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-前編-とあるブースターの視点からの横浜ビー・コルセアーズ航海記:Bリーグ7年目(2022-23)

前回↓はBリーグ6年目のビーコルを語ってみました。今回はBリーグ7年目(2022-23)を前/後編で。


まことに弱きビーコルが、開花期をむかえようとしている。

司馬遼太郎「坂の上の雲」の冒頭のもじりから始めてみましたが、22-23シーズンを迎えるにあたり胸に到来した感慨はまさにこれでした。

海賊の物語 Bリーグ編 第2章 〜開花〜

20-21/21-22シーズンと2年連続でBリーグ以降での最多勝利数を更新したビーコルですが、22-23シーズンはついにかつてのケツ4を争っていたクラブから脱却し、本気でCS以上を狙うクラブへと変貌します。

社長の白井さんも21-22シーズンの最後のあいさつでこのように。

来シーズンはクラブ史上初めての「チャンピオンシップ出場」に挑戦する1年とすべく、最高の準備を進めております。

現実的にCSを目標と定めることができるようになった要因は何なのか。シーズンのスタート時においてこれまでと何が違うのか。まずはそこを見ていきましょう。

旅立っていった海賊

  • レイトン・ハモンズ(レイトン)→ ガジアンテプ(トルコ)

アウトサイドショットの攻撃力を期待されたレイトンですが、3P確率が.333でFGが.417。爆発的な当たりを見せる時もあれば砲台が湿りっぱなしのときもあり、かなり調子に波がありました。
ビーコルとの契約満了後はトルコ1部リーグのガジアンテプでプレイし、23-24シーズンは同じくトルコ1部のベジクタシュとの契約が発表されています。

  • ジェイコブス晶(ジェイコブス)→ NBA Global Academy

17歳で200cmのSGとしてU18と掛け持ちしながら、当時のリーグ最年少出場、最年少得点を記録したジェイコブスですが、リーグ戦では4試合の出場、FG成功は2本にとどまりました。
22-23シーズン終了後は、2022.08に開催されたFIBA U18アジア選手権2022のメンバーに選出され、

グループリーグ初戦のレバノン戦で10得点、次戦のイラン戦では前半だけで13点と大活躍を見せます。しかしハーフタイム中に左手首を負傷し、チームはアジアで準優勝したものの、貢献は限定的なものにとどまりました。
そして10.01、エリート養成プログラムであるオーストラリアのNBA Global Academyへの参加が発表されます。

その後はFIBA U19男子ワールドカップの日本代表メンバーに選出され、チーム得点王&リバウンド王の大活躍。男子5人制すべてのカテゴリーにおいて日本史上初の世界ベスト8に導きます。
23-24シーズンは、NCAA Division1のハワイ大学でのプレイが発表されており、ますます活躍から目が離せません。

  • レジナルド・ベクトン(レジー)→ 東京Z

3年間ビーコルのインサイドを支えてくれたレジーともついに別れの時が。。いいときはハリケーンのようにリム回りで猛威を振るうレジーですが、ダメなときはどんどんファウルが積み重なって緊急事態に。。
そんな2つの顔を持つレジーですが、愛すべき自由人でした。ありがとうレジー!
ビーコルの後はB2の東京Zでプレイしました。

  • 古牧昌也(古牧)→ 奈良

魂のディフェンスで貢献してくれた古牧ですが、ビーコルではプレイタイムを獲得できず。。もっといい起用方法があったはずと思わずにはいられませんでした。
ビーコルの後はB2奈良へ。23-24シーズンも奈良と契約し、キャプテンへの就任が発表されています。

  • 阿部龍星(龍星)→ 立川

大きな覚悟を持って実業団からBリーガーへと転身した龍星でしたが、B1の壁は高く15試合出場でFG成功は2本にとどまりました。
ビーコルの後はB3立川へ。元ビーコルのAK秋山とコンビを組みました。
23-24シーズンは、地元であるB2山形との契約が発表されています。

  • 土屋アリスター時生(トキオ)→ 三遠

類まれな身体能力を持つトキオ。やっとチームになじんできたところで負傷があったりで、そのポテンシャルの全てを表現することができませんでした。
ビーコルの後は同じ中地区の三遠へ。23-24シーズンは古巣大阪への復帰が発表されています。

