リフレクション(内省)の落とし穴
人材育成の現場では、「リフレクション」と呼ばれる内省が注目を浴びています。リフレクションとは、自分の体験や経験を振り返り、そこに自分なりの意味づけを行い、新たな行動指針や考え方を形作っていく実践のコトです。多くの人がおこなっているリフレクションは、真の成長につながっているでしょうか?
Dコルブの経験学習のモデル
米国の組織行動学者のDコルブ提唱の「経験学習モデル」を参考にすると、私たちは、具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→能動的実勢という4つの要素を一つのサイクルとして学習を行うと、知識や技術がより深いものになるというものです。有名な理論なので、コーチングやワークショップの振り返りでも意識されている方は、多いと思います。
自分の言葉を当てるという「抽象的概念化」の欠落
ここで注意しなければならないのは、このサイクルを回していく中で、人は成長していくのです。内省的観察(リフレクション)だけしていても能力は高まらないですし、能動的実践ばかりを繰り返しても、効果は乏しい印象です。リフレクションの肝は、自分の経験に自分なりの新たな言葉を与えることです。単純に過去の経験を思い出すことは、それはそれで学ぶことはあると思いますが、真の意味でリフレクションで無いと考えています。
成長につながるリフレクションのやり方
「その経験から得られた最大の学びは何か?」という問いを自分自身に投げかけて、自分なりの言葉でその問いに回答します。その上で、それぞれの経験の共通点や相違点を探していきます。これにより、さまざまな経験の本質を関連づけることができるようになります。経験は、抽象化することによって、単なる経験ではなく再現性のある持論へ変化させることができます。新たな経験をする中で、持論を磨いていく作業を継続することによって、経験が「深化」していきます。そうした「深化」した経験が徐々に積み重なることによって、私たちは「進化」するのではないでしょうか?
最後までお読みくださりありがとうございました
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