3位躍進の2014オランダ代表 マンツーマン&ゾーン併用のディフェンス 《黄金世代 ファンペルシ・ロッベン・スナイデル ほか》

グループB 1節
スペイン (1-5) オランダ
2014年6月13日
得点者:
>ESP 27m X.アロンソ PG
>NED 44m ファンペルシ
>NED 53m ロッベン
>NED 64m デフライ
>NED 72m ファンペルシ
>NED 80m ロッベン

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【vsスペイン相手のマンツーマン&ゾーンのディフェンス】
スペインは4-3-3。しっかりオフェンスのセットアップをつくって、アルバとアスピリクエタの両サイドバック押上げの攻撃態勢のつくり、またはバックアタックの攻撃パターンを狙ってくる。

対するオランダの守備が、スナイデル・デヨング・デグズマンはマーク対象がほぼ決まっていて、特にセンターサークル近辺でのマークはタイト意識が強い。
残りのフィールドプレーヤー7人は4-3のゾーン。"4"のブリント・ロッベン・ファンペルシ・ヤンマートは、バスケットやハンドボールのように守備ではサイドが垂れ下がる守備陣形。"3"は"4"のあいだを抜けてくる攻撃相手の封じ、または"4"のあいだでの攻撃相手のボール受け封じ。"4"の背面カバー。
当然、バスケットやハンドボールにはないオフサイドラインの意識も求められる。

シャビとシャビアロンソとブスケツにはタイトなマンマークがつくことで、スペインのアルバとアスピリクエタへの供給に手詰まり感が生まれる。

ラモス&ピケに対し、ロッベン&ファンペルシが立ち塞がれば、より縦方向へのボールにズレやスローダウンが起こる。ラモス&ピケがオランダディフェンス隊形のあいだを抜けてくる姿勢であれば、前線に残るロッベン&ファンペルシの得点力がより活かされる。

マンツーマン体制を取る3人においても、マンマークは基本のスタンスであるが、最優先事項ではない。明らかにピンチになりうるドリブルやパスの前進が予測できれば、最優先はボールになる。

このマンツーマン&ゾーン併用のディフェンスは、バスケットで使われているボックス&ワン・トライアングル&ツーというようなものに近いと思われる。
サイドのブリントとヤンマートが垂れ下がる形は、帰陣を終えディフェンスのセットアップをつくりジワジワ守る態勢が出来上がっている状況。もっとより積極的なディフェンスをしたい場合は、両サイドorボールサイドが相手エンドライン方向により押し上げて構える形になるだろう。

┃4-3のゾーン封じ & 3マンツーマン┃

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Round16
オランダ (2-1) メキシコ
2014年6月29日
得点者:
>MEX 48m G.ドスサントス
>NED 88m スナイデル
>NED 90+4m フンテラール PG

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【vsメキシコ相手のマンツーマン&ゾーンのディフェンス】
メキシコは3-5-2。オランダの守備はスペイン戦と若干変わり、5枚のマンツーマン体制を取ります。カイト・Nデヨング・スナイデル・ワイナルドゥム・フェルハーフの5人。
メキシコのマルケス等がフリーでボールを持っていても、かなりの強度でタイトマークで相手について動きます。故に、ロッベン&ファンペルシの背面が大きく空き、オフサイドライン際に人が集まったシーンも多く起こっています。

ただ基本的には、マンマーク自体がインターセプトの主軸というよりは、マンマークの追尾体制で消しながらの、マンマークを布石に使った他でインターセプトかボールロストを狙う形。

このマンツーマン5枚に組み合わせて、3-2のゾーン。前衛にロッベンとファンペルシ。後衛にブリント・フラール・デフライ。
数的構造としては、逆手を取られないカバー体制の数的優位性のボールレシーブか、メキシコのマルケス等が攻撃参加してきた場合のロッベン&ファンペルシの速攻の優位性、このトレード関係での駆け引きが生まれるといえます。

メキシコが攻撃で違いをつくれる部分は、モレノ・マルケス・Fロドリゲスがコース開拓のために上がるくらいで、それもメキシコからすれば受け手の間受けが難しく、相手の逆手を取りパスを出せるタイミングが一致する状況もなかなか難しい。

>9分にNデヨングが退き、ブリントが1つ前に出て、交代出場のマルティンスインディがブリントがいた位置に入ります。

┃3-2のゾーン封じ & 5マンツーマン┃

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>オランダ代表は、地区予選では4-3-3で本大会ではストロートマンを負傷落選で欠いた

>W杯2014と似たようなディフェンスでのちの欧州選手権2016の予選を戦うも、ファンペルシが去り、怪我等でパフォーマンスの落ちたロッベン・スナイデルらの陣容というのもあり、予選敗退。W杯2018出場も逃した。


┃ W杯2014オランダ (所属/年齢/キャップ数)
9 ファンペルシ (Arsenal/ManU/30/cap85)
11 ロッベン (Bayern/30/cap75)
10 スナイデル (Inter/Galatasaray/30/cap99)
6 N・デヨング (Milan/29/cap71)
8 デグズマン (Swansea/26/cap10)
20 ワイナルドゥム (PSV/23/cap5)
15 カイト (Liverpool/Fenerbahce/33/cap98)
7 ヤンマート (Feyenoord/24/cap16)
3 デフライ (Feyenoord/22/cap12)
2 フラール (Feyenoord/AstonVilla/29/cap24)
4 マルティンス・インディ (Feyenoord/22/cap16)
5 ブリント (Ajax/24/cap12)
1 シレッセン (Ajax/25/cap8)
__Krul, Vorm, Kongolo, Verhaegh, Veltman, Clasie, Fer, Lens, Huntelaar, M.Depay

【関連】
┗ ファン・ハール Wikipedia
┗ クライファート Wikipedia
┗ ファン・ペルシ Wikipedia
┗ ロッベン Wikipedia
┗ ストロートマン Wikipedia
┗ メンフィス・デパイ Wikipedia

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