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『“やってみる”が評価される社会』と『人生の勝算』

SHOWROOM株式会社の代表である前田祐二さんの『人生の勝算』を読んで、とてつもない刺激を受けたので、備忘も兼ねて、思ったことを書き残しておこうと思う。

何年か後に、自分のターニングポイントとして、この本のことをどこかで語る日が来るかもしれない。
というか、そう語れるような自分になろうと思う。

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この2年間、これからの自分について考えつづけてきました。
40歳を目前にして、自分はこれから何をやっていくのか、何がやりたいのか、何をなすべきなのか。
ひたすら考え続けてきました。

今年の1月に、『エンタミナ』というセミナーイベントに出演させていただきました。
このイベントは、主催者からのリクエストは何もなく、何を話しても構わないというものです。
何を話しても構わないということはつまり、“何を語るのかが問われる”、そんなイベントです。
言うなれば、TEDに近いものと考えてもらえれば、イメージがしやすいかもしれません(ちょっと違うけど)。

自分が最も語りたいことは何か、自分が語れることは何か、集まった観客に伝えたいメッセージは何か。
開催の半年前にオファーをいただいて以来、徹底的に自分に向き合い、それまで1年半をかけて考え続けてきたことと合わせて、気が狂いそうになるくらい、考えに考えて、ひたすら考えて、考えて。

そして、そのエンタミナでは、これからの自分について語りました。
40歳を目前にして、完全に新しいことを始めると。
吉田松陰を引き合いに出し、これからの自分は“文化をつくる”のだと、宣言してきました。

自分がつくりたい文化、それは「“やってみる”が評価される社会」。
そこに至る原点となった体験について記したいと思います。

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きっかけのひとつは、マジシャンの東邦新悟と出会ったこと。
彼と知り合ったのはインターネットですが、十数年前の当時はまだ、彼は高知に住んでいました。
ある時、路上でマジックをしながら旅をすると言い出して、数ヶ月の時間をかけて、大阪、京都を経て東京にやってきました。
直接対面するのはその時が初めてだったのですが、そのときに彼のマジックを見て、感動しすぎた挙句に、自分もマジックを学び始めたんです。

それから1年半ほど経ったある日、当時勤めていた会社の社長に呼び出されまして、何かと思えば、会社にお金がなくなったから給料が全額は払えませんと、まさかの給料日当日に宣告される事態に遭遇しました。
で、これでは生活ができんぞということで、翌日から路上でマジックをして生活費を稼ぐということをはじめたんです。

昼間は会社で働き、夜は路上でマジックをする。
3ヶ月して、めでたく会社都合解雇になった後は、失業保険をもらいながら路上でマジックをしていました。

当時は、生活費のために追い込まれて始めた路上マジックですが、この経験は、後にいろいろな人が面白がってくれて、多くの出会いと、多くの機会を生み出してくれました。

マジシャンと出会ったからマジック“やってみた”。
生活費を稼ぐために路上マジックを“やってみた”。
“やってみた”が新たな出会いと機会を産んでくれた結果、今の自分がある。
とにもかくにも、まずは“やってみた”こそが大事なんだと、そう考えるに至りました。

でも、今の社会には“やってみる”ことを許さない風潮があります。
「そんなことは無理だ、やめたほうがいい」
「ほら見たことか、やっぱり無理だったじゃないか」

それくらいならまだしも、挑戦し、失敗した人を、袋叩きにするような状況さえあります。

そんな価値観をひっくり返し、結果を問わず、“やってみる”が評価される社会にしたいと、考えるようになりました。
“やってみる”ができる場を創出すること、それがこれからの自分の使命だと、エンタミナのステージで、そう宣言してきました。

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で、話は冒頭に戻ります。

SHOWROOMの前田祐二さんは、小学生にしてすでに路上ミュージシャンをやっていたそうです。
身の上の事情で、生活費を稼ぐために始めたと。
それ原体験となって、SHOWROOMというサービスをつくることになったのだと、『人生の勝算』には記されていました。

これを読んで、なるほどこれだったのか...そう思いました。
自分が、まだボンヤリとイメージしていた、やりたかったことのひとつの具体策が、まさにSHOWROOMという形で、具現化されていました。

ちなみに、個人による路上でのパフォーマンスやアート活動は、ほとんどのケースが違法です。
道路の使用には、通常、警察署の許可が必要ですが、個人の活動のために許可はおりません。
つまり、一個人による路上での活動は、無許可のゲリラ活動なんです。
自分も、さんざん警察に注意され、交番まで連行されたこともありますし、ある知り合いは逮捕され、護送車にまで乗せられました。

路上のパフォーマーやアーティストたちは、生活費のために、売れるために、想いを伝えるために、さまざまな理由や思いをもって、リスクを覚悟して活動しています。
そしてそんな活動を、楽しんでくれる人や、喜んでくれる人、そして投げ銭という形で支援してくれる人たちがいます。

昨今は取り締まりが強化されていて、以前に比べて路上のパフォーマーはものすごく少なくなりました。
名もないパフォーマーにとって、ひとりでも多くの支援者と出会うための一番のプラットフォームである路上は、現在ではほとんど機能しなくなっています。

とはいえ、治安のためにと、取り締まりされる理由もよく分かるので、これ自体は仕方のないことかと思います。
故に、多くのパフォーマーやアーティストたちにとって、そしてそれ以外の“やってみたい”人たちにとっても、路上に代わる安全なプラットフォームは必要だと考えていました。

そしてSHOWROOMは、まさにそれそのものだと知りました。

自分と同じような思いを持ち、そして既に実行に移している人がいると知って、とても嬉しくもあり、一方で、自分より8歳も年下に、圧倒的に先をこされていて、悔しくもあります。
ただ、この本を読んだことで、まだボンヤリとしていたイメージが、かなりリアリティのあるカタチに収束し始めています。

気づきを与えてくれた前田祐二さんに、最大限の感謝を。

自分は自分のやり方で、SHOWROOMと同じように、「地球上の機会格差を無くす」ための活動をしていきます。
そしていつか、SHOWROOMと並び立ち、ともに社会の変革に貢献できるよう、尽くします。

自分のターニングポイントの一つとして、そして覚悟の表明として、ここに書き置きます。

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プロジェクトをマネジメントしたり、ブランディングをマネジメントしたり、工夫を集めた同人誌をつくったり、商店街のイベントで手品したり、日本史(特に幕末)オタクだったり、吉田松陰をリスペクトしてたり。

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