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カギとなる心理的プロセス-学習と記憶-

今回は、前回の続きになります。認知科学の領域の理論を援用した消費者心理の分析内容です。少しアカデミックな要素が散見されます。

学習

学習とは、経験とよってもたらされる個人の行動変化です。人間の行動のほとんどは、学習して身に付けるものです。学習とは、動因、手がかり、反応、強化の相互作用によって生じます。
動因とは、行動を引き起こす内部から強く刺激です。手がかりとは、いつ、どこで、どのように反応するかをしめる小さな刺激です。また、人は同じような刺激に対する自分の反応を一般化します。また、一般化の反対の行動として、識別化をします。それは、似たような刺激の中から違いを見分け、それに従って反応を変えることをいいます。
学習理論によると、製品を強い動因を結びつけ、手がかりを与え、プラスに強化することによて、製品に対する需要を創出することができます。新しい企業は、競合他社と同じ動因にアピールし、同じ手がかりを提供することによって、市場への参入が可能になります。

記憶

認知心理学者は、短期記憶(STM)と長期記憶(LTM)とを区別しています。
長期記憶の構造について最も広く受け入れられている見方は、ある種の連想モデル構造です。例えば、連想ネットワーク型記憶モデルでは、長期記憶はノードとリンクの組み合わせから作られると考えています。「ノード」とは保存情報で、「リング」でつながっており、「リング」にはさまざまな強度があります。言語的、視覚的、抽象的、文脈的情報をはじめ、どんなタイプの情報も記憶ネットワークのなかに保存できます。ノードからノードへと広がっていく活性化プロセスによって、或る状況における検索範囲と想起される情報が決定されます。外的情報がエンコーティングされたり、内部情報が長期的から検索されたりして、あるノードが活性化すると、そのノードと十分な強さで関連している他のノードも、同様に活性化されます。
この連想ネットワーク型記憶モデルに対応して、消費者の記憶にあるブランド知識にさまざまにリンクした連想とともに、記憶中にブランド・ノードが構成要素として概念化されます。ブランド連想は、ブランドに関する思考、感情、知覚、イメージ、経験、信念、態度など、ブランド・ノードとリンクするすべてのものからなります。

記憶処理:エンコーティング

記憶のエンコーティングとは、情報が記憶へ変わる過程と場所を示ずじ。記憶のエンコーティングは、情報がエンコーティングの際に受ける処理の量と処理の質によって分類できます。処理の量と質は、連想の強さを決定する重要な要素となります。
一般に、エンコーティングの際、情報の意味合いに注意を向けるほど、結果として記憶に残る連想は強力となります。製品・サービス情報の重要性について消費者が情報を精微化すると、記憶の中でより強力な連想が作られます。新しく形成される連想がちょうどを決めるもう一つの重要な要素は、すでに記憶されているブランド連想の内容、構造、強度です。強力で関連性がある知識構造がすでに記憶のなかに存在する乳母い、消費者は新しい情報への連想を作り出すのは容易になります。

新しい情報がすでに持っている知識と矛盾せず、しかもできあがっている知識構造に統合されやすいかどうかは、シンプルさ、鮮明さ、具体性などその情報の性質に左右されるのは間違いないです。
繰り返し情報にさらされると、処理の情報の機会が増え、強力な連想が生まれる可能性がありますが、総体的に見て、広告の質のほうが重要です。つまり、消費者の関与が低く、説得力のない広告が数多く露出するよりも、消費者の関与が高く、説得力のある広告を数多く露出する方が、売上への影響が大きいと言えます。

記憶処理・検索

記憶捜索とは、情報記憶から呼び出される過程を示します。連想ネットワーク型モデルによれば、ブランド連想が強いほど当該情報の利用可能性は「活性化拡散」により、思いだされやすくやすくなります。ブランド情報がうまく消費者に思い出されるかどうかを左右する重要な要素は3つあります。

・記憶のなかに「他の」製品情報が存在すると、悪影響を与える。
・エンコーティングの際の情報接触からどれだけ時間が経過しているかが、新しい連想の強度に影響を与える。
・情報は記憶内で「利用可能」であるが、適切な検索てがかりやきっかけがなければ「取り出し不可能」になりやすい。

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