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和辻哲郎『創作の心理について』を読んで

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和辻哲郎 創作の心理について (aozora.gr.jp)


この本を読むと、心をキラキラさせて生きたいと思えます。苦悩の溜め息が、長い距離を走り切った後の無遠慮で乱暴で、しかし勢いがあって潔い深い呼吸に変わったかのように心境が変化します。


まずは、本に書かれていることを目次ごとに説明していきます。

・目次「一」
創作の心理とは、「生きること=表現すること」と言えるのではないか。和辻さんの実体験を具体的な例として説明されています。

・目次「二」
「生きること=活動すること=自己表現すること」ではないか。分かりやすい例として、喜怒哀楽で動くことも自己表現である。そして、芸術の創作は自己表現の特殊な場合となる。

・目次「三」
芸術家の創作が始まるまでに必要なものが書かれている。第一に、高められたる生命。第二に、何ものを犠牲にしても自分を表現せずにはいられないという切迫したもの。第三に、それを表現する素質(才能)が必要である。
しかし、すべての創作が上記のようなものばかりではない。そこで和辻さんは、「真の創作」と「偽りの創作」に分けている。どういったものが「真の創作」で「偽りの創作」なのか説明されています。

・目次「四」
どのように生きていくべきか書かれています。(だんだん面倒になってきて雑になってます。すみません)


私は創作に興味を持ってから「創作ってなんだろう」「芸術ってなんだろう」「芸術と美術ってどう違うんだろう」と考えるようになりました。そのヒントを得られたような気がしました。そして、私が好きなアーティストさんのことが頭に浮かびました。

私がそのアーティストさん(Aさんとします)の作品から感じたのは、「なんでこんなに苦しそうなんだろう」でした。他のアーティストさんが作ったものとは明らかにちがう。本当に苦しそうで、命を削っているかのような勢いのある作品ばかりでした。私は、Aさんの創作は「真の創作」であると思っています。

私も創作に興味がある者として「偽りの創作」しかできない自分に嫌気が差します。それは、Aさんを尊敬しているからだけでなく、一度だけ「真の創作」を経験したことがあるからです。
精神的に参っていたときでした。何かを生み出さずにはいられないほど苦しくなりました。誰に見せるわけでもなく、ひたすらに絵を描いたり文章を書いたりしていました。正気を保つたもの創作とはこういうものなのかと体験しました。


もし創作するなら「真の創作」をしたいです。しかし、今の私はそれができるほど「生きること」と向き合っていません。そんなことは考えず、ただ楽しんで創作したいのが本音です。しかし、どうしても「真の創作」をしていたAさんが頭に浮かんでそれが出来ずにいます。このまま「偽りの創作」をしてもいいのか、と。色んなことを難しく考えるのが得意な私らしい悩みだと思います。

以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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