもべでなければならない。公務員全員がそう教育されているし、ほとんどの者がその意識で仕事をしている。ところがほんのわずかな「ダメ人間」が「勘違い」をしクズとなる。

加茂 洋平

自分の命を落とすまでマインドコントロールが人を支配するなんて…。誰しも「意志」って者があるでしょう?そんなに人間の「意志」って弱いものですか。

名取 三咲

今の世の中、カモがネギしょって近づいてくるのを待ってるヤツほど儲かる、…って世の中じゃない?でもさ、そのネギに時々強烈な毒が入ってたら、カモを狙う人なんていなくなるのに。…そう思っているのかも。

高瀬 泉水

それこそまさに「異時転換の選択」よ。人間ってのはね、「今の快楽」と「ずっとあとの快楽」なら、「今の快楽」をはるかに価値がある、…と思う生き物なの。

高瀬 泉水

簡単に儲かるビジネスなんてそうそうあるワケないって事よ。

高瀬 泉水

残念ながら今の日本にはこのやり方を罰する法律はないの。
高齢者はいつだって情報弱者で契約弱者。
なのに守ってあげる制度は未だ不十分。
こういったことは日本のいたる所で行われていると思うわ。

高瀬 泉水

私たちってお金が動く時、とにかくそれを「損」か「得」かで捉えがちですけど違いますね。お金が動くと必ず何かしらの「意味」が生まれる。そっちの方がもっと重要ですね。

高瀬 泉水

人間の悩みは「健康」「お金」「人間関係」がほとんどだと言われます。ですが健康については「良い医者」と「お金」でかなり解決するので、結局人の悩みというのは「お金」と「人間関係」に尽きる。…というのが私の考えです。

吉野 貴樹

サンクコスト効果…ってのがあるからな。行動経済学の用語でね、「人間は投資した時間やカネが多いほど途中でそれをやめる事ができない」…という原理だ。

吉野 貴樹

心の部分での離脱はなかなか簡単じゃない。カルトなんかでもマインドコントロールを完全に解くには数年後かかるって言うだろ?起業家集団も同じ、洗脳されきってるヤツはなかなかそこから抜けきらない。

吉野 貴樹

人は生まれた時は誰でも「真っ白なキャンパス」状態だ。それが成長するにつれ外部の情報によってそれぞれ染められていく。つまり俺たちが「個性」だと思い込んでるものも所詮はーー、「どこかで刷り込まれた外部情報の産物」にすぎない。

吉野 貴樹

アフリカにこんなことわざがある。「速く行きたいなら一人で行け」。「遠くに行きたいならみんなで行け」。意味わかるかい?大きな仕事をするにはどうしても多くの人の力が必要だ。

鈴鹿 十郎

人間も似たようなモノ。99%の凡人はいくら働けど搾取されるばかりで豊かになれず、1%の経済強者のみが富を教授している。

鈴鹿 十郎

アリは不平も言わず生涯を終えるが、人間の凡人は不平ばかりを言う。私はね、人間が人間である以上格差や不公平ってものはなくならないと思うのだよ。だったら、いっそのこともっとアリに近づけば社会は平和になると思うのだ。

鈴鹿 十郎

ネットワークビジネスって、どうでもいい人だけでつながる世界なんですね。

春木 優斗

リンゲルマンは実験で証明しました。
「人間は所属集団が大きくなればなるほど無意識に手を抜く」…と。

丹藤 英樹

日本の若者は政治に無関心だ…と、よく言われます。でも僕は無理もないも思うんですよ。だってーー、1億2000万人はあまりにもパッケージが大きすぎて「自分1人の力では何も変わらない」…と、潜在的に思ってしまうんです。

丹藤 英樹

12万人ってよくある平均的な市のサイズですが、その規模だと人は自分の存在や影響力を少なからず実感できるんですよ。それこそが地方分権の最も重要な意義です。住民の力をより多く引き出す。それこそが地方創生の一番の基本だと僕は思ってます。

丹藤 英樹

大きくて魅力的な建物を建て、オシャレなショップを多数展開する。それって日本中のあちこちの自治体が似た事やってるよね。でもほとんどがうまくいってない。理由はカンタン。行政って利益を生み出す業務などやった事ないし、そもそもそんな事のために存在するものじゃないから。

丹藤 英樹

いかがだったでしょうか?

お気に入りの名言は見つかりましたか?

僕自身、大学時代の同級生や社会人になってできた後輩、僕が採用に関わった新入社員がネットワークビジネスにはまり、大変な状況になっていたり僕にも勧誘の声がかかりマインドコントロールされる一歩手前までの状況に陥った経験があります。

作中ではネットワークビジネスを持ちかけられた大学1年生の春木が語った『ネットワークビジネスって、どうでもいい人だけでつながる世界なんですね。』という言葉が意味深というか本質を捉えていて、セミナーで話す講師の巧みな言葉遣いと演出された空間で、相当額のお金を稼いでるアピールをする人が多い中で、金のアピールとよくわからい立場だけを語る人は信用できないということを気づかせてくれ、詐欺に使われる言葉や考え方、仕組みを理論的に説明してくれるため、自分の身を護る知識を取り入れることができるのではないかと思います。

学校や会社、その他の組織に所属していて落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるときなどに、この『カモのネギには毒がある』の名言で元気づけられる方も多いのではないでしょうか?

詐欺に対して圧倒的な経済学・心理学の分野でオチャラケながらも詐欺師たちを壊滅させていく加茂教授や純粋すぎてすぐに話を信じてしまう三咲ちゃん、加茂教授の助手をしつつ詐欺の手口を補足してくれる高瀬さん、そして詐欺に遭った被害者や詐欺首謀者、裏で糸を引く黒幕たちのお金に対するさまざまな価値観や想いを抱きながらも立ち向かっていく、登場人物のもたらす言葉にふれあいながら、また明日からの原動力になると幸いです。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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