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冷たい熱帯魚 恐るべき実話犯罪映画 その2 埼玉愛犬家殺人事件

あらすじ

小さな熱帯魚店を経営する社本(吹越満)と妻の妙子(神楽坂恵)は、娘の美津子(梶原ひかり)が万引きしたと連絡を受け、スーパーへ向かう。そこで警察への通報をされそうになったとき、同じく熱帯魚店を経営する村田幸雄(でんでん)の介入でお咎めなしに。 
社本よりはるかに大きい店構えを持つ村田は、若い女の子を全寮制の寮付きで雇っており、美津子もそこで面倒を見ても良いと申し出る。
再婚相手の妙子と美津子の不仲に悩んでいた社本はその申し出を受ける。
完全に村田のペースに乗せられた社本夫婦は、熱帯魚の養殖ビジネスに協力する事になるが、どんどん深みにはまっていく・・・。 
埼玉愛犬家連続殺人事件を元にしたクライムサスペンス映画。

感想など

壊れた冷え切った家族が、でんでん演じる村田の強烈な磁力と狡猾さと人当たりの良さと残虐さにずるずる転落していく展開を、園子温独特のいわゆる「ボデーを透明にする」シーンのグロテスクで生々しい描写やバイオレンスやセクシー描写満載で描いている傑作サスペンス映画です。
この映画の魅力は、なんといってもでんでん演じる村田です。共感して同情する優しさを見せたかと思うと凄んだり、巧みにマインドコントロールしていく狡猾さに、見る者は惹き込まれ背すじが凍ります。 

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