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屈強な頭脳集団 【W杯開幕戦 カタール-エクアドル】

両チームスタメン

ついに始まりましたね、ワールドカップ。という事で初戦を戦術的な視点で少しばかり振り返っていきます。


カタール🇶🇦

開催国カタールはアル・サッドとアル・ドゥハイルの選手が占めています。しかもこの選手達にはシーズンを放棄させて合宿させているそう。各メディアが言うように「国を挙げてワールドカップに挑んでいる!」って感じがするなあ。あ、ちなみに主力を欠いているアル・サッドは現在リーグ9位らしい。アル・サッドの他の選手達ちょっと可哀想😓
そして監督のフェリックス・サンチェスはこのワールドカップのために招聘されたバルサのカンテラでも指導者を務めていた人物。こないだまでアル・サッドでシャビ監督したりとか本気でワールドカップ勝つ為にスペインの戦術とか採り入れようとしてるんだなって感じ。
そんなカタールのシステムは5-3-2。これは2019年のアジアカップでも採用していたシステム。もしかしたらそれより前から継続しているかもしれない。3バックで後ろから組み立て、しっかり繋いで崩すという狙い。
アジアカップ決勝ではこの戦術に日本もしてやられたのは記憶に新しい。いざとなれば3枚のCBから質の高いロングボールもあるという感じ。

エクアドル🇪🇨

対するエクアドルは世代交代を成功させて南米予選を突破したチーム。ブライトンのカイセドとかエストゥピニャン、レヴァークーゼンのインカピエみたいな若くて運動量あってフィジカル強くてサッカーIQ高い!みたいなタレントが揃ってた。そして彼らの舵を取るのが20番のジェグソン・メンデス。彼の事初めて見たんですけどすっごい良い選手だわ。。。


エクアドルが試合を支配した理由

蓋を開けてみると、意外にもエクアドルが保持する展開となりました。これについてはエクアドルがインテンシティ(強度)でカタールを上回った点、カタールがメンタル的な問題からポジショナルプレーを実行する質になかった点が原因として挙げられると思います。カタールは緊張で各選手の動きとんでもなく固かったもんね。

そして、エクアドルのビルドアップとしては2枚のCBの間に、ボランチの20番メンデスが降り、DFライン+メンデスで行うというものだった。メンデスが降りる事によって中央は3枚VSカタールの2トップという構図になっていた。

という事で前プレはハマらず、自陣に引いて守ることとなる。そしてこのままズルズル下がるだけではダメなのでカタールとしては誰かがプレスに行かなければならない状況に陥る。

じゃあ、IHが行こう!となるとアンカー脇が空いてしまう。アンカー脇が空くとエクアドルはそこにエネル・バレンシアが落ちてきてポストプレー、攻撃の起点としていた。

じゃあWBが行こう!となると次は後ろが手薄になってしまう。その結果エストラーダやイバーラを目掛けてエストゥピニャンがロングボールを入れてピンチになる。

というような感じでエクアドルがボールを支配する形で進んで行きました。
これを見て意外にもエクアドルはサッカーIQが高い選手が多いなと感じましたね。まあ意外と言っては失礼なんですけど。
どのような場面で感じたかと言うとボランチのメンデスは落ちるだけでは無く、状況に合わせて高いポジションを取るときもありました。また、空いたアンカー脇のスペースを察知して降りてくるエネル・バレンシアや、カタールの2トップの門の間に顔を出すカイセド、さらにはSBながら司令塔の如く振る舞うエストゥピニャン
そんな試合の流れを見てエクアドルはインテンシティでも戦術面でも大きくカタールを凌駕していたと感じました。もはやカタールは攻撃すらさせて貰えませんでしたから。ほとんど攻めさせて貰えず挙句の果てには苦し紛れのパスがエクアドルの守備網に引っかかり、逆にPKを献上してしまいます。

カウンターに繋がったインターセプト

15分のカタールがボールを保持し、エクアドルが自陣に引いてブロックを形成している、という場面。しかし、ボールホルダーのハテムに対してただブロックを形成しているだけでは無くエクアドルのディフェンダー達はパスコースを切って限定していました。

その結果、ハテムはこのコースしかない!とリスキーなパスを選択。そこを読んでいたメンデスがカットし一気にカウンターへと繋がりました。
このインターセプトは、FWからディフェンスを行い、守備ブロックが組織として機能しているからこそ出来たインターセプトだと感じます。

総括

カタールよりもフィジカル的にもメンタル的にも戦術的にも上回っていたエクアドルの完勝、正直もっと差がついてもおかしくない試合でした。
まあこの試合で感じたのはアジアと南米の壁ですかね。アジアじゃ優位に立てるフィジカルを持ったカタールもエクアドルの前では子供扱いでした。それが悲しかった。
ただ、カタールも下を向いてる暇はないはずなので頑張ってもらいたいですね。
逆にエクアドルは今大会、そしてこれから先が楽しみになる一戦でした。
とても素敵な開幕戦でした。


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