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知識の記録方式(41) 受け継ぐ

 ノウハウや知識を受け継いでいくことは特に技(わざ)の伝承にて語られることが多い。腕一本でものづくりを行なっている人達がいる。創業100年を超える企業が日本にはたくさんある。この企業は、腕一本で創業者が事業を興し、弛まぬ努力の積み重ねで継続していることは疑いのない事実である。

 一方、日本には多くの企業があるが、それぞれの企業はノウハウや知識を受け継ぐことができているのだろうか。利益優先で、事業をズバッと切り捨て、開拓するのもやむを得ない時もあろう。しかし、そのような状況でない中でも、日常的にノウハウや知識を受け継ぐことができているだろうかと思っている。
このノウハウや知識は企業の事業内容によって特別な固有のものも多いが、一般的なことも相当あると思う。知らないのは自分達だけではないかと心配して業務に接することが一番安心な心構えであろう。

 一番、ノウハウや知識を受け継いでいく良い方法は話しをしながら、作り方を見せながら体得する方法であることは昔から変わらない。最近は動画がいっぱい無料で配信されていて、これでも十分だと思うこともある。しかし、時々、なぜなのかと質問したくなることにも遭遇する。この時のなぜは人によって、深さや範囲は異なる。しかし、分かると言うことも人ににより異なる。分かったつもりのように、どこまで分かっているのかと心配なこともある。

 小生も分かっていないことばかりに直面し、いつも頭を抱えているのである。私達人間は知りたいと言う好奇心は際限のないことであり、人によって、その優先順序や重要性がまちまちなだけなのだと思う。したがって、他者に強制もできないし、次から次へと沸き起こる疑問は、もはや、他の人からはどうにもコントロールもできないことなのである。

 インターネットで動画による解説を聞いても、それだけでは十分に満足できない。先輩から話を聞いても、疑問は全ては解決しない。大学の研究者のように、分からないことを明らかにしたいのは人間の本質である。企業の中においては、その知りたい行動を、組織や自分の役割というタガで、それ以上の行動の制限をかけているのである。このタガが、今、一番成長や創造性や生産性に良くない影響を出している。若い人の柔軟性を管理者がタガをはめて、窮屈な思考の場にしてしまっている。

 このような好奇心という人の性に対し、知りたいことや知り得たことをメモするなんらかの構造的な方式が欲しくなる。単なる断片的に孤立化したメモではなく、知りたいことと、知ったことを都度適切な場所に記録する方法である。そして、それは、他者が知りたい、知ったことを記録できる共有の場所でなければならない。既存の方法では答えがないのである。
もし、このようなことが可能になれば、追加も自由で、蓄積型の知識の記録方式になる。それこそノウハウや知識を受け継いでいけるはずだ。これが特徴点記述式と呼んでいる私の方式である。

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