  • 生原秀将(シュウ)→ 信州

3シーズンに渡ってその闘志でビーコルを支え、直近2シーズンではキャプテンとしてチームを奮い立たせてくれたシュウにも旅立ちの時が。。
例え外国籍ビッグマンが相手でもひるむことなく立ち向かうシュウにプレイヤーもブースターも勇気をもらいましたが、その代償として幾度も怪我に見舞われ、本来の力を出せないことも。しかし、ブースターの前では弱音を吐かず、コートでもベンチでも常にチームを鼓舞し続けたシュウの姿は忘れることができません。ありがとう、シュウ!
ビーコルの後は信州へ。脳震盪の影響でシーズン途中で戦線離脱。23-24シーズンも信州との契約継続が発表されましたが、脳震盪によるインジャリーリスト入りで開幕には間に合わなさそうです。一日も早い復帰を願っています。

継続海賊

  • パトリック・アウダ (アウダ)*アウダはチェコ代表としてFIBA EUROBASKET 2022に出場。チェコは開催国の1つで、地元の声援を受けてアウダもチーム3番目の平均得点と奮闘しました。

  • 河村勇輝 (勇輝)*勇輝はビーコル史上初となるFIBAワールドカップ(WC)予選日本代表メンバーに選出され、オフシーズン中に開催されたWindow3の台湾戦、Window4のイラン戦、カザフスタン戦に出場し大きなインパクトを国内外に与えました。またFIBAアジアカップ2022のメンバーにも選出され、40分換算ではアシストとスティールで大会トップとなる成績を残しました。

  • 森川正明(森川)*オフシーズンに森川側からの申し出で契約解除となりブースターをあたふたさせましたが、数日後に再契約してくれました。

  • 大庭岳輝(たけるん)

  • 森井健太(森井ちゃん)*キャプテン

  • キング開(キング)

  • 須藤昂矢(コーヤ)

  • エドワード・モリス(エド)

やってきた海賊

以前の記事「横浜ビー・コルセアーズ 22-23シーズン 希望しか見えない!」↓にて新規プレイヤーの歴史と期待をまとめていますので、よかったらご覧ください。

ここでは基礎情報のみ記載します。

  • 赤穂雷太:通称"雷太"。背番号6。196cmのSG/SF。石川県出身。

  • チャールズ・ジャクソン:通称"CJ"。背番号10。208cmのC。USAカリフォルニア州出身。

  • デビン・オリバー:通称"デビン"。背番号15。203cmのSF/PF。USAミシガン州出身。

新加入の3人に共通しているのは、走れること。勇輝がPGとしてコートに立つ時間が長くなることが予想される中で、走れてサイズのある3人が加わったことで今までになく攻守の切り替えが速いビーコルが見られると確信していました。

スタッフの動向

スタッフでは、ゼネラル・マネージャー(GM)の竹田 謙(タケさん)、ヘッドコーチ(HC)の青木勇人(勇人HC)、アシスタントコーチ(AC)兼アシスタントゼネラルマネージャーの山田謙治(ケンジ)が継続。
西谷亮一ACはチームを去り広島へ。
新ACとしては、前シーズンA東京でルカ・パヴィチェヴィッチHCの右腕としてACを務めていたイゴア・ジャレティッチ(ジャレさん)が加入。
また、ビーコル初のアナリストとして、伊藤大樹(伊藤ちゃん)が筑波大学から入団しました。
アルバルクではディフェンスと若手に対する指導で評価が高かったジャレさんの加入は、前シーズンの失点が81.3点と一昨シーズンより失点が増えたチームに大きな影響を与えてくれると期待していました。
また、これまでACが担っていた分析・スカウティング面のプロフェッショナルとして伊藤ちゃんが加わったことで、CS進出に向けた今までにない緻密なバスケットを展開できるはず。

22-23シーズンのチーム指針

21-22シーズンの振り返り記事でもまとめましたが、20-21シーズンに比べて前シーズンはペースを上げることはできて得点は増えたものの失点も増えたシーズンでした。またリバウンドもリーグ18位とふるいませんでした。それを踏まえてどうテコ入れしていくか。

トレーニング・キャンプのインタビュー記事の中で、このシーズンの展望を勇人HCはこう語ってくれていました。

ディフェンスは、今季からコーチングスタッフに加わったイゴア・ジャレティッチACが中心となり、「昨シーズンよりはもう少しアグレッシブなディフェンス(青木HC)」を構築。オフェンスは「もう少し広いスペースで、外からペイントアタックを繰り返しながらオープンを探していく。昨季よりは軽快で良いペースになるはず」と青木HCは今季のチームにおける見通しを示した。

