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【独占インタビュー】ミシュランガイド東京2年連続ビグルマン獲得の人気地鶏料理店 “鳥長”(練馬)|大将 川越浩一郎氏

広報担当の平田です!

今回は、人気地鶏料理店“鳥長”(練馬)の大将、川越氏に独占インタビューをしてきた様子をお送りいたします。

メディアに登場しないことで、「孤高の存在」として知られる川越大将。

このたび、貴重なインタビューの機会を設けていただくことができました!

「まさか?」と言ったようなお店の創業秘話や、人気メニュー誕生の裏側について聞いてきました。


ミシュランガイド東京2年連続ビグルマン獲得の人気店「鳥長」

「鳥長」は都心部から少し離れた、練馬区にお店を構えています。閑静な住宅街を練馬駅から歩くこと10分、そのお店はあります。

飾り気のない看板はお店の前の木に覆われ、気づかずに通り過ぎてしまう人もいる隠れ家的な存在。

それにも関わらず、32年もの間、練馬で営業を続けています。いまや地元練馬の人だけではなく、東京中、いや全国中のfoodieや著名人の方々が足繁く通う名店として知られています。

これまで電話番号非公開で一般予約不可だったため、ミシュランの基準を満たさず対象外となっておりました。

しかし、2020年に人気店予約に特化したグルメサイト『OMAKASE』で予約受付をスタートした途端、一般予約可能店としてミシュランにも掲載されるように。人気に拍車がかかっています。


「やるしかないな」で始まり、いまや予約困難な愛される店に

平田:本日は宜しくお願い致します。今までにこのようなインタビューなどがメディアに載ることってあったんですか?

川越大将:いえ、ないです。秋元(康)先生に頼まれてたまに出るくらい。
最近も秋元先生経由でメルセデス・ベンツのオーナー向けの本に出ましたが、撮影は任せっきりでしたし。(笑)

平田:なるほど。今回は貴重なインタビューになりますね。まず最初に川越大将が「鳥長」を始めたいきさつを教えていただけますでしょうか?

川越大将:たまたまです。(笑) 元々は叔父が始めた店だったんですよ。

この場所を選んだのも親戚がお寿司屋さんをやっていて、その隣の物件がたまたま空いていたから。
そこがスタートです。
宮崎出身だったんで宮崎の「地鶏のモモ焼き」を売りにした店で。(※注1)

それで、手伝ってみないかと誘われて入りました。そしたらオープンして2ヶ月で叔父が「もう辞める」って言って...。

私も前の仕事辞めてここに来ちゃってるんで、やるしかないなと。そんな感じで始まりました。
10月28日に始めて、12月28日にそうなりました。丸々2ヶ月です。

手伝いに来たはずが、いつの間にか自分でやることになりました。

■プロフィール
宮崎県出身。和食店でメインの料理人として4年ほど経験を積み、和食全般を基礎から学ぶ。
平成元年、練馬に『鳥長』を開業。焼き鳥屋などでの修行は一切行わず、独学で探求を続ける。

「型がない」からこそ進化し続ける、地鶏料理へかける弛まぬ研鑽

平田:そんないきさつがあったんですね。
叔父様からいきなり引き継いだわけですが、鶏料理の経験はあったんですか?

川越大将:いえ。叔父は宮崎でモモ焼きの店をやってたけど、2ヶ月で辞めちゃったでしょ。あとは独学ですね。

平田:独学だったんですね!
鳥長といえば川越大将ならではの、あの美しい皮目の串打ちが特徴だと思います。あの串打ちも独学なんですか?

川越大将:あれは和食でやる魚の串の打ち方なんですよ。元々和食の料理人をやってたので。鳥って皮がちゃんと焼けてる方が美味しいじゃないですか。

いかに均一に焼くか、いかに綺麗に焼くかを考えたら自然とこうなりました。自分で色々試してみて、これが良いと思ったものをやっています。

でも、これで完成じゃないんで、もっと自分が良いと思ったらやり方も変えていきますよ。

(パリッとした皮目が食欲をそそる...)

逆に、最初から変わっていないのは手羽先くらいですね。あとは鶏を丸々一匹使い切るというのは最初から変わっていません。

(旨味がギュッと詰まった濃厚な味わいの手羽先)

平田:鶏を丸々使い切りたいという考えからコースでの提供を始めたと伺いましたが、最初からやっていたんですか?

