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2020/10/10-10/18 dB日誌

10月10日(土)

ここ数日、ずっと台風14号の心配ばかりしていたが、朝になって雨が止んだ。まだ空は厚い雲の動きが速く、風も強め。明石海峡大橋が強風で封鎖されていないことを確認し、一安心。昼過ぎにダンスキャラバンのメンバーが集合し、ハイエースに機材や道具を手際よく積み込む。みんな旅芸人らしくなってきた(笑)。音響の文章さんも合流し、2台で淡路島へ出発!晴れ間も若干見えてきてテンションが上がる。しかし台風の吹き返しで橋を渡る時は、2台ともハンドルが取られそうになり運転手はヒヤッとしていたらしい。明日の会場となるノマド村に到着。ノマド村で暮らす映像作家の茂木綾子さんが迎えてくれる。カフェのテーブルや椅子を移動し、設営開始。とても素敵な空間を人工芝やガーラントで更にデコレーション。KIITO公演の時もそうだったが、ダンスキャラバンの持ち味の一つとして、空間づくりが毎回アレンジできるのは、アーティストらにとって遊び心を発揮できる楽しい時間である。良い感じに空間が出来上がり、フォーカスやサウンドチェック。日も暮れてきて、えらくムーディーな感じでリハーサル。前回の大空間のKIITOホールとは同じようには動けない。ノマドカフェの空間に身体が慣れないといけない。「明日は即興ワークから始めよう」と集合時間を早めることに。今回とてもお世話になっている淡路島を耕す女ことやまぐちくにこさん達に挨拶をして、お食事処でこの旅の宿泊所でもある「淡波屋」さんへ。淡路島の新鮮な野菜や魚や淡路牛、淡路島の地ビールなど、どれもこれも美味!!とっても愛嬌のある店員のコユキちゃんが淡路島の玉ねぎの美味しい食べ方「レンチンバターポン酢」を教えてくれる。メニューにはないのでコユキちゃんが自ら厨房で作ってきてくれた。美味い!甘い!ご飯が美味しいと会話も弾む。あとは寝るだけだが、酔覚ましも兼ねて近くのコンビニへ。島の風が心地よい。明日からの本番が楽しみ。(田中)

[コロナ対策]検温。マスク着用。頻繁な手指消毒を心がける。会場の換気。

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10月11日(土)

曇天
時々陽が差す。空気が、とても澄んでいる。秋を感じる。

昨日は、『淡波屋』さん(https://tabelog.com/hyogo/A2806/A280601/28051855/)でおいしい夕食。今朝は、『ブランジェリー・フルール』(https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/hyogo/A2806/A280601/28006360/top_amp/)で朝食のパンとコーヒーを食べる。文章さんと正木くんは別行動。
朝食を終え、棚田と里山に囲まれた会場、古い小学校跡を利用したノマド村へ。

9時からダンスのウォーミングアップ。
ヒヨドリがヒーヒー鳴いている。

お昼。竹の皮に包まれたおにぎりと色とりどりのおかずたちに舌鼓。

『シベリアの花』とワークショップのセットを2公演。コロナ対策を徹底させるため、再度のアナウンスをおこなう。午後の陽の光に融け入るように公演が進む。

小学生の子供たちがとても生き生きしていている。自分の意見を物怖じせずにハッキリと表明できる子供が多いことに驚く。単に「田舎の子」であることだけでこうはならないであろう。素敵なことだと思う。このまま育ってほしいなぁ。

一方で、ちょっと大きい高学年の子供たちは、低学年の子たちと一緒に何かを創ることに独特の恥ずかしさを持っている。この頃が、微妙な年齢差にいちばんセンシティブなのかもしれない。大人が効果的に関与してやることで、彼らの年長者としての役回りを与えてあげると、もう少し溶け込めるのかもしれない。今後の課題。(等々力政彦)

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10月12日(月)

晴れ。
少し早起きしてお散歩がてら水産直売所へ。
前夜に知った、あの有名な大江のりって有明海の海苔らしい!ということで、しっかり淡路島産の海苔を購入。ここ数日台風の影響で漁がなかったからお魚はなかった。

2泊3日お世話になった淡波屋さんを出て東浦のパン屋さんのテラス席でみんなで朝食。ココ美味しすぎて2日連続。
そしてコーナンの農家直売所でお土産タイム2nd round。普段行かない土地のスーパーとか直売所ってなんであんなにワクワクするんやろ。玉ねぎを買い込んだ。

