精神疾患にかかった話

2021年の教員の精神疾患での休職は5897人だそうです。
ただ精神疾患にかかった教員全員が休職している訳ではありません。
私も休職はしなかったものの「双極性障害」を発症しました。

① 「双極性障害」とは
一般的には躁状態(ハイテンション)と鬱状態(ローテンション)が続くと言われています。ただ、私の場合は少し違いました。
極端な躁期間があり、極端な鬱期間がやってきました。

② はじめに症状が出た時
講師~3年目の期間、月残業時間は70時間程度でした。
しかし、勤務時間を改竄するように言われたり、周囲の先生方は朝早くから夜遅くまで働いており、いわゆる同調圧力に苦しんでいました。

ただ、4年目で6年生の担任をした時に、学年団の先生方は驚くほど皆さん早く帰られていました。
はじめは定時で帰ることでソワソワしていましたが、直ぐに慣れました。
スポーツクラブのコーチをやったり、セミナーに惜しげなく通ったり、休日も教育書を読み漁り、隙間が空けば遊びに行く、そんな人生でした。

学級も安定していた…というより、子どもたちと私の相性が最高で、自分たちで自治したい子どもたちと過干渉しない私という構図。
初めての卒業担任でイロハも分からなかったこともあり、思い返してみれば「学校の先生」って感覚は全くない1年でした。

この大きな環境の変化と、何かをしていないと落ち着かない多動的な毎日を過ごす中で、精神的に安定しなくなってきて、眠ろうとするだけで大量の汗が噴き出て来たり、脳が休まる間もなく考え事をするようになり、通常の生活を送ることが困難になりました。

③ 悪化
躁鬱が悪化したのはコロナで環境がガラッと変わったことです。
異動後、高学年を担任しましたが、今までやってきた実践を行うことができず(ガイドライン、学年団の方針)自分の中で結果が出ていないと思い込み、鬱の症状が強く出るようになってきました。

また、翌年に担任した卒業生は前に担任した卒業生と異なり、ある程度管理をしてあげないといけない状態だったため噛み合わず、学年団の先生方や異動先の学校の方針など、自分の異に反する指導を行わなければいけないなど、ここでも大きな環境の変化が悪化しました。

④ 現在
現在の職場に勤務して3年が経ちます。
はじめは不満に思っていた学校の方針や先生方の考え方も自然と少しずつ受け入れられるようになり、症状が少しずつ改善されてきました。

⑤ 原因
脳神経外科を受診、ASDとADHDの傾向ありとの診断を受けました。
私自身「〇〇すべき」と思い込んでしまう「べき思考」が強いとのことでした。私の場合はアドラー心理学に傾倒していたために他者に価値観を押し付けることはなかったのですが、自分に対して極端に厳しくなってしまうところがありました。
そのため、大きな環境の変化で脳が壊れてしまったようです。
精神疾患とは同僚との不和、学級崩壊、保護者からのクレームなどがきっかけになることが多いイメージでしたが、私の場合は極度の環境の変化が短期間に集中したことにありました。

⑥ 治療
メンタルクリニックを受診し、一日に5回服薬していました。
医者はヨボヨボのおじいちゃんで、よく患者を恫喝しています。
薬をもらうためだけに受診していました。

薬を飲むと精神的に落ち着くので勤務時間中に眠くなってしまうこともあり、空き時間に更衣室で項垂れることもありました。高学年担任で専科があり本当に助かりました。

薬の量を少しずつ減らしているんですけど、未だに眠れないこともあります。そのため、定時退勤をして体への負担を減らしています。

⑦ 精神疾患を経験してみて
・精神科に通うことは恥ずかしいことではない。少しでもヤバイと思ったらすぐに電話する。初診までに3か月とかはザラである。
・自分に発達障害がないか確認する。客観的に診断されるとかなり気持ちが楽になる。診断書をもって管理職に相談する。
・精神疾患で休職する人はギリギリまで頑張りすぎている。遅くまで働いて休職するより、毎日定時で帰って休職しない方が自分にとっても良い。
・薬は最高だけど依存性がある。脱薬は地獄。

こんな感じです。今も脱薬と戦っています。

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