川越大将:これも流れでそうなったんですよね。最初はアラカルトでやってたんですよ。ただ20年くらい前から食べログとかが始まるじゃないですか。(※注2)
カタログみたいに載せる人がいるんですよね。

そうすると載ったものばかり注文されるんですよ。注文が偏っちゃって、鶏を丸々使いきれなくなってきて。なので無駄なく出せるよう、コースだけにしたんですよ。

平田:そうだったんですね!

鳥長で扱う地鶏といえば、淡海地鶏が真っ先に思い浮かびます。この地鶏とは、どういう経緯で出会ったんですか?

(鳥長で扱われている淡海地鶏)

川越大将:元々自分で気になる地鶏があると片っ端から取り寄せて、実際に食べてみてを繰り返していました。

そんな時に常連でもあったうどんが主食さんから紹介されました。
「いい地鶏がありますよ」って教えてくれて。

それですぐに自分で取り寄せてみました。

それからですね。淡海地鶏を使うようになったのは。

私には師匠がいないので、型がないんです。なので自分が良いと思ったものはもちろんですが、目の前のお客様に喜んでもらおうと思ってるので、お客様の要望も受け入れますよ。


常連さんの「食べたい!」の一言から広まった名物「フォアグラ鍋」

平田:鳥長といえば名物の「フォアグラ鍋」があります。こちらの誕生秘話をお聞かせください。

川越大将:アラカルトで営業をしている時から月に2〜3回来てくれる常連さんがいるんですが、毎回鍋を頼むんですよ。

だったら、こっちもせっかくなんで毎回違う鍋を出そうと思って。

それで、フォアグラで鍋を作ったら美味しいに違いないなと。

すき焼きって最初に牛脂をひくじゃないですか。それをフォアグラにしてみようと思いついてですね...それを出したら、「次もこれが食べたい!」って。

それを見た他の常連さんも「それが食べたい!」って感じで広まっていきました。

平田:お客様のクチコミからだったんですね!

(常連さんに喜んでもらうために始めたフォアグラ鍋)

自分が好きなもの、良いと思ったものを出し続けた

平田:豊富なお酒のラインナップも「鳥長」の魅力だと思います。このラインナップはどのようにして出来上がったんですか?

川越大将:運が良かったのかな?

お店を出した頃は焼酎ブームもあって。出していたんですよね。でも、ブームが落ち着いて来た頃にDMが来たんですよ。KENZOエステートから。(※注3)

それで扱い始めたのがきっかけですね。こんなに置いてあるとこは他にないんじゃないかな?

あとは長野にある「小布施ワイナリー」のワインを使い続けていて。お客様から「日本のワインしかないの?」って言われてもずっと使い続けていました。
そんなこともあって、そこの日本酒も全シリーズ入るようになりました。(※
注4)

(大将こだわりの長野にある「小布施ワイナリー」のワイン)

平田:料理もお酒も自分が気に入ったものしか提供しない。このスタイルが常連さんに受けいられてどんどん広まっていったんですね!

川越大将:ありがたいですよね。自分が好きなもの、良いと思ったものを出し続けて、それが好きなお客さんが残ってくれて。

そこからまた広がっていって。今のお客さんにつながっていってますよね。


SNS時代に逆行するお店?あくまでも自然体な川越大将

平田:「鳥長」といえば、最近までは、電話番号非公開で予約困難なお店として有名でした。電話番号が非公開だった理由は何故ですか?

川越大将:最初は非公開じゃなかったんですよ。タウンページに載ってたくらい。まだSNSもなかったんですけど、秋元(康)先生なんかも話題にしてくれて、いわゆる美食家の方たちが増えてきてましたね。

そういう流れなのか、テレビでも紹介されたんですよ。そうしたら電話が鳴り止まなくなっちゃって。仕込みもできないくらいに。そんな状態だったので非公開にしました。

非公開にしたら、前からきてくれている常連さんたちが、勝手に紹介制といったシステムを作り出したんですよ。(笑)

平田:常連のお客様が勝手にやり出したんですね!(笑) 
ちなみにミシュランを獲得された時って、ご自身に何か変化とかはありましたか?

