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エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス 究極のマルチバースにようこそ

あらすじ

エヴリン(ミシェル・ヨー)は、経営するコインランドリーが破産寸前、ボケているのに頑固な父親ゴンゴン(ジェームズ・ホン)、いつまでたっても反抗期の娘ジョイ(ステファニー・スー)、優しいだけで頼りにならない夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)と、盛りだくさんのトラブルを抱え、まさに人生どん底状態。
さらに税金申告の締め切りが迫りテンパりモードな彼女の前に突如、「別の宇宙(ユニバース)から来た」と名乗る夫が現れる。
大混乱するエヴリンに「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚愕の使命を背負わせる。
そんな「別の宇宙の夫」に言われるがまま、ワケも分からずマルチバース(多元宇宙、並行世界)にジャンプした彼女は、カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て闘いに挑むが、娘のジョイが巨悪の正体と知り……。
製作・配給スタジオ「A24」史上初、全世界興収1億ドルを突破したアクション・エンターテイメント。
家族の問題とコインランドリーの経営に悩むフツーのおばさんが新たなヒーローとなり、マルチバース(多元宇宙)と連結、カンフーを駆使して全人類を救う物語。
主人公のエヴリンには「グリーン・デスティニー」「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のミシェル・ヨー。夫のウェイモンドには、「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」「グーニーズ」で天才子役として名を馳せ、20年ぶりにハリウッドに復帰したキー・ホイ・クァン。それぞれ、第80回ゴールデン・グロープ賞(ミュージカル/コメディ)で主演女優賞、助演男優賞を受賞。第95回アカデミー賞にて作品賞を含む最多10部門11ノミネート。

感想など

近頃、マルチバースが絡んだ映画が、流行っている。アメコミ映画や邦画などでマルチバースが絡んだ映画が、相次いで公開されたけど、この作品はかなり難解でカオスなのでついていくのが大変かもしれないけど、ダイバーシティなど多様性が叫ばれる最近ならではの万華鏡か曼荼羅のような映画に仕上がっている。
とはいえ、ただのおばさんに過ぎないエヴリンが、マルチバースの自分にジャンプしその自分の特技を使って戦うジョイと戦うため、カンフーの達人の自分にジャンプし即席カンフーマスターになって戦うカンフーアクションは「マトリックス」、独身時代のエヴリンとウェイモンドの大人のラブロマンスのシーンは「花様年華」、「レミーのおいしいレストラン」「2001年宇宙の旅」などのオマージュやマルチバースの自分にジャンプするために変なことをするなどコミカルな要素も散りばめられ、マルチバースを曼荼羅のように仏教などの哲学的な解釈する世界線の中で、「全ては空で全である」という思想を突き詰めたエヴリンとジョイの親子の葛藤やエヴリンとウェイモンドの破綻寸前の夫婦仲の決着の付け方が、多様性を突き詰めた世界観とその果てと先を見せてくれる破天荒な内容が、単なるマルチバースSFサスペンス映画以上に楽しめる。

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