出産は大変だったけど

書きたいこと(大したことではないけど)がたくさんあるのに、産後はここを開く時間すらない、メモを取る時間すらなかった。少しでも寝たい日々が続いていたが、きょうは珍しく子どもが早く寝てくれたので書いてみる。

2月1日に娘を産んで、それこそ人生の中で一番忙しく勉強の日々が続いたため、出産の一連にひたる余裕すらなかったが、出産はやっぱり大変だった。

びびりな性格に加え、出産予定日が近づくと何をやっても息苦しく、夜になるときょうこそ陣痛が起きるのではないかと怖くなった。パニックになって泣き出すことも。それでも妊娠しているのでいつかは産まないといけない。予定日から1週間すぎて、その日は来た。というか、出産につながらない「偽物」の前駆陣痛がきた。

アプリの記録を見ると、前々日の夜中2時から前駆陣痛が始まり、なんと6時前まで続いている。産院からは「初産だから1時間に6回、10分間隔になったらきてね」と言われていた。10分間隔になって間もなく、寝ていた母を起こして運転してもらい、20分かかる産院へ。ところが、この途中で陣痛は収まってしまった。結局この日は1時間ほど赤ちゃんの心拍数や胎動を確認して帰宅した。

次の日は夕方から始まった。けっこう痛かったけど、前日のように前駆陣痛だとまた帰ってくるのが恥ずかしいので10分間隔になってもしばらく我慢した。こんなに痛いのに本陣痛じゃないのかな、みんなどれだけ我慢強いんだ?と何度も同じことを考えながら我慢。日が変わる直前まで耐えたけど、最後は半泣きで産院に電話。「昨日のように本陣痛じゃないかもしれないけど、もうとにかく痛い」と。結果的に本陣痛ではあったけど、子宮口が2〜3割しか開いていなかったので、ここから長らくかかることに。。。。

そのまま入院して個室で1人陣痛とたたかう。部屋のベッドは電動で昇降できる(どこもだと思うけど)もので、いろんな体勢で陣痛を乗り切るのに本当に助かった。それでも痛くて寝られず、陣痛のたびに起こされる。でも「今ナースコールしても子宮口開いていないだろうし、すぐに分娩とはならなそう」だなとひたすら我慢。でもでもやっぱり痛くって、あさ6時に陣痛室へ。散歩もしていたし、安産体操もしたのになんでこんなに時間がかかるんだろうと不思議だった。「とにかく早く産みたい」

日勤の助産師が出勤してきた午前9時ごろ、陣痛は3分間隔になっていた。呼吸を深くして、力まないよう力を逃さないといけないのだがうまくいかない、めちゃくちゃ痛い。3分間隔で痛むので朝食の時間になってもお腹が空いているかわからなかったが「体力ないと出産乗り越えられないかも」と無理矢理押し込んだ。午後近くになって、エコーで赤ちゃんを見る。「赤ちゃんの姿勢が普通と違うので、うまく降りてこられない。だから陣痛が進まず子宮口が開かない」と助産師。姿勢を直す体操をするよう指示され、陣痛に耐えながら1時間頑張った。少しだけ階段も歩いた。

助産師によると私のお産は「回旋異常」にあたるそう。私と赤ちゃんが緊張しているからそうなったかもしれないということだった。なんだか申し訳なくなり、せめてもと体操を頑張った。が、夕方になっても降りて来ず。予定日から1週間近くすぎているので翌日には促進剤を使おうということになった。早く出産したい気持ちといきみをうまく逃せるかの不安で複雑だった。でもここまできたら、元気な赤ちゃんを産めるよう最善を尽くすしかないと覚悟した。

翌日は朝から赤ちゃんの心音を確認し、昼過ぎから促進剤を打った。いきみのがしは難しくて、いきんでしまうこともあったが、「赤ちゃんが苦しくないように」と陣痛のたびに気持ちを切り替えてがんばった。午後2時ごろ、担当の助産師に「体力持つ?分娩室行く?」と言われ、体力が持つ自信がなかったので「はい」と答えた。しばらく赤ちゃんの姿勢を直す運動をして、分娩台へ。

出産して思ったのは痛いのはめっちゃ痛いけど「鼻からスイカ」ほどではないということ。もちろん痛みの感じ方は人それぞれだと思う。でもつわりの方が辛かったかもしれない。ただ、予想外に果てしなかった。勝手に早く終わるといいなとおもっていたけどそんなはずはなく。うーんうーんいきんでも手応えがなさ過ぎて、助産師に「進んでます?いきみ方合ってます?」と死ぬほど聞いた。

途中、女性の院長がきて内診。手を突っ込んで何度か回すようなしぐさをした。「(赤ちゃんの姿勢)直ったからね〜」と軽い感じで話して違う現場へと去って行った。女神に見えた。何にも知らないけど、一気にお産が進む気がしてやる気が出た。そこからいきむこと5時間ほど?でやっと破水。助産師の「頭見えたよ!」でさらにやる気を出して今までにないくらい本気でいきんだ。6回ほどいきんだのかな。つるん、と赤ちゃんが出てきてくれた。

9ヶ月も待ったのに、感動というよりは不思議な感覚。「本当に赤ちゃんいたんだ。こんなつるん、て出るんや」とか「旦那に似てる?え、女の子なのにどうしよ」とか。ドラマとかで見るようなうるうるって気持ちにはならなかった。ただ動きがかわいいこの生き物が自分の赤ちゃん、ってことが嬉しかった。しかし、出産の余韻にひたれたのはこの日の夜だけ。次の日の夜から母子同室で1人で夜のお世話をする。大変だった出産の達成感は吹き飛んで、目の前の小さな命を守る日々が始まった。

退院日。朝早く起きて赤ちゃんの授乳や帰宅の準備を済ませると、妹からラインでさだまさしの「いのちの理由」をカバーしたアカペラグループの動画が送られてきた。再生して思わず号泣。と、同時に「誰でも幸せになるために生まれてくるんだな。この子を幸せにするためにできることをしよう」と強く思った。夜寝なくてイライラしたときはこの時のことを思い出そう。私の下手くそないきみ逃しに耐えてがんばって生まれてきてくれた娘。すくすく育って毎日かわいい笑顔を見せてくれてありがとう。最近はジミニークリケットみたいな面白顔も。これからも愉快な日々を過ごそうね。


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