マンモスの森到着。普段は森の幼稚園をやっている場所でのステージ設営。前日公演したノマドカフェとは打って変わって広さも違えば目に入ってくる情報や環境も全く違う。そして想像以上に森。
すごく良い空間で、空気もいいし、鳥のさえずりや風や太陽を感じながら踊れるって野外ステージの特権。

本番始まるまで子どもたちが来なくて、ソワソワ。開演予定15分後には予定よりも多くの子たちが来場してくれた。遊具で遊ぶ子、秘密基地みたいなとこに登る子、ママにべったり離れない子。

公演後のWSは大人子ども混じってオノマトペでダンス。
胃袋も身体も心も満ち満ちた2泊3日だった。(貫渡千尋)

[コロナ対応]公演中のマウスシールド、手指消毒

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10月13日(火)

コロナ緊急事態宣言が解除され数カ月。
皆様の日常はどのようになりましたか?

アンニョンハセヨ

今回日記を担当しました、
dbさんから徒歩7分のところに自宅兼スタジオに住んでおります、
趙恵美チョウヘミと申します。
夫婦共々家族ぐるみでお世話になっております。

この世界中で広まったコロナ渦。
皆さまどのように対応されましたか?

緊急事態宣言により我が家のスタジオは臨時休業となり、全ての公演がぶっ飛んだ小銭芸人一家。
緊急事態宣言一ヶ月目は息子ふたりを連れ森川海三昧。
緊急事態宣言二ヶ月目からはじっとできない芸人の性分。
この機にと長年ヘルニアダンサー歴更新に貢献してくださってる中国整体の先生に夫婦で弟子入り。
緊急事態宣言が解除され少しずつ生徒さんもスタジオに通いつつも、生徒さまたちの職場の関係もあり全員復帰にはいたらず、ぼちぼちいこかぁ〜をモットーに過ごす。
そして以前より気になっていた韓国民間療法のよもぎ蒸しを導入しSalon Konganを開業した。
と、意外と目まぐるしい日常を過ごしてきました。

コロナによりソーシャルディスタンスとゆう人と人の距離感を推進される中、私は蜜じゃなかれど、人と人の距離やぬくもりをどうシェアしたいかばかり模索してました。

なぜか、、、

この写真にあるように劇場やスタジオがいちばんコロナ期間息をしてませんでした。

本来人が行き交う空間。
人のぬくもりや気が集まらないことで、こんなにも悲しげな表情をするのかと心痛かったです。

この写真は某火曜日の劇場とスタジオの姿。

10時からスタジオ・長田教坊でピラティスレッスン、11時からSalon Konganでよもぎ蒸し、13時からダンスボックスでコリアンダンスレッスン、15時からスタジオ・長田教坊でピラティスレッスン。
※スタジオ・長田教坊とSalon Konganは同じ場所。写真下

その空間で人々が呼吸をし身体を動かし話し笑い生きる。
そうするとことでその空間が活きる。

私達の日常が少し変わることで、
見えてくるものが変わり、
感じ方が変わるもの。

現在この世の中は見えないコロナ菌に怯え生きづらくなっていて、
だけどその見えないものという表現を以前より人たちはしっくりくるようになったようにも思えます。
アーティストにとってはチャンスじゃございませんかぁ?
見えないものを表現する私達。

この劇場やスタジオが人々が行き交うことで蘇るように、
現在見えないもので怯えてる人々の心に薬となる芸を届ける機会が訪れています。

私は日常に芸をモットーにしてます。
昔の人々が苦しいことも辛いことも歌って呑んで乗り越えたように、
これからそんな力になれる芸能が生まれればという希望を持ってます。

ピラティスレッスンで姿勢が改善されスッキリお顔の生徒さま、よもぎ蒸しに蒸されコロナストレスで止まってた生理がきたとの吉報をくださる生徒さま、広々した劇場でコリアンダンスの鶴舞を伸び伸び舞う生徒さま、
そんな生徒様たちと一日過ごしながら思った感想日記でした。

読んでくださり感謝ハンミダ💖(趙恵美)

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10月14日(水)

10時からの共生(ぐちゃゴチャ)聴覚zoomミーティングに向けて、8時半から準備。毎回字幕の出し方を変更しているため緊張の準備タイム。本日はOBS Studioを使ってやる予定がうまくいかず、結局最もシンプルなLet’s Viewアプリで、Androidの音声認識画面(メインのPCで音を集約して、全員の音声を文字化)を同期させ、それをzoomで画面共有するという方法に立ち戻った。5人の会議なら、この方法が一番シンプルで使いやすかった。

