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「この小説はBiSHでできている」第二話


-この小説は、創作大賞2023「ミステリー小説部門」への応募作品です -

小説の中に散りばめられているBiSHメンバーの名前や曲名を探してみてね

  

                   問題文

             

             第四章

「大好きだとか 頼むー 愛してると言ってくれとか 言われたことある?」
また美憂がなにか変なことを言ってる
「あるわけないさ 基本的にlonely girlだからねえ summertimeの時期に少しだけ付き合って あとはSEE YOUくらいさ あとはMY WAYまっしぐら」
「それって哀しいよね うん ぜっったい哀しい 哀しすぎる 愛なしではやってけないよ」
こういうときの美憂はなにか
「ろくでもないことを考えている でしょ?」
「ぴょ?」
なんだ そのごまかし方は

お布団ももこもこしとる―
とダイブした布団の上で美憂が転がっている。
熱海にいる美憂のおばあちゃんとおじいちゃんは孫が友達を連れてきたのが嬉しいようで 私にも孫のように接してくれた。
私たちが渡り廊下を濡れ雑巾で競争 というか掃除をしていると
「そんなことせんと のんびりしとったらええ」
と言ってくれたり
部屋でグダグダしていると
「家でばっかりあそばんと 外で遊びい 釣りでも行ってこう 夕飯のおかずにするで」
「はーい」
声が揃った 珍しくて気持ちがいい
「ばあちゃん結構厳しいんだよ ちゃんと生きていない人にはさ 心のケツをバシバシ叩かれるわけよ」
心にケツないだろと口には出さずにツッこんでおいた

普段あんまり運動しないので山歩きは疲れる。
どこか休めるとこ ないかな
「あ綺麗な赤い橋 休めってことだよね」
と珍しく先走った私に
「田舎暮らしは体力勝負だからな」
と美憂が答える。
「車が来るまで待とう」
「久々に聞いたぞ そのギャグ それにあと8時間はバス来ないぞ」
「まじか」
仕方ない 歩こう

近くの川で2時間粘ったが、
「魚釣れんかった」
たいしてしょんぼりした様子も見せずに帰ってきたのを見て 美憂のおばあちゃんが言った
「餌だけ取られたんか 鮎に?」
「そ そういうこともあるよね」
と慌てて美憂を見ると
「わたし少食だから 鮎なくてもいいし」
美憂は平然としている。
「わしゃあ鮎食べたかったけんどなあ わしが若いころは入れ食い状態で釣れたもんじゃがのう」



「スイカでも食べるか」
おじいちゃんがそう言うと おばあちゃんが私たちに一言