見出し画像

【5ナンバーはいいぞ】ライズとロッキーがなぜヒットしたか

│ 例えるならユニクロの服


 いきなりですが、売れに売れているスモールSUV「ライズ」と「ロッキー」の話です。わたしも気になる。もはや、欲しい。22年1-6月の新車半台数(乗用車ブランド通称名別順位)を見てみましょう。どちらも19年11月の発売だが、ライズは登場から3年経っても5位(※1)にいます。ロッキーは前年比96.3%と健闘中(※1)。この5ナンバーサイズSUVがランキングにいること自体、大ヒットですよね。
 なぜ今売れているんでしょうか。当然、SUVブームだからという点は無視できません。ただ個人的には、「ユニクロの服」のような存在だからだと思うんですよね。普段使いの機能は十二分に満たしていて、価格も現実的。かつ、ミニマムな選択肢として安っぽいイメージが少ない。
 つまるところ、今のご時世らしくコスパが優れているのです。自動車的にいえば、パッケージングが抜群にいい。Life Wearならぬ、Life Vehicleという肩書きがぴったりだと思う。

│ 売れていると思う理由

 思いつく限り、誰でも感じやすいポイントを具体的に挙げてみました。
各種寸法はメーカー公式HPの情報を参考。

・コンパクトながらSUVらしいボクシーなデザイン
・取り回しのしやすい5ナンバーサイズ
・最小回転半径はN-BOX(FF)に迫る4.9m(16インチタイヤモデル)
・前後乗員間距離は現行ソリオの1080mmに迫る900mm
・ラゲッジ容量は現行フィットの330Lを超える449L(2WD)
・GAS 2WDなら約170万〜、4WDなら約200万〜(ロッキー L)
・自動車税は1.0Lモデルなら2.5万、1.2Lモデルでも3.05万

無骨さとスマートさがバランスよく感じられるデザイン

 軽自動車のように運転しやすく、コンパクトカー並みに広い。初期費用とランニングコストも思ったほどかからなそうなら、SUVブームも相まって人気が出そうな予感しかしない。正直ダイハツに乗るのはまわりから…みたいな人はライズを選べばいい。お金にシビアな若者が字面だけ見たとしたら、意外と買えちゃうかも?なんて思わせてくれそうですよね。

│ 「SUV風」ではなさそう

 車好きな人なら知っているでしょう。1990年6月に登場した初代ロッキーは、れっきとしたクロカンモデルだった(※2)。ラダーフレームと解放感をもたらすレジントップは無骨感モリモリ。4WDも後にフルタイムからパートタイムに一本化され、車名はロッキー山脈に着想を得ているというからワクワクが止まらない。ライズとロッキーの生産はダイハツが担当しており、その姿勢はおよそ20年以上を経て復活しても変わらなかった。


 まず、アプローチアングルとデパーチャーアングル。これは急な斜面や上り坂などで前後のパンパー下が擦ってしまうか否かを見る角度だ。ロッキーの場合、前者:20 / 後者:32(※3)。スバルの現行フォレスター Touring(※4)と比べてみると、前者:21.4 / 後者:25.8と引けをとっていない。あくまで参考値で走り方や路面に左右されるし、ボディサイズにもよる点はもちろんある。ただ、最低地上高も185mmあるから、オートキャンプ場の多少荒れた路面でも、不安は少ないだろう。ライズの電子制御4WDも、ロッキーのハイブリッドも実際に試してみたい。走行映像は大好きなウナ丼さんの動画がおすすめ。


 「ジムニーの方がどの数値でも上だ!」「ハスラーだって同じくらいの前後アングルがありますけど…」「ハイブリ四駆は未設定じゃないか」という意見もあるだろう。冒頭の繰り返しになるが、裏を返せば開発陣はBセグコンパクトカー層を狙ったことがわかる。軽よりコンパクトカーかつ、流行りのSUVがいい。たまに行くオートキャンプ場でも無理なく使えるFFで結構。そういうニーズに割り切った戦略。間口を広くして、自社との接点を増やそうとした。ライズに限れば、ガソリンの4WDがあるし、ハイブリッドがよければ、自社内で代替案として提案できるヤリスクロスがある。

│ もっと盛り上がってほしいカテゴリー

 実際5ナンバークラスSUVは、この2車がほぼ独占しています。かろうじてスズキ クロスビーがいるけど、厳密にはSUVではない。半導体不足がこれだけ蔓延しなければ、他社の1.5Lクラスハイブリッドの方が売れていたかはわからないけど、ユーザーがもっと多くのモデルから選べる人気カテゴリーになってほしい。経済性に優れ、日本の道路事情にも合っているから、若い人でも車を持つことへの敷居を下げてくれるはず。
 今回はあくまでパッケージングの話で、走行性能は言及できていない。実際に坂道や少し荒れた路面をテストして、シリーズハイブリッドとガソリンの実力を試してみるつもりです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

【 参 考 】
※1…一般社団法人 日本自動車販売協会連合会,乗用車ブランド通称名別順位
※2…ベストカー,初代ロッキーはナイスな小型クロカンだった!!! 話題沸騰の新型に先祖あり! 【偉大な生産終了車】
※3…CarWatch,写真で見る ダイハツ「ロッキー」、トヨタ「ライズ」
※4…スバル,フォレスター お問い合わせ/よくあるご質問


Twitterもやってます。話題のクルマにまつわるツイート発信中!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?