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開発プロセスの管理:コンセプトから戦略へ

今回は、アイディアを製品コンセプトへと昇華する作業を紹介します。
「製品コンセプト」とは、アイディアを消費者向けの言葉に練り上げて表現したもののことを言います。

コンセプト開発とコンセプト・テスト

コンセプト開発

消費者は、製品自体で購入を判断するのではなく、製品に付随されたコンセプトを基に購入を検討します。そのため、アイディアを決定した後にはコンセプトを考える必要があります。
製品アイディアをコンセプトに変える際に発生する問題は以下のものがあります。

・誰がこの製品を使うのか
・この製品が提供する主なベネフィットは何にするか
・消費者はいつ使用するか

このような問題を解決した後、製品コンセプトをブランドコンセプトに変える必要があります。この際には、ブランド・ポジショニング・マップを利用すると便利です。競合他社のポジショニングを把握することで、競争優位の識別をすることができます。

コンセプト・テスト

コンセプト・テストとは、製品コンセプトを標的消費者に提示し、その反応を見る事をいいます。コンセプトは象徴的にも、物理的にも提示することができます。テストされたコンセプトが最終的な製品や経験に似ているればいるほど、コンセプト・テストの信頼度は高くなります。
コンセプト・テストでは、消費者にそのコンセプトを練り上げた形で提示する必要があります。この際に仮想消費者には、以下の質問に答えてもらうといでしょう。

・伝達可能性と信頼性
ベネフィットが明確であり、信用できるか。
・ニーズ水準
ニーズを満たしてくれているか。
・ギャップ・レベル
満足度はどうか。
・知覚価値
価格は価値に見合っているか。
・購入意図
この製品を買うか。
・ユーザー・ターゲット、購入時期、購入頻度
この製品を使うのは誰で、いつ、どれくらいの頻度で使用するか。

回答者の答えにより、その製品コンセプトが幅広く強力に消費者に訴えているか、この新製品はどのような製品と競合するか、最適な標的消費者はだれかなどがわかります。

コンジョイント分析

複数の製品コンセプトに対する消費者の選好はコンジョイント分析で分析することができます。これは、製品属性の水準を変えてみることによって、消費者が感じる製品の効用価値がどう変化するかを導きだす方法です。
回答者は属性の水準を変えた仮の製品を数種類提示され、順位をつけるように求められます。その結果から、最も訴求力の強い製品、推定市場シェア、企業が達成可能な利益が特定できます。
コンジョイント分析は、コンセプト開発やコンセプト・テストのツールとして最もよく用いられています。

マーケティング戦略の立案

コンセプト・テストがうまくいけば、新製品開発マネジャーは新製品を市場に導入するために予備的戦略を立案します。戦略は3つの部分で構成されます。
第一の部分は、標的市場の規模と構造と行動、予定されている製品ポジショニング、最初の2~3年における売上目標、市場シェア目標、利益目標が基準されます。
第二の部分では予定価格、流通価格、初年度のマーケティング予算の概略を説明します。
第三の部分では、長期売上目標と利益目標、調味のマーケティング戦略を記述します。

事業分析

製品コンセプトが開発され、マーケティング戦略が立案されたならば、当該事業の魅力度を評価することができます。製品の売上、コスト、利益についての予測を立て、それらが企業目標を満たすかどうかを判断します。もし予測が満足できるものであれば、その製品コンセプトを開発段階に移すことができます。

総売上高の推定

推定総売上高は、初回購入時の売上高、買い換え購入の売上高、反復購入の売上高の推定を合計して算出します。売上推定方法は、一回しか購入されないものか、低い頻度で購入されるか、高い頻度で購入されるかにとって異なります。
購入が一回限りの製品であれば、売上高は最初に上昇し、頂点に達した後、潜在的な購入者が減るにつれてゼロに近づきます。
購入頻度が低い製品は、買替サイクルのようなものが見られます。
購入頻度が高い製品は、初回購入者の数はまず増加し、未購入者が残り少なくなるにつれて、減少します。製品が購入者を満足させた場合、すぐに反復購入が生じます。
売上高を推定する際マネジャーが最初にすべきことは、新製品における各年度の初回購入数の推定でしょう。頻度が高い製品は、初回購入の売上高とともに反復購入の売上高も推定する必要があるでしょう。

コストと利益の推定

コストの見積もりは、研究開発部門、製造部門、マーケティング部門、財務部門によって行われます。
以下の項目でキャッシュフロー計算書を作成し、予測していきます。

・売上高
・売上原価
・純利益
・開発費
・マーケティング費
・間接費配分額
・総貢献利益
・副次利益
・純貢献利益
・割引貢献利益
・割引貢献利益の累計額

また、新製品の利益を評価する方法で、損益分岐点分析があります。
ほかにも、利益を推定する方法で、リスク分析があります。この方法は、マーケティング環境と戦略に本巣いて、収益性に影響を与える変数ごとに、楽観的、悲観的、最も確実の3種類の予測をする方法です。



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