【感想文】仮説思考(内田和成)
ページ数:235ページ
【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】
自分がよくやってしまいがちな
悪い癖を解消したいと思いました。
それは・・・
・悪い意味で脊髄反射レベルで行動してしまう
思考の浅さを防ぎたい
【なぜこの癖を解消したいと思ったのか?】
思考なき行動は勇敢ではなく、ただの自爆だと思う。
プレイヤーとか20代前半ならまだそれで良いかもだが、
30代やマネジメントの立場でそれは許しがたい。
雪山で全員遭難させてしまう。
人を引っ張る側になった人間の責務は、
物事の全体像を素早く把握し、
仮説を用いていくつかのパターンを考え、
最善だと思うものですぐ動く。
マネジメントとは何も会社だけとは限らない。
家族を引っ張る立場だったり、
恋人をリードしたり、
スポーツチームにも当てはめられる。
そのコミュニティーをいかに素晴らしい方向に導けるか?
それは行動も大事だが、
行動前の思考レベルにより半分決まっている。
ボタンを掛け違った状態で
いくらボタンをしめるスピード速くなっても、
速く間違いに気づけるだけだ。
より重要なのはボタンのかける順番を設計する事だ。
【本を読み終えた上で、「仮説思考」を読んだ方が良いと思う人】
・僕の様な状態になっている人
・すでにマネジメントの立場にある人
・マネジメントの立場につきたい人、つくことになる人
1,875文字/1,440文字(ちょっとオーバーした・・・)
【❶結論】
【仮説思考を持った人とは、人の気持ちがわかった上で動ける人の事である】
「相手はこう思うだろうな」
「こう言う気持ちになるだろうな」
「こう言ってくるだろうな」
行き当たりばったりで行動するのではなく、
まず仮説を立て、
筋道を立てた上で行動できる能力が仮説思考と言える。
仮説思考力が高いとは、
問題発見力(課題設定力)が高い事を指す。
何を課題とするか?
僕が好んで使う言葉である
「問いかけ」の「項目」を何にするかが
最重要という事になる。
仮説がなぜ重要か?
それは、PDCの「C」ができなくなるからだ。
なぜなら仮説とは「P」であるので、
「P」がなければ「C」ができない。
行き当たりばったり、
その場限りの「D」を「C」しても
目的地には辿り着けない。
短期の積み重ねでは積み上がらない。
(本書ではそれを「網羅思考」と呼んでいる)
思考の連続性のみが目的地へと辿り着く「積み上げ」となる。
【❷要約】
「費やした時間の割に成果が低い。」
この問題を解消する為の考え方が仮説思考である。
網羅的に情報を収集し最後に結論を出すのではなく、
仮の結論を置く事で、
その結論を立証する材料をストーリー立てて収集し、
仮説結果を検証してく力を身に着ける。
仮説思考を深める上で重要なのは、
「不確実性を限りなく大胆に削る」と言える。
本書ではそれを「エントロピーを小さくする」と
表現しているが、
エントロピーを小さくする上での大前提が
「今すでにある選択肢を狭めてくれる情報だけが役立つ」と言う事だ。
これはすなわち、結論を先に決める事であり、
安易に情報収集に走らない事を指している。
限られた時間と情報の中で、
いかに結果を最大化できるかどうかの能力が
仮説思考と言える。
良い仮説の条件は、チャンクダウン(具体化)されている。
悪い仮説とは、チャンクが大きすぎる。(抽象的)
どれくらいチャンクダウンされていれば良いかの基準だが、
仮説が正しかった場合、即座にアクションできる
理解度まで具現化されている事だ。
シンプルに言うと「イメージできるかどうか」
例えば「営業マンが効率化できていない」ではなく、
「営業マンがデスクワークに忙殺されているから効率が悪い」とか
「営業マネジャーが営業マンの同行セールスに行けていないから教育できていない」とか、
仮説が正しいと立証された瞬間に、では同行セールスをしましょうと言うような解決行動につながる事だ。
「効率化しましょう」と抽象的に言われても、
何から手をつけていいかイメージがつかない。
【❸仮説】
【仮説思考は人生軸を作る上で必須のスキル】
仮説思考は「要約」を作るイメージである。
要約(ストーリーライン、全体像)を仮説で作り、
その仮説に従って検証をしていく流れとなる。
この仮説と言う土台があるおかげで情報洪水や
余計な選択肢を広げる行為を削ぐ事ができ、
早く解決に辿り着く。
仮説を検証していく流れで
要約が間違っている事も検証できるので、
都度要約をアップデートしていく流れとなる。
では、なぜそれが人生軸を作る上で重要なのかと言うと、
私の長年の悩みでもある
「自分の軸なしに沢山の人に相談し、かえって混乱する」現象
上記はまさに、
自分の軸が作れない人に多いように思う。
では人生軸とは何か?というと、
・全体観が見えている
・ストーリーがある
・ゴールから逆算できる
事である。
今起きている問題の目線から考える場合、
多くは逆算が出来ていない。
出来ていないというか、浅い。
その状態で誰かに相談すると、
相談を受けた人は彼らなりの軸を持った意見を述べる。
その軸に対して納得がいく。
しかし自分の軸がない場合、
結果として「どれも正しく見えてしまう」現象が起きる。
つまり、結局振り回される事になる。
この問題は人生の重大な局面で発覚する事が多く、
直面した時に精神衛生上とてもよくない。
私は転職活動の際にこの問題にぶつかった。
ちゃんとトレーニングしときゃ良かった後悔の念にかられた。
これを繰り返さない様にするには、仮説思考を身につけ、
大部分の選択肢を削いだ状態で、
「この選択肢のどれが最善か?」に沿う情報だけを
選択すると言う事になる。
つまり仮説思考は
「大前提のスタートラインに立つ」上で
重要なスキルと言える。
限られた情報と時間の中で最適と思われる課題を設定し、
検証していく。
これは地頭力を鍛える細谷功氏の考えとミックスすると相乗効果が高い。
人生の大きな分岐点にさしかかっている人は
特におすすめしたい考え方だが、
そもそも人生の分岐点は誰しも必ずその時は来ると思われる。
今の内から鍛えておいて損はないはずだ。
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