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カスタマーリレーションシップの育成

今回は、顧客価値の最大化を狙う、カスタマーリレーションシップの育成について紹介したいと思います。

カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)

CRMは、顧客についての詳細情報を管理し、顧客ロイヤリティを最大化するためにすべての顧客の「タッチポイント」を入念に管理する過程のことを指します。
ここでいう「タッチポイント」とは、実際の使用はもちろん、クチコミやマスコミュニケーション、たまたま目にすることまで含み、顧客のブランドや製品に出会うすべての機会を指します。
CRMを採用すれば、個人情報を効果的に使い、卓越した顧客サービスをリアルタイムに適用することができます。価値ある顧客一人ひとりについての知識をベースに、企業は市場提供物やサービス、プログラム、メッセージ、媒介をカスタマイズすることができます。CRMが重要なのは、企業の収益性の主な要素が顧客基盤の価値を総合したものだからです。

CRMの基本原則は、ドン・ペパーズとマーサ・ロジャーズの著作で形成されています。ワントゥワンマーケティングの段階を彼らは以下のように説明しています。

・見込み客と顧客を特定する
すべての人を追いかけてはいけない。すべてのチャネルや顧客のタッチポイントから得られる情報を利用し、充実した顧客データベースを構築、維持、カスタマイズする。
・顧客ニーズと自社にとって顧客価値という観点から顧客を分類する。
最も価値の高い顧客(MVC)に注ぐ努力の比重を高くする。活動基準原価計算(ABC)を使い、顧客生涯価値を計算する。購買、マージン、レベル、紹介から生まれる将来的利益の総額から各顧客へのサービスのかかるコストを差し引いた、現在価値を見積もる。
・一人ひとりのニーズについての知識を向上させ、さらに強力なリレーションシップを構築するために、顧客と交流をする。
カスタマイズした提供物を考案し、パーソナライズをした方法でそれを伝える。
・各顧客に向けて製品、サービス、メッセージをカスタマイズする
企業のコンタクトセンターやウェブサイトを通じ、顧客と企業の相互交流を促進する。

また、顧客基盤の構築をして成功している企業には以下の特徴があります。

・顧客の離反を減らす。
知識豊富で親しみやすい従業員を育て上げ、買い客が抱きがちな質問に、満足のいく回答を返答できるようにする。
・カスタマーリレーションシップの寿命を延ばす。
顧客と企業の関わりが深まれば、顧客は長くとどまるものである。顧客をパートナーとして扱い、新商品の設計や顧客サービスの向上にあたって助力を求める企業もある。
・「シェアオブウォレット」やクロスセリング、アップセリングを通じて、各顧客の成長可能性を高める。
顧客が求めるであろう製品を取り揃えておく。
・収益性の低い顧客の収益性を高める。もしくは縁を切る。
収益性のない顧客には、より多く買わせるか、特定の機能やサービスの提供を控えるか、あるいは、料金設定を固くする方法で対応することができる。これが難しい顧客とは、縁を切る道を考慮に入れる。
・価値の高い顧客に対しては、多大な努力を注ぐ。
最も価値の高い顧客には、特別な待遇をしてよい。特別な待遇をすることで、顧客に強い印象を与えることができる。

今回は、顧客の育成方法について紹介しました。新規顧客の獲得も重要ですが、顧客の離反を増やしていかないと企業は利益を獲得を拡大していくことができないので、CRMは知っておく必要があるでしょう。



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