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ブランド広告としてGOODだと思う事例を考えてみる。

GOODとは曖昧だが、たとえばそのブランドのことが広告を見る前よりも好きになったなら、それはもう完璧なGOOD。そのつぎは認知されること。そしてキライになってくれること笑 いちばんダメなのはスルーされることだから。
だからこそGOODかどうかの判断は、わたしの主観によるところが大きい。もちろんコピーライターとしては、“表現として優れているか“という視点もあるのだが、今回はその視点は脇に置いておくことにする。

さて本題。GOODなブランド広告はたくさんあるが、私の中で印象に残っているものを紹介する。

あした、なに着て生きていく?

コピーライターであれば誰もが知っているキャッチコピーというか、ブランドタグラインというか…。ブランドは『アースミュージックアンドエコロジー』というアパレルブランド。コピーを書かれたのは巨匠(という言い方が正しいのかはわからないが)児島令子さん。

女の子の気持ちを代弁するたくさんのコピーで展開されていく毎年のプロモーションはとても勉強になる教材だ。

思い出せる限りのいちばん古いCMには宮﨑あおいさんが出演し、THE BLUE HEARTSの『1001のバイオリン』を歌っていた(2010年「歩く」篇)。私はこのブランドをまったく知らなかった。このCMで知った。そしていいブランドだと思うようになった。女の子でもなければ、ファッションにまるで興味もないのだが、それでも気になるブランドになった。つまりブランド広告としてのGOOD(正解)だと思った。

毎年たくさんのコピーが展開される。そのどれもがクオリティが高いと思う。LUMINEの広告にはキャッチコピー一発の破壊力があるが、量と質でいえばアースに分がある。そしてアースのほうが労力がいる。

アースミュージックアンドエコロジーは、岡山に本社があるストライプインターナショナルという会社のブランドだ。この一連のブランド広告でストライプ社は“広告のチカラ“を実感したのだと思う。そしてきちんとメッセージに芯があれば、世の中に届くということを実感したのだと思う。

最後に、このコピーを何年にもわたって書かれている児島令子さんの作品のなかでもっとも好きな広告コピーを紹介する。

NPF日本ペットフード 新聞広告(2004年)

ペットフードの会社の新聞広告。なんどもなんども読み返し、書き写した若い頃の思い出。上質なショートショートを読んでいるようで、やさしい気持ちになる。たぶんこんなコピーは一生書けない。

ブランドのコピー開発をしています。なにを企業や商品のいちばんの強みとして発信すればいいか。原点から考えるお手伝いをしています。

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