暁の手記 その27
今日もまた、新鮮な絶望を覚える。カラオケの画面に映る歌手やアイドルの姿を見ながら、きっと自分がああなれることはほとんどないのだろうと思った。
両親は「暁はまだ若いからいくらでも挑戦していいだよ」と言う。それを免罪符に私は色んな人を傷付けながら進んできた。
でも心の傷が現れるように腕には傷が増えていって、確実に健常者を名乗れる体では無くなってしまった。
どこまで人を騙せば、私はどこまで人を騙せば、私は望む生き方が出来るのだろう。
周りが皆楽そうに見える。そんなことはないのに。多くの人はそれなりの絶望を抱えるが、皆それぞれの方法で乗り越えてきた。
でも、いつまでも絶望から逃れられない私は苦しくてたまらなくなるのだ。
今日は朝から戦隊を見て、少し寝てからカラオケに来た。最初は楽しく歌っていたのだが、段々と気分が落ちてきて、歌えなくなった。
こんなので歌えなくなっていては歌手になろう者がもう既に失格なような気がしてしまうが、とりあえず今はいいのだ。
辛くて、逃げ出すようにカラオケを出て、PCを回収してカフェにやってきた。それで今これを書いている。
誰かに分かって欲しかった。父も姉もいなかったので母に相談してみたものの、「もっと楽観視しろ(意訳)」と言われるだけだった。
こう言う時、共感してほしいって言ってたくせに。私の話を聞こうともしないじゃないか。
どこか遠くに行きたいな。もうすぐ海の時期だ。
もうヤケだから、この際やりたいことをしてきてやる。
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