低学年×ICT Part②

 「低学年×ICT ①」の続編です。
前回は「端末を正しく使えるようになる。」ための下準備の話です。
今回は実際の活用について論じていきます。

① 事務連絡
低学年は長い話が苦手です。しかし懇切丁寧に説明しないと理解してくれません。そしてすぐ忘れます。
これを解決してくれるのがGoogle classroomです。
「今日は連絡事項がたくさんあるのでclassroomを見ておいてください。」
と、朝黒板に書くだけです。
子どもたちも朝の貴重な時間を長い話で潰されずにハッピー。


② 係活動
「係からのお知らせ」
低学年の帰りの会では、何を言いたいのかが分からない係の子。話を聞けないその他大勢。やってる側の満足感だけの活動。ただ、本人たちは一生懸命で無下にはできない。
そこで「児童用クラスルーム」を開設。
具体的にはクイズ係はGoogle Formを使ってクイズを作成。
イラスト係は描いたイラストをスキャンしてこれもGoogle Formに投稿、数を集計してカラープリント。
また、お知らせも「クラスルームを見てください。」で終了。
新聞係もドキュメントで作ろうと画策している模様です。


③ 国語
各教科での活用について切り込んでいきます。
ここでは「ドリルパーク」など、テキスト的教材には触れません。

ジャムボードで基本形の
「ポジショニングマップ」、「Y字チャート」などの型を用意します。
言葉集めなどでは自由に活用するようにします。
単元「ようすをあらわすことば」では、言葉の種類を色分けして、自分のボードを参考資料にして短文を作る活動をしました。


④ 算数
「かけ算」、「1000より大きい数」ではジャムボードでおはじきを代用しました。黒板の前に出てきて説明する活動も、ジャムボードとGoogle meetの画面共有で行いました。位取り板もジャムボードで全員が自由に使えるようになり、スクリーンショットとオクリンクで考え方を全員で共有できるようになりました。
「じこくとじかん」でも、教材室から壊れかけのアナログ時計を引っ張ってくる必要もなく、アプリで長針短針を動かすことができました。


⑤ 生活科
学区探検では先方の許可を得て動画や画像資料を得ることができました。
また、発表会もclassroomで保護者に公開することができました。


⑥ 体育
ありがちな「端末で動画を撮ってフィードバック」はできませんでした。
動画を撮ることに夢中になってしまい、運動量が減ってしまいました。
チームで動く場合はクラスルームに名簿をはっておきます。
「自分のチームおぼえておいてね。」で、運動量を確保しています。
お手本動画などをはっておいて各自見るなども行っています。

⑦ 音楽
今のところ活用実績はありません。

⑧ 図工
一週間前から「こんなことをやりますよ。」と予告します。
教科書の作品をスキャンして、必要なものなどを書いておきます。
前日に「やべっ、持ち物伝えるの忘れた。」とならなくてよいですし、子どもたちも連絡帳に書くことが「図工の材料」だけで済みます。
作品はかさばるので即日持ち帰り、写真や動画で様々な角度から撮影してオクリンクへ。所見も書きやすいです。最近では見てほしいポイントなどをアップで撮影したり、目立つように→をつけてくる子もいます。
絵を描く際にも参考にする画像を自分で引っ張ってくる子もいます。

⑨ 道徳
「二項対立型」で活用します。
ジャムボードで自分の名前が書かれた付箋を操作します。
共同編集なのでいたずらする子が多発するので、これはかなり訓練する必要がありました。議論→操作→議論の繰り返しで、全員の心情が可視化されるのでかなり面白いです。

価値項目Dの「自然愛護」の資料集めでも活用しています。
Cー伝統と文化の尊重「おせちのひみつ」では、好きなおせち料理を選択し、自分で調べて共有するジグソー学習なども行いました。


⑩ 学活、その他
低学年あるあるで「早く終わった子がやることがなくなる」現象。
これを埋めてくれるのがGIGA端末でもあります。
全て終わったらタイピングを推奨しています。
タイピングソフトも最初は「寿司打」だけですが、その他の無料ソフトも小出しに紹介して飽きがこないようにしています。

トップランナーがしっかりとタイピングを身に着けてくれているので、クラスで話し合いをする際に議事録をとることができます。
国語「そうだんにのってください」の単元などでも、班に一人は記録を取ってくれる子がいるので、誰がどのような発言をしたのかが可視化されて、評価もとりやすいですし、所見も書きやすいです。
どうしても教師一人で全てのグループをずっと観察するのは難しいですからね。


最後に…
私のクラスは帰りの学活がほぼないので(できることはクラスルームで)最終下校時間まで20分ほどの余白があります。
ここで希望者のみの「ICT研修」を開催しています。
最初は毎回出ていた子たちですが、最近は「Aさん明日、今日教えてもらったこと教えてね。」とか何とか言って輪番制になっている模様です。


他にも活用方法がありましたら教えてください。

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