ジャレさんの薫陶でディフェンス面を向上させ、オフェンスでは速攻を仕掛け、ハーフコートではオフボールムーブの中でペイントアタック→キックアウトを狙う、それができるメンバーをそろえてきました。
また弱点だったリバウンド面では、日本人プレイヤーとしてはサイズとフィジカルに優れた雷太を呼び戻すことに成功し、前シーズン平均8.4リバウンドだったCJとB2ながらSFとしては抜群に高い平均8.6リバウンドを記録したデビンの加入で一気に弱みを強みへと昇華させることができました。
CS進出に向けて、あとは開花を待つのみです。

ウエインズグループへ

07.28、新体制発表記者会見の中で、ビーコルの株の過半数が既存株主からウエインズグループに譲渡されたことが発表されます。これによりビーコルはウエインズグループ傘下の連結対象の子会社となります。

資本基盤の強化により26-27シーズンからの新B1参入に向けて大きな後ろ盾を得ることができました。

21-22シーズン決算

リーグとしての発表は12.13でしたが、新シーズン開幕前に前シーズン(21-22シーズン)の決算は確定していました。
依然コロナの影響を大きく受けたシーズンでありながら、営業収入は20-21シーズンと比較し6.25億円→8.9億円と大きく好転し4期ぶりの単年黒字となり、目標とする新B1の審査基準である売上高12億円(22-23/23-24シーズンが1次審査の対象)まで着実に近づいてきました。

一方、コロナ禍による特別措置として21-22シーズンまでは債務超過状態にあってもライセンスは交付されてきましたが、22-23シーズンからは特別措置がなくなり、債務超過=ライセンス不交付となります。
21-22シーズン決算時において、ビーコルはなお1.98億円の債務超過がありましたが、白井さんいわく

クラブライセンス規約上、債務超過は本事業年度中の解消が義務付けられており、クラブは既に具体的なアクションを開始しております。

とのことで、ウエインズグループとの間で債務超過解消=B1ライセンス交付に向けた取り組みがなされていくものと受け取っていました。(2023.03.14、ビーコルにB1クラブライセンスが交付されました)

BEAT ALL

新体制発表記者会見の中で22-23シーズンのスローガンが発表されました。

「BEAT ALL」

チャンピオンシップを目指す新たな航海がはじまります。横浜の海賊は、全ての戦いに全力を尽くし、勝利のためにチーム一丸となって戦います。
また、2026年にスタートする新B1参入に向けて、超えなければならない大波も待ち受けています。私たちはその全てに対して逃げ道を作らず、全ての困難を打ち砕いて前進します。そのためには、ファン・ブースターのみなさまをはじめ、横浜ビー・コルセアーズを支えてくださるみなさまのご声援・ご支援が必要不可欠です。アリーナ中に響き渡る一糸乱れぬB-CLAPのビートのように、どんな時にも、アリーナの中でも、暮らしの中でも、街の中でも、海賊船の帆を膨らませまる力強い後押しを横浜ビー・コルセアーズによろしくお願いします。鼓動を響かせ、波濤を砕く。「BEAT ALL」の航海は、ビーコル史上最大の驚きをみなさんに届ける航海です。

「BEAT ALL」のそもそもの意味は「すべての相手に打ち勝つ」。CS進出を目標に掲げながら、すべてに勝利し頂点へ。そう願っていました。

開幕前夜。ビーコルから届けられたCSへの誓いとBEAT ALLとGo Go B-Cor。
このシーズンに向けて意気上がるチームの盛り上がりと雰囲気の良さに、なんだか涙が出る程嬉しくなりました。

22-23シーズン開幕

2022.10.01、アウェイ広島にて22-23シーズンのビーコルの航海が始まります。
開幕カードの広島は因縁の相手。HCのカイル・ミリング、ACの加藤翔鷹、西谷亮一の面々は元ビーコル。一方広島からはCJが横浜へと移籍してきました。
ビーコルのスタートは勇輝、コーヤ、森川、デビン、CJ。
Game1、1Qで10点差をつけられるとなかなか点差を縮められずに4Qへ。CJが強烈にオフェンシブ・リバウンド(OR)をもぎ取り、デビンが痒い所に手が届く要所での絶妙なプレイを見せ、残り22秒、勝負の行く末はやはりこの男に委ねられます。勇輝がブラックシアーを向こうに回し1on1から3P!ステフィン・カリーのおねんねポーズも披露して6点差に広げ、96-89で勝利!