終了後、dBの次年度に向けたミーティング第1弾。前日にみんなにできる範囲で考えてきてねと、以下の宿題を出す。

①今後自分はどうしていきたいか(個人として) ②今後dBをどういう団体にしたいか。③dBとしては今後どのような事業をできるとよいと思うか? ④自分が担当したいこと、やりたい企画など。

組織として何をすべきかを考える必要はもちろんあるが、今事業や組織を動かしている一人一人があってのdB。組織のために働かされているのではなく、自分たちが日々感じ考えていることがdBの活動につながるとよいと思う。

とても良い時間だった。実感ももどかしさも希望も課題もいろいろ共有。20代から60代。大谷さん以外は皆女性。dB2か月の新メンバーから古参迄。具体的な次年度の事業はまだまだこれから検討が必要だが、まずは第一弾として想いと考えを広げてみる。年度内の、決めきれなかった事業もようやくまとまった。様々なアーティストやまちの人、色んな人の顔を思い浮かべながら企画の話をするときのメンバーは、勢いがよく笑い声も絶えない。

今日の劇場は、Dance Artist View<カルチベートプログラム>に参加している、「コンポジション・エクスペリメント・クラブ」(略してCEC)の上野愛実、中西ちさと、中間アヤカ、内田結花の4名が、色々な実験を繰り返している。どうやら、衣装や音についての実験を重ねているらしく、換気のために扉全開にしているため、パンチのある音楽が響く。そして、ユニークな衣装や髪形で、入れ替わり立ち替わり着せ替え人形のように、ミーティング中のロビーを通過。(文)

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10月15日(木)

曇り。春ほどにないにしろ、秋もまた多くの野草に出会う。
写真は、植栽されたものだが、原っぱでも見ることができる彼岸花。
黄色い彼岸花は、赤いものと違い、優しい感じがする。

ところで、このdB日記、よく続いているな、と思う。これも、ぼりちゃんにお尻をたたかれるゆえですね。私は、何度か日記を書こうとチャレンジしたが、だいたい1週間で根を上げてしまう。加藤種男さんは毎日欠かさず、書いてらっしゃると聞いたことがある。続けることも才能ですね。

今日はマー君(垣尾優)の映画の撮影が、あった。上海さんがdBに来る。随分久しぶりである。dBではGUYS2の折に「麻雀ボレロ」をやった。上海さん以外に、ヤザキタケシ、斎藤誠、冬樹さんたちが出演していて、抱腹絶倒した覚えがある。名作である。

マー君の映画は、どのようなものになるのか、全くわかっていないのだが、私も少しだけ、出演することになっていて、dBの裏の公演で、人間道路標識のようなことをした。撮影は5分ほどで終了。短編らしいが、どのようなものができるのか楽しみである。

あと、11月14日に静岡の甲賀さんの企画で「創造の語り場」というのに出演することになって、そのタイトルを送る。「手仕事の感覚~アートと地域社会を結ぶ~」とした。(大谷燠)

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10月16日(金)

晴れ。最近決まって5:50に目が覚める。以前は目覚ましを何個設定しても起きられなかったのに、今となっては二度寝ができなくなっている。身体の変化なのだろうか。Meditopiaという瞑想アプリを使いはじめてから、睡眠が本当に深くなった。(Meditopia:瞑想アプリで、音声を聞き流すことで簡単に瞑想ができる。寝るときに聞くと、普段の睡眠とは段違いの質!(笑)集中力がアップするプログラムなどもあり。)

お昼ご飯に、田中さんと一緒にお弁当を買いに行く。今日はちょっと贅沢にひつまぶし。ご飯がたっぷりで食べ切れるかなと思ったけど意外とペロリ。

お昼ご飯中に、文さんと田中さんと韓国語の話をする。韓国ドラマをよく観る田中さんと、よく会話中に「オモ〜(驚いたときの感嘆詞)」や「アイゴ〜(広く使える感嘆詞)」を使うという話や、日本語と同じ音の言葉がよく登場すると話す。韓国語はなぜか声に出して言いたくなる言葉が多い。勢いよく口にするとなんとも言えないスッキリ感がある。

午後は、ダンスキャラバンの長田区のチラシを作成する。

新たにコピーを作成し、チラシの要素を見直してみた。子どもたちや保護者がチラシを見たときに何を動機にイベントに来るのかとても興味がある。「子どもに見せたい」「楽しそう」などの声はよく聞くが、そのもう少し深いところを探りたい。子ども向けのイベントでは特にチラシが肝になっているような気がするので、チラシのどの要素が最もお客さんが来る動機となっているのか、これからのチラシ作成で探っていきたい。(髙木)