川越大将:それがね、特にないんですよ。(笑)
掲載されてから送られてきたものも田舎に送っちゃいましたし。

食べログでシルバーを獲得した時のも飾ってないしね。(※注5)
どこに置いたのか、しばらく見てないですね。(笑)

平田:(笑) 全く欲がないですね!

川越大将:お客様が作ってくれたお店ですからね。

あとは、自分で納得できることをやり続けていただけで。
今はこれが良いと思って出しているけど、完成してるとは思ってないんで、まだまだ変わることもありますよ。

そういえば、このお店も自分で作ったんですよ。

あんまり、人に任せられないんですよね。(笑)
それでいまだにリフォームもしてないし。できた時のままなんですよ。
暖簾も汚くなったから外しちゃったし。

平田:どこまでも自然体ですよね!この時代にSNSもやらないですし。
時代に逆行しているというか。

川越大将:(鳥長をオープンした)平成元年で止まってます。(笑)

今の時代は映える料理が持てはやされてますが、元々和食の経験があったから見た目がキレイなのは当たり前ですしね。

それを今の時代は、写真に撮ってSNSにあげてくれる人もたくさんいます。

時代に逆行しているかもしれないですけど、良い方に転がっているというか。

平田:時の流れに身をまかせてますね!(笑)

そろそろお時間なんでこの辺で締めたいと思います。

最後に一言いただけますか?

川越大将:東京に来た時はぜひ「鳥長」へ来てください。新潟の方は暖簾分けした『練馬鳥長・新潟』もあるんで行ってみて下さい。(注6)

平田:本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!!

・・・

私自身はこの日初めて川越大将とお話をさせていただきましたが、最初に感じた印象は自然体な方だなと。
特に多くを語る方ではないんですが、落ち着いた雰囲気で、真面目に、優しくお話ししてくださいました。

ご自身は謙遜されて、「たまたま」や「運が良かった」とおっしゃってましたが、自身の経験から得た自信と、「まだまだ完成していない」と、より良いものを出し続けようとしている探究心を感じることができました。

34年経っても満足せず、柔軟な発想で、目の前のお客様を喜ばせることを第一に考えている。

なかなかメディアには露出しない川越大将から直接お話を聞くことができ、「お客様に愛されるお店」の理由が、大将本人の人柄にあると実感しました。

そんな川越大将が作り出した味を、ここ新潟でも体験できることができます。

川越大将が初めて暖簾分けを許したお店が弊社が運営する『練馬 鳥長・新潟』です。
ぜひ大将直伝のこだわりの鶏料理の数々を『練馬鳥長・新潟』で味わってみてください!

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【練馬鳥長・新潟 店舗情報】

新潟市中央区東大通 2丁目1-7松屋ビル 2F
(事前予約制)
ご予約はお電話かLINEからお願い致します。
TEL : 025-383-8290
LINE:練馬鳥長・新潟公式LINEアカウント
当日予約もお待ちしております!

営業時間:
平日 18:00〜、18:30〜、19:00〜 
日・祝日 16:00〜、16:30〜、17:00〜
スタート時間をお選びください

土曜日のみ  17:00〜、20:00〜の2部制
※一斉スタートになります

定休日:毎週月曜日、他

PayPay 利用可
クレジットカード 利用不可
※中学生以下のお子様、妊娠中の方の入店はご遠慮頂いております
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※『練馬鳥長・新潟』の記事はこちら


(※注1)地鶏のモモ肉を炭火で豪快に焼き上げる宮崎の名物料理。

(※注2)食べログは2005年にサービスを開始。

(※注3)日本人オーナー辻本憲三氏(あのカプコン創業者!)が、プレミアムワインのメッカ、カリフォルニア州、ナパ・ヴァレーに誕生させたワイナリー。
世界的評価も高く、限られたお店でしか取り扱えないプレミアムワイン。

(※注4)小布施ワイナリーはワイン造りが終わった冬に日本酒を生産している。極少量のみの生産のため幻と言われている。ナンバリングされた数種類のアイテムが存在する。

(※注5)The Tabelog Award。食べログのユーザーが「味」という基準で本当に好きなお店を選んで投票を行う、いわばレストランの国民投票。
鳥長は2017年のシルバー獲得に続き、連続でブロンズも獲得し続けている。

(※注6)川越大将が全国で初めて暖簾分けを許したお店、それが『練馬鳥長・新潟』!


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