ゲームを通しては、5本のORにFG9/12の24点を叩き出したCJの存在感が光りました。尊い!

Game2、Bリーグ以降のビーコルとしては初となる開幕2連勝を狙います。が、前半終わって28-44の16点のビハインド。しかしここから盛り返せるのがこのシーズンのビーコルです。4Q残り1分。勇輝が得意とするエンドからのボール出しでデビンのゴール下がきまりついに同点!しかし同点で残り1秒、佐土原にサヨナラのブザビをきめられ68-70で惜敗。。勇輝が15点13アシストと奮闘するも届かず。。

このシーズンからFT(フリースロー)のフォームを変えたアウダは2試合でFT0/8と絶不調。ジャレさん、CJ、森井ちゃんが代わる代わるアウダに声をかけていたのが印象的でした。

第2節はアウェイ島根。
Game1、息詰まるシーソーゲームは64-68で島根に軍配が上がります。

勇輝は16点12アシストでまたしてもダブルダブル。デビンの3試合連続の2桁リバウンドも光りました。

Game2は勇輝が16点11アシストで3試合連続となるダブルダブルの活躍を見せたものの、4Qで突き放され75-89で敗北。
西の強豪との開幕アウェイ4試合は1勝3敗で、いよいよ国プでのホーム開幕戦を迎えます。

ホーム開幕戦

ホーム開幕戦のチケットは完売。前シーズンのCS進出チームにして、かつて史上最強の留学生と呼ばれNBAのニューヨーク・ニックスでもプレイしたモリス・ンドゥールを加えた西の強豪、名古屋D(ダイヤモンドドルフィンズ)を迎え撃ちます。
Game1、ビーコルは島根とのGame2で負傷した雷太を欠いて苦しい戦いを強いられ、CJの21点14リバウンドの活躍があったものの84-91で敗北。。
天才、齋藤拓実(たくみん)は3Pが5/5の20点。勇輝の読みのさらに上をゆくたくみん恐るべし。。

Game2、雷太に加え前日の4Qで負傷したアウダもDNP(出場せず)で苦しい展開。しかし勇輝が2日続けてやらせはしないとたくみん相手に22点12アシスト。アウダを欠く中、CJがFG8/10で20点10リバウンド。デビンが35分の出場で11点10リバウンド8アシストの活躍を見せ、88-78でホームでのシーズン初勝利を上げます。

翌週のホームでの茨城2連戦はこのシーズンで最低の試合。心に油断があったのか、ここぞという時に締まりのないプレイを連発し2連敗。これで2勝6敗です。

勇輝、クラッチタイム

10.26は水曜ゲームでアウェイ信州。前シーズンまでビーコルのキャプテンを務めた生原秀将(シュウ)との対戦に注目が集まりましたが、コンディション不良でエントリーせずでした。
シーソーゲームが続いた終盤の4Q残り1:01、信州にさらなるアクシデントが。大黒柱ウェイン・マーシャルが踏ん張った瞬間に膝を抑えて動けず。。後に右膝外側半月板断裂と発表されます。
残り6秒、1点差を追うビーコルがボールを託したのはやはり勇輝。コート左側へ侵入し前田怜緒のディフェンスをフェイクでかわすと右ピボットの逆脚バンクショットで逆転!これが決勝点となり76-75で勝利します!

勇輝はFG10/20の21点7アシスト4スティール。信州得意のスローテンポなゲームに巻き込まれた中でなんとか勝ち切った大きな勝利でした。

天皇杯3次ラウンド@都城

リーグは一時中断し、天皇杯3次ラウンドが始まります。
天皇杯でのビーコルはクラブとしてこれまで2勝しか挙げられていません。未知の領域へこのチームなら行けるはず。BEAT ALL!

