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コラム オープンソースソフトウェア  Mixxx(DJソフトウェア)

 今の人達は、ソフトウェアが箱に入ったパッケージで売られていたなんてあまり知らないでしょうね。ソフトウェアはネットからソフトウェアをダウンロードしてインストールするのが当たり前になってます。それもあってかな? 元々ネットのみで配布されていたオープンソースソフトウェアというものに対しても最近は抵抗感無く、積極的に使っている人がドンドン増えきています。ビジネスユースでもオフィスソフトウェアLibreOfficeや3DCG統合ツールBlenderがかなり活用されています。

 日頃オープンソースのソフトウェアの普及活動をしている私にとっては最近のこういう流れはとても嬉しいです。

 
 という事で、今回はあまり知られてないけどちょっとキニナルというか使えるエンタメ系オープンソースソフトウェアを一つ紹介したいと思います。
 そのソフトウェアというのがオープンソースのDJソフトウェアのMixxx(ミックス)です!

▲Mixxxの紹介ビデオ

▲Mixxxの入手先(公式サイト)

  基本的にPCでDJをするためのソフトウェアは、フィジカルコントローラーと言われるPCにUSB等で接続してソフトウェアを外部から操作する為のミキサー機器に付属して販売される事が殆どです。

 有名なDJソフトウェアは株式会社銀座十字屋 ディリゲント事業部が国内で扱っているSerato DJ Pro(旧名Serato DJ:セラートディージェイ)とか、Native InstrumentsのTRAKTOR(トラクター)が二大巨頭として有名で、それ以外だとPioneer DJ製の機器にのみ付いてくる独自開発のソフトウェアrekordbox(レコードボックス)があります。大体のDJはこの辺りのソフトウェアをクラブで使っています。
 それらは皆とても優れたソフトウェアです。クラブで使用するならばこれらを選べばユーザーも多いし間違いないでしょうね。

 ただ、これらは古い機器を長年持っていたりすると、ソフトウェアの販売競争からどんどん置いてきぼりになっていくのも事実です。ソフトウェアはアップデートされ新しい機器にのみ対応して、古い機器が対応から外れ見捨てられる事はパソコンでもそうですが、競争社会の中では悲しいかな当たり前の事です。

 そんな愛着あるレガシイ機器を活用して使える(エコシステム)なのがオープンソースコミュニティの醍醐味かも知れません。世界中のボランティアプログラマーやDJ達が自分の機器や環境に合わせて日々ソフトウェアを開発してくれています。そうやってWindowsに換わるLinuxという基本ソフトウェアは進化してきました。
 オープンソースのソフトウェアもそうですね。LibreOfficeやBlenderも最新のPCスペックじゃなくても、ちょっと前のPCでもちゃんと動いてくれます。
 そんな感じでMixxxというDJソフトウェアも世界中のDJのボランティアの方々が協力し合って自分の持っているフィジカルコントローラーに合わせた設定用プロファイルを公開してくれています。それらを開発コミュニティの方々がプログラム本体に採り入れてくれて、ソフトウェアは日々進化し続けています。私が使っているフィジカルコントローラーはVestax(ヴェスタックス)という今は亡き名門ブランドのVCI-100というとても古い機器です。当然最新のDJソフトウェアは対応していませんし、今後対応版が開発されることはありません。
 しかし、オープンソースのMixxxならば、VCI-100のような古い機器でも見捨てることなく世界中のボランティアの方々が設定ファイルを作ってくれます。(VCI-100については、興味深いことにDJのプレイスタイルに合わせた操作系の異なる設定ファイルがいくつか添付され公開されています)

 なかなか、日本のサイトでMixxxを紹介しているところが少ないので、あまり知られていませんが、先に紹介した三つのDJソフトウェアに劣らない(BPM、キュー、スピード制御、ピッチシフト、4トラック、オートDJ、エフェクト、ヴァイナルコントロールなど他のソフトウェアが持っている大凡の)機能を有していますし、日本語にも(これもコミュニティのボランティアの方々が日本語化をしてくれています)対応しています。また、フィジカルコントローラーを持っていなくてもPCのキーボードだけでも実はMixxxをコントロール出来ます。
 他のDJソフトウェアやミキサー卓を使ったことのある人ならばMixxxの操作に殆ど戸惑うことはないでしょう。

 ホームパーティでDJをと考えている方はお試しに是非ともMixxxを使ってみてはいかがでしょうか?



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