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顧客の知覚価値

今回は顧客がどのように商品の価値を認識しているのかについて紹介したいと思います。このことは、商品開発への示唆をを与えてくれます。

顧客の知覚価値(CPV)

顧客の知覚価値(CPV)とは、顧客が期待する経済的、機能的、心理的ンベネフィットを統合し、金銭的価値として知覚されるもの(総顧客価値)から、製品を入手し、廃棄する過程において顧客が見積もったコスト(総顧客コスト)を総合したものの差を指します。簡単な式で表すと、以下のようになります。

顧客の知覚価値=総顧客価値ー総顧客コスト

したがって、顧客の知覚価値をあげるには、心理的、経済的なベネフィットを増やすか、そのコストを下げる必要があります。

高顧客価値の提供

消費者は、特定のブランド、店、企業に対して様々なロイヤリティを持っています。オリバーはロイヤリティを「他の製品サービスへのスイッチを引き起こす可能性がある状況的影響やマーケティング努力が存在するのにもかかわらず、将来もまた当該製品サービスを再購入や再利用しようとする効力なコミットメント」を定義しています。
強力な顧客価値を創出するためには、高い顧客価値の提供する必要があります。これを支える方法として、価値提案というものがあります。
価値提案とは、企業が提供を約束するベネフィットの集合であり、提供であり、提供物のコア・ボジショニング以外のものも含まれます。
価値提案では、顧客が製品を入手し使用する過程での経験のすべてについて考える必要があります。

実際、ブランド価値と顧客価値を一致させることができず、価値格差を生み出しているとサイモン・ノックスとスタン・マクランは『Competing on Value』の中で主張しています。その主な原因は、マーケティング担当者の眼には、実際の製品やサービスのパフォーマンスよりもブランド・イメージばかり注がれているからというものがあげられます。
ノックスとマクランは、製品提供にともなうコアプロセスにマーケターがもっと注目する必要があると論じています。

総顧客満足

一般に、満足とは、買い手の期待に対して製品の知覚パフォーマンスがどれだけであったかによって得られる、個人の喜びや失望の感情のことを指します。パフォーマンスが期待を下回れば、不満を感じ、逆に上回れば、喜びが大きくなります。

顧客志向を目指す企業は、この顧客満足を常に追いかけるべきではありません。なぜなら、サービスの向上や価格の引き下げで顧客の満足度をあがったとしても、結果的に利益を減少させるといったことが起こるためです。
別の方法として、顧客以外の満足度の増大によってでも企業は利益を上げることができます。つまり、企業の取り巻くステークホルダーの満足度をあげることで資金の転用が期待できます。
したがって、企業は、「顧客以外のステークホルダーが納得できる水準の満足を提供することを前提に、総経営資源の枠の中で、高水準の顧客満足度提供に努める」という理念のもとで運営されることがベストでしょう。

顧客の期待

では、顧客はどのようにして期待を形成しているのでしょうか。
この期待の形成過程を探すには、過去の購入経験、友人や同僚の意見、マーケターや競合他社から得た情報や保証を元に探すとよいとされています。
顧客は、企業との間に数多くの小さな接触を経て、ロイヤリティの形成か、購入の中止を決めます。小さな接触が顧客の期待形成価値に影響を与えるため、ブランドに裏付けられた顧客の経験価値を作り出す必要があるでしょう。


いかがだったでしょうか。今回は顧客の知覚について紹介しました。
顧客との接触機会には、細心の注意が必要でしょう。これにより、顧客とのロイヤリティ形成ができるか否かが決まります。顧客の離反率を下げるとい意味でも顧客の購入から使用までのルートを見直してみる価値があります。
では、また次回。

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