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チームの強さ

noteをはじめて、アパレル分野ではファッションテックやスタイリング関連などは多いけどブランドの中の人ってのはあまりなくて、やっぱりアパレルは閉鎖的な世界だなあと思ったりもするわけです。まあ、中の人からするとデザインやクリエイションって言語化するのが難しいのと、デザイナーがそれに慣れてないのと、「モノ」を見て感じてくれよ。って人が多いですからね。
僕は経営者っていう立場なのでまたちょっと違うのだけど、できるだけ自分の経験や思考などをnoteに書いていけたらと思っています。それが新しくファッションビジネスをはじめようとする誰かの参考になれば。

2011年に起業、2012年に法人化、しばらくは1sinの利益も出なかったので、一人でやっていたのですが、3年目の頃からは少しずつ利益が出るようになり、次のステップを考えるようになりました。

今日はチームの強さについて

KUONチームは
デザイナーのバシくん
パタンナーのナシくん
海外&諸々のヤマさん
クリエイティブおじさんのイチさん、
お金を右から左へ動かす僕。という編成です。
この他にも国内セールス、海外セールスなどのエージェントチームやインターンシップの子などがサポートしてくれています。あと、ものすごく僕たちにとって大事なのが工場の皆さん。KUONの面倒なモノづくりは彼らなしではあり得ません。

僕とバシくんの二人でスタートして、ブランドが成長する過程で新しい仲間が増えていきました。僕の最近の仕事はチーム編成と言ってもいいくらいでしょうか。

バシくんはKUONの前はパタンナーをしていたので、デザイナーとしてはKUONがはじめて。出会った当時は1sinのパターンを引いてもらったりしたのでしたが、これまで見てきたパタンナーの中では能力が突き抜けてた。当時は29か30歳くらいだったと思うけど、踏んでる場数が違っていたからね。何かをやるときは彼を中心にしたいと思ってました。一言でいうと 完璧主義者かな。
今では「先生」と呼んでいます(笑

ナシくんのパタンナーとしてのキャリアもなかなかすごくて、彼が入ってからKUONのクオリティがだいぶ上がったと思います。
とにかく気が利く。今後ウチがさらなる飛躍をするためのキーマンかな。

僕みたいなセンスや技術のない人がデザインする場合のほとんどは古着や気に入った商品をベースにデザインやパターンを起こす"サンプリング"がほとんどだけど、彼らはゼロからモノを作れるのでそれがKUONの強みの一つだと思っています。
ニューヨークの古着屋で気になるパンツを見つけた時は、僕がサンプルとして買おうとしたら、ちょっと待ってくださいと、5分くらいあれこれと見て、「覚えました」って。

海外のメゾンなどの生粋のデザイナーのつくる服も好きだけど、僕はパタンナーがつくる服が好きで、特に資金が少ないウチみたいな会社がブランドを立ち上げる際にはセンスのあるパタンナーを見つけるのがキモだと思っています。

アパレル以外の人からしたら当たり前にように聞こえるかもしれないけど、企画だけしてあとは外注で回すこともできるので、僕らもモノづくりはけっこうちゃんとしているのだと思います。モノづくりって手間とコストはかかるけど、広がりが出てくると自社で内包できるってすごく強いです。

ヤマさんは僕らがパリで展示会に参加していた際に知り合って、当時から狙ってた(笑 のだけど、ちょうど前職を退職されたと聞いてスカウト。デザイン以外はすべてこなせるという反則級のスキル。

イチさんは僕をこの世界に引き入れてくれた人。「時しらず」や「WISM」を立ち上げたこの業界ではちょっとしたレジェンド。1sinを立ち上げる時にまず相談した人、ちなみにその時は「絶対にやめたほうがいいです」と言われました(笑
KUONがTOKYO FASHION AWARD2018を受賞して本格的に海外に進出するタイミングでチームに入ってもらいました。もう15年くらいの付き合いですね。まさか一緒に仕事ができる日がくるとは。展示会で他のお店のバイヤーさんがびっくりします。バイイングに来てると思ってるらしいです。イチさんは基本にぎやかしの飲み会隊長です。ずっと前からラグビーが好きで最近はもっぱらW杯の話ばかり。

けっこう、いや、かなり強力な布陣です。基本的に皆が一騎当千。
なので僕の仕事はあまりないです。
ただ、専門が法律なんで、契約関係とかになると頑張ります。

日本はOEMやODMがとても優秀だから、僕みたいな素人でもブランドをつくることが簡単にできます。
だけど自分が1sinをはじめて思ったのは、上を目指すにはすぐに壁というか天井が見えてきます。サンプリングには限界があり、モードであれストリートであれファッション・デザインは未来を見せるのが大事だと思います。
一方で、日本は右肩下がりとはいえまだまだマーケットは大きいです。服飾学校を卒業してブランドを立ち上げてもトントン拍子でうまくいくこともあります。だけどその先に必ずと言っていいほど"資金繰り"や"マネジメント"などのデザインとは違う、"経営"の壁が出てきます。クリエイションにかける時間がどんどんと削られます。たまに両方出来ちゃう天才がいますが、ほとんどは無理です。

そのためにはチームが必要です。
ここ数年、日本の服飾学校でもビジネスをもっと教えるべきだという話題を聞きます。もちろん僕もそれはとても大事だと思います。
けれども、法律の世界でも試験勉強を何年もして合格しても、資格を持っているだけでは仕事は絶対に来ません。他の業界と同じく、営業やマネジメントは必須です。だけど専門学校や試験では合格後の話なんて一切でません。
ウチにインターンに来ている子達の話を聞くと課題で手一杯のようです。そこにビジネスの話をしてもなかなか大変なのではないかとも思います。
それよりはクリエイションを伸ばすことをしっかりやってもらって。海外の服飾学校などで行なっているという、経営面でサポートや共同経営をしてくれるような人たちに学内チームでプレゼンする授業をすればいいのではと思います。なかなかすぐに見つかるものではありませんが、そういう教育は大事かと。TEDなどを目指すのも良いですね。

必ずしもチームである必要はないこともありますが、ステップアップをする過程で一人ではできないことも増えていきます。チームだと思わぬところで解決策が見つかったり、一気に成長することがあったりします。ウチがそうです。アパレル、特に卸売ビジネスは常に支出が先行するので、人件費はなるべく節約したいところですが、人を増やすことで可能性はグッと広がると感じています。

弊社のウリは"デザインから債権回収まで"
なかなか面白い会社になってきましたね。

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