ただ欲しいだけ
僕にないものを貴方はもっていて、
僕にはないとわかって分け与えてくれる。
きっと貴方は優しいから、僕をそんな目で見てくれるんだろう。
時より、その目は僕以外の誰かに向く。
どうして貴方は優しいのに、
僕を特別にしてくれないの?
昇華した。
あの時抱いていた貴方への愛情は別の誰かへと移った。
これで貴方を煩わせることもない。
僕が苦しむことも。
全部。何より崇高で、純粋で、潔白で。
消化した。
貴い貴方は思い出。
僕も貴方の思い出。
お互い何にもなかった。
きっとあの気持ちは嘘だったんだろうな。
好きとか、大事だとか、そんなもの。
いや違う。
結果はわかっていたから。
気づかないふりをした。
ただ僕は貴方が欲しいだけ。だということを。
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