それぞれのエヴァンゲリオン
遅ればせながら「シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll」を見てきた。
細かい考察をするつもりはないけれど、初見の感想をあまり考えずに書くのでネタバレは普通にあると予想されるのでご理解よろしくお願いします。
まず散々言い尽くされていると思うけれど「:ll」が最初に気になった。
音楽記号で繰り返しを意味するものだというのは理解できるけど庵野監督がどういう意図でこの記号を使用したのか細かいところはわからなかった。
とあるパートからやり直しを繰り返して、ようやく完結するエヴァそのものをイメージしたものだろうとはなんとなく理解はしているけれど、庵野監督がそれを語られることは無いだろうな。
パンフレットについて。
これは買うべき。
1500円で高めだけどこれは永久保存版だと思う。
内容について。
2時間半は長い時間ではなかった。
たしかに卒業式のような時間だった。
岡田さんが正装で行ったほうがいいと言われるのがよくわかる。
イメージで言えば全編「カノン」とかが流れているような中で卒業証書を受け取っていくそれぞれのキャラクターを見守るような感覚。
感想を一言で言うとしたら「庵野さん、ありがとう!」でしかない。
正直エヴァは完結しないものだという感覚があった。
それは14歳という成長途上で延々とループする少年少女たちを描いている以上仕方がない思いなのかもしれない。完結してほしくないという思いもあったんだと思う。
でもそれを乗り越えてシンジは成長した。
成長する過程で整理しなきゃいけない因果関係がTV版の放送開始から積み重なっていて、これを順番に整理することが今回のベースとなっていた。
綾波やアスカ、加地さん、冬月、そしてゲンドウとカヲル、ミサトまで粛々と、ある意味淡々と浄化されていく。
そう、「浄化」という言葉がしっくりくる。
成長したシンジが新海誠や細田守の描くようなキラキラしたイメージをもつ青年に進化したラストシーンが清々しかった。
シンジは昔からずーっと乗る乗らないを繰り返していてまさに「:ll」(繰り返し記号)だったのだが、ようやく決着をつけた。
まぁ、その卒業に対して納得しない人もいるだろう。
個人的には充分すぎるぐらい満足した。
ありがとう。
すべてのヱヴァンゲリヲン。
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