ビーコルの入った山の会場は宮崎県都城市の早水公園体育文化センター。
10.30から登場したビーコルの相手は、前日にアースフレンズ東京Zを倒した青森ワッツです。

アレックス・デイビスに32点10リバウンドを許し接戦に持ち込まれてしまいましたが、勇輝の23点6リバウンド7アシスト、森川の23点3P5/10の活躍もあり91-87で振り切ります。

翌10.31の相手は宿敵川崎ブレイブサンダース。しかし川崎はニック・ファジーカス、マット・ジャニングがDNPで飛車角を欠いた状態。ビーコルがつけ入る隙は十二分にありました。

1Qに15点差をつけられたビーコルはひたひたと追い続け4Qでついに捕えると、同点で迎えた残り10秒、勇輝の手にボールが渡ります。勇輝が呼んでCJが藤井祐眞(祐眞)にピック&ロール(P&R)に行きますが、しっかりセットせずそのままゴール方向へ流れていきます。元A東京のアレックス・カークがよくやる動きで、勇輝をアンダーで守ろうとしていた祐眞はCJに引きづられながらケアする形に。CJをドロップで下がって守るつもりだったジョーダン・ヒースがどちらを守るべきか一瞬躊躇したその刹那、決勝3Pを放ち雄叫びを上げる勇輝!!スコアは77-74。19-20シーズンのサザのブザビ以来の川崎戦勝利!!

18点9アシスト4スティールで海賊を勝利に導いた勇輝のハイライトはこちら。

最後の守りは森井ちゃんに託し、ベンチで祈る勇輝が見れるのはこちら。

このラウンドでは声出し応援不可でしたが、クライマックスとともに興奮を抑えきれなくなった少年少女たちの黄色い歓声が都城の体育文化センターを包みます。この光景を見て、勇輝とビーコルの人気がいよいよ全国区になってきた気がしました。

日本代表でも輝く勇輝

天皇杯から休む間もなく、勇輝はワールドカップ(WC)予選に向けた日本代表合宿に参加します。

WC予選Window5はアウェイ2連戦。
11.11、Game1はvsバーレーン。ベテラン帰化選手のドウェイン・チズム擁するバーレーンに中盤で追い上げられ手を焼きますが、勇輝の20点4アシスト2スティールの活躍で日本が87-74で勝利します。

11.14、Game2はvsカザフスタン。勇輝はここでも13点4アシスト4スティールと活躍し、日本が81-61で実力差を見せつけ2連勝です。

リーグ戦再開

リーグ戦再開の相手はホームでA東京。
11.20、Game1を落として迎えるGame2。拮抗した展開が続いた最終盤の残り2:47、勇輝のアシストからキングの3Pで逆転します。
最後は河村勇輝の世界。残り2:24ではドライブで小酒部を抜き、残り48秒ではマークするサイスの一瞬の隙を突き3Pをきめる!
残り23秒ではキングがダメ押しの3Pを入れて、A東京相手にホームでの初勝利!!

歓喜のロッカールーム!

勇輝が19点10アシスト、キングが3P4/7の14点、森川が3P3/5の14点とビーコルが誇る刃が光ったゲームでした。
お家観戦していた我が家の歓喜たるや。。興奮汁出まくりでした。

その後、新潟には地力の差を見せつけ2連勝しますが、今シーズン初の神奈川ダービーでは川崎にコテンパンにやられます。この時点で通算成績は6勝8敗です。

颯ちゃんへ捧ぐ宇都宮戦

11.30、勇輝の東海大の先輩であり親友でもある千葉ジェッツの大倉颯太(颯ちゃん)が北海道戦で左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまいます。
およそ1年前の右膝前十字靭帯断裂から復帰した矢先の出来事でした。。

そして12.03、アウェイ宇都宮戦。コートインの際の一礼にいつもより長い時間をかけた勇輝が、鬼気迫る勢いでクラブとして未勝利の宇都宮に対して挑み続けます。
この日の勇輝はFG14/22のキャリアハイの得点32点13アシスト4スティールの大活躍で、ついにBリーグ初年度のB1チームでここまで唯一全敗だった宇都宮からクラブ初勝利を上げます!

