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去る会社に将来の仲間

上司と反りが合わず転職を思い立ち、苦労の末、やりたい仕事ができそうな会社に転職が決まりました。

早速、その上司に辞める決意を伝えたところ、数日後、話がしたいとメールがきて、退職の意志を改めて伝えるだけの会話で終わりました。その際、退職の部内周知、引継ぎの人選についてできるだけ早くお願いしたい、と希望しましたが、上司は何かと理由をつけて拒み、数週間後に数名だけに周知した旨の連絡がありました。結局、その上司からは長年の業務に対するねぎらいの言葉も、私の送別会の話も一切ありませんでした。

長年勤めた今の会社には、いろいろな部署に、私のことを応援してくれたり、助けてくれた仲間がたくさんいます。彼らのために、引き継ぎをしっかりやって去るつもりでしたが、私の後任が決まらない状態で引継ぎはできません。それから数週間経ち、何となく上司は、私が「余っている有休休暇を消化したい」といったことに対して拒否感を抱き、退職寸前まで勤務させようと引継ぎを遅らせているのではないか?という気がしてきました。

そんな考えが廻った瞬間、完璧な引継ぎをあきらめ、プランBに変更です。大事な仲間たちのために詳細な業務マニュアルを作成し、引継ぎの代わりにしました。ちなみに、私の上司は、社内政治に勝利し、4月に昇格昇進人事が決まったようです。政府主導の女性活用への会社としての対応のようです。会社が、実力も成果も出していない彼女を「女王様待遇」にして、地位と権力を与えることが、女性活用の成果として将来の会社に利益になるのか、ならないのか?近い将来、ジャッジは下ると思います。

私の転職と上司の昇格が同時期にあったこともあり、私が上司から何年もパワハラを受け続けたことを知っている同僚たちから、「上司に何か思わないの?」と聞かれました。

この質問に対して「何も思わない」を繰り返しました。正直、何年もパワハラを受けてきたのですから思うことはあります。でもそれを伝えたところで何も得るものはないと感じました。

それに、私は、彼女の支配下から自分の意志で脱出することを、本人の前で伝えることができ、色々な意味で超えた気がしました。加えて、女性だからとパワハラを何年も行ってきた上司を昇格させる今の会社に未練はなく、その会社のことにどうこう言うつもりは全くありません。むしろ、今の私を選んでくれた新しい会社で、新しい職場の仲間たちと新しい業務を通して、利益貢献に役立つ活動をしていくことの方がはるかに重要と思っています。

退職を自分の意志で決めた以上、会社には「一身上の理由」と伝えました。昇格する上司は、私が彼女のパワハラを自分の退職理由にすると思っていたようですが、彼女に対する餞です。私のような被害者が出ないことを祈ります。

もはやどうでもいい上司との話が終わった後は、会社の仲間との前向きな集まりがいくつかありました。別の職場の仲間たちが送別会を開いてくれ、彼らの仕事に対する考え方、職場のつながりなどの話を聞く機会をたくさん得ました。新しい発見も多く、今までの仕事のつながりに加えて、これからの新しいつながりの構築を感じる機会でした。

特に興味深かったのは、今まで接点がなかった同僚や私が苦手と思ってきた同僚からも、送別会をしてもらえたことです。「退職後も時々会って情報交換、お互いの会社に役立つことがあれば、協働で何かできたらいいね!」といわれました。実際、話してみると、彼らも私の転職を応援してくれ、会社では見せなかったいろいろな考えや彼らのビジョンが少しわかったような気がしました。将来の仲間になるかもしれない、と思わせてくれる時間がありました。

長く務めた今の会社は、嫌なことも良いことも本当にいろいろありました。しかし、今まで応援してくれた仲間、協力してくれた仲間、そして将来の仲間たちとの交流を通じて、転職直前に応援してくれる気持ち、各人の仕事に対する考え方や具体的な話を交換できたのは本当にうれしい時間でした。

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