[コロナ対策]手洗いうがい、スタッフの検温、換気

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10月17日(土)

雨。今日は「サイレントシアター」の初回。午前中からコアメンバーが集まり、手話&声なしでミーティング。大量の裏紙に筆談する。あっという間に大きなテーブルを紙が埋め尽くす。終いに、裏紙を追加で持ってきてくれていた高木ちゃんが「もう、裏紙ありませんー」と根をあげた。みんなで千鶴屋のお弁当を食べ、駆け足で進行確認や追加で準備物の作成。13:40受付開始。ジェスチャーや筆談で参加者を迎える。参加者も皆この空間では手話や声を使わないルール。朝からバタバタしていたので、身体がまだざわついている。ざわついたまま「サイレントシアター」開始。気づいたら視線の集まりやすい真ん中に立ってしまっていた。(あれ?この感じは、アタシが進行?)コアメンバーの中川綾二さんに目配せする。(ですね・・・笑。でも一緒に乗り切ろう!)みたいな空気を感じる。なんかぬるっとしたスタートになってしまった。お客さんも表情が硬い。他のコアメンバーも大丈夫かと不安な感じが伝わってくる。映画上映が終わり、トークやディスカッションの時間。透明のOPPシートを広げ、壁に書いたり、床に書いたり。グループディスカッションでは、あちこちに書かれた言葉にコメントが足されたり、新しい会話が始まったり。混沌としていた。個人の感想からグループでの会話、リアクションまで、全てそこに残っている。劇場の特性を活かして、全てのシートを奥の壁に吊り下げた。圧巻。私たちはこの短時間でこんなに会話していたのね。高い位置の文字は、オペラグラスを使って読む。dBに来て10年近く経つが、初めて見る光景。片付けた後、コアメンバーの松島亜希さん、三田宏美さん、文さんとフィードバック。結局最後まで、聴覚の障害があるのかないのかわからない人も数名いた。実験的な時間。筆談を極めたいわけでも、イベントを成立させたいわけでもない。誰かに合わせたりどちらかに寄せるのではなく、だからと言って自分の位置のままでもなく、互いの真ん中を見つけてそこに行ってみる。自分の持っているものをそれぞれ1つ置いてこないとその真ん中には行けない。結構不便だしちょっと不安。でも行ってみると、そこは表現し難いほど豊かな空間になる。「ぐちゃゴチャ企画」はとにかくフィードバックが尽きない。また近いうちにリョージさんも交えてフィードバックしましょうと解散。その後、去年のナビゲーターで今年千葉から参加してくれたAzumi Piano氏と文さんとで餃子亭へ。ふりかえりは続く。そのままあづみちゃんと米八へ梯子。ハモと松茸の土瓶蒸しにこの上ない幸せをかみしめつつ、話は尽きぬまま塩屋の自宅へ。安いワインを飲みながら夜中の2時過ぎまでフィードバックは続いた。(田中)

[コロナ対応]検温。喋らないが全員マウスシールドを着用。頻繁な手指消毒を心掛ける。会場の換気。

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10月18日(日)

晴れのような曇りのような。洗濯は2回。

ベトナム水上人形劇のプログラム、水上人形劇についてのレクチャー映像の撮影である。これまでオンラインでお話してきた伊澤さん、対面では初めてで、楽しみである。12:00に新長田駅で待ち合わせして、39サイゴンへ。私の子どももアシスタント!?として同行である。13:00すぎに劇場へ到着。写真等のビジュアル資料をホリゾントに投影しながら撮影できるよう準備を進めたが、ハレーションをおこすので、編集の段階で入れることに。大黒幕をしめて撮影すると、ぐっと舞台上でのパフォーマンスのように見えてくる。今回、水上人形劇のキック・オフということで、全て映像プログラムに切り替えた。ずっとオフラインの現場に立ち続けてきた身としては、映像制作は未知の世界である。今回、どこまで行けるかな!?

レクチャーの原稿を何度もよみ、撮影でも聞きながら、コロナ禍の現在、そしてこれからにおける文化芸術の場について考える。最近は思考が堂々巡りしてしまい、どうも次の場所へ行けない。多分、井の中の蛙状態で、外部や他者との接続が足りないのだろう。

撮影が思いのほか早く終了したので、子どもと鉄人公園へ。公園の木や風景をみながら、数カ所でスケッチした。そうか、これからは一緒に写生大会ができるんだなぁと感慨深くなる。これは血か、私の父親は画家である。今回、水上人形劇のチラシのイラストを描いてもらったのだった。(横堀)

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