勝利後、颯ちゃんの背番号13を指で作った勇輝は試合後のインタビューで、

「やっぱりコートに立ちたくても立てない選手だったり、いま自分がコートに立っていることは当たり前じゃないんだというところを、試合に入る前に、コートに入る前に再認識するために、コートに入る前は一礼して全力で戦うっていうことを誓って入っています。」

こう語っていました。

翌Game2、ホームであのビーコルに2連勝させてなるものかと、昨年のチャンピオンチームが牙を剝きます。宇都宮が2点リードの残り8秒、ビーコル最後の攻撃。ボールを託された勇輝が福岡第一の先輩の鵤を引き連れてコート左側へ。勇輝に3Pを打たせまいとジョシュ・スコットも防ぎに近づいてきます。残り3秒、クロスオーバーで鵤をかわすや、まさかの逆脚1レッグでジョシュのブロックもかわして放った勇輝の3Pは…逆転決勝のブザービーター!!抱き抱えるデビンと咆哮する勇輝!!!

勇輝はFG10/15、3P6/10、キャリアハイを連日更新する34点の大活躍であの宇都宮から2連勝を奪います!

この日の勇輝のハイライト。コースト・トゥ・コーストで、遠藤祐亮からドライビング・リバースレイアップでバスケット・カウントを奪い"And 1!!"と吠える姿も入っています。

天皇杯4次ラウンドvs三遠

12.07、宇都宮からの劇的勝利の余韻も冷めやらぬ中、天皇杯が再びやってきます。相手は三遠。4次ラウンドは前シーズンのリーグ成績上位チームのホームで開催されるレギュレーションのため、ホーム平塚で開催です。
前シーズンは中地区最下位に沈んだ三遠ですが、このシーズンはHCに千葉ジェッツから大野篤史を招聘し、東京オリンピック日本代表の金丸晃輔、ジョージア大学4年次には名門SECカンファレンスの1stチームに選出された実力を持つヤンテ・メイテンを獲得するなど大型補強を敢行。5節終了時点では中地区首位に着け、リーグに旋風を巻き起こしていました。
しかし、そこから怪我人が続出しここまで5連敗中。この日も金丸、メイテンなど主力メンバーを欠く中でビーコルとの決戦を迎えます。

三遠は、佐々木隆成、高橋快成の若きPG陣が序盤から勇輝に激しくプレッシャーをかけます。しかし宇都宮戦から続く勇輝のスーパーガード状態は止まらず、3P8/15の36点の爆発で95-85で三遠を退け、ついにクォーターファイナルへと駒を進めます!

勝利の裏で、この試合でたけるんが第5中足骨を骨折してしまい全治3ヶ月と診断されます。。
その後12.10、12.11と今度はレギュラーシーズンの試合で三遠と戦い、対三遠3連勝を飾ります。

緊急事態発生

12.14、水曜アウェイ三河戦の前にして大ピンチが訪れます。
負傷中のたけるんに加え、森川がコロナ陽性、勇輝がコンディション調整の理由で帯同せず、さらにキングもベンチ入りはしているもののDNPで、7名での戦いを余儀なくされます。。
しかし苦しい台所事情ながら接戦に持ち込み、惜しくも65-69で敗れます。

森井ちゃんの出場時間は39:37。ほぼ出ずっぱりで10点10アシストでした。

次節は12.17、アウェイ仙台戦。
Game1、アウダがDNPで、勇輝は復帰したもののやはり本調子ではなく53-72で敗れます。

Game2、アウダはこの試合もDNPでしたが、CJが30点15リバウンド、デビンが23点11リバウンド7アシスト、勇輝が18点11アシストの活躍で、88-61で勝利!

ようこそ!オカとザッキー

12.11、大学バスケ界最大のイベント、インカレが閉幕します。決勝の激戦を制したのは東海大学。キャプテンの松崎裕樹が大会MVPに輝きました。

インカレ後は毎年恒例の特別指定(特指)タイム。インカレ不出場や敗退したチームから次々と特指契約が発表されていきます。

そんな中の12.23、フレッシュな海賊が仲間入りします。ビーコルU18在籍中の平岡勇人が、このシーズンから新設されたユース育成特別枠選手として加入します。

通称"オカ"。背番号31。185cmのPG/SGで日大藤沢高校在学中。高校の一時期はラグビー部にも在籍し、細身ながらも強い脚力を活かしたディフェンスとオールラウンドなオフェンス能力が持ち味です。2023.01に開催されるオールスター・ゲームの「B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME」への出場も決まっています。

そして12.25、インカレMVP松崎裕樹の海賊入りが発表されます。

通称"ザッキー"。背番号24。192cmのSG/SF。東海大4年。長崎県出身。
勇輝の盟友とも言えるザッキーが海賊になってくれました!
福岡第一時代は1年次から活躍しスターティング5としてウインターカップ優勝に貢献。3年次にはキャプテンとして勇輝と共にウインターカップ優勝に導き、ベスト5に選出されます。
大学は長崎が生んだ大スター、田中大貴の母校の東海大へ。1年次にはルーキーズトーナメントで新人王を獲得し、2年次にはまたしても勇輝と共にチームをインカレ優勝に導きます。4年次にはキャプテンを務め、再度インカレ王者に輝き大会MVPに選出されます。
まさにバスケ界のエリート街道をひた走ってきたスターがビーコルに!ほんんの数年前では想像もできなかったことが起きています。。

高レベルのドライブ、精度の高いアウトサイドショットを備え、ディフェンスでも当たり負けせず脚が動く、そしてエリートの風格漂うクレバーなプレイスタイルはビーコルに新たな風を吹き込んでくれるはず。

年末、天皇杯前哨戦

12.24、クリスマス決戦はホームでvs大阪。
Game1に勝利し、Game2も88-76で2連勝。4Q残り1:33からはオカがコートに初めて登場します。FGをきめることはできませんでしたが、記念すべき1日になりました。

12.28、アウェイ渋谷戦は前半で60点を叩き出して95-82で勝利。これで4連勝です。

2022年最後のカードは、年明けに天皇杯クォーターファイナルで戦う群馬とホームで2連戦です。
12.30 Game1、勇輝22点10アシスト、森川17点、CJ19点10リバウンド6アシスト3ブロック、デビン15点6リバウンド5アシスト、森井ちゃん9アシスト、チーム全体のFG確率も.557と盤石なゲーム運びで95-82で勝利!これで5連勝となり、Bリーグ始まって以来の最多連勝記録を更新しました。

Game2、天皇杯の前哨戦で2連敗はどうしても避けたい群馬に4Qで追い上げを見せるも届かず75-81で敗れ、連勝は5でストップ。

これで年内は15勝11敗。Bリーグ創設以来、チーム初となる年内を勝ち越しで終えることができました。さぁ、年明けはいよいよ天皇杯です。

天皇杯クォーターファイナルvs群馬

ビーコルの2023年初ゲームは、01.04天皇杯アウェイvs群馬。年末に1勝1敗で星を分けた実力が拮抗する相手です。

前半で29-47の18点差をつけられたビーコル。この日は勇輝のショットが決まらず苦しい展開。しかしビーコルは勇輝だけのチームではありません。ゲームを通じて7アシストの活躍で勇輝の不調を救った森井ちゃんなどの活躍で4Q残り2:50で10点差にまで迫ります。
ここからが今シーズンのビーコルの真骨頂。追い詰められてなお不屈の魂で立ち上がり、CJのFT、雷太の3P、勇輝の3P、CJのORからの得点でなんと9-0のランをきめ、残り57秒で1点差まで追い詰めます。
残り18秒、勇輝がドライブで切り裂き、落としたレイアップをCJがプットバックしついに逆転!実に11-0のランです!
残り11秒。雷太がトレイ・ジョーンズにファウルしてFT。ビーコルブースターの激しいブーイング、通称ブースター・ディフェンスが功を奏したか、このシーズンFT確率.888のジョーンズが1本目を落とします。ベンチ裏のビーコルブースターの方に目をやり、お前らなかなかやるなとニヤリ笑ったジョーンズに再び襲い掛かるビーコルのブースター・ディフェンス。なんとジョーンズが2本目も落とします!
ここで群馬がファウル・ゲームを仕掛け、ファウルをもらった勇輝がきっちりFTを2本きめて13-0のランで3点リードに。
最後のディフェンスに入る前、勇輝が勇人HCに自分を森井ちゃんと交代させるよう進言します。最後のオフェンス、森井ちゃんとデビンで細心の注意でジョーンズを追い詰めタフショットに導き、80-77、最大20点差を覆す大逆転でビーコルがセミファイナルへ進出します!!

試合終了後の歓喜の輪の中で、16点13リバウンドの活躍でチームを救ったCJに飛びつく勇輝。いつもの活躍ができなかった勇輝からすれば、チームメイトに救われた試合でした。しかし、これが今シーズンの海賊。誰かの不調を誰かが補う素晴らしいゲームでした!

前編はここまで。後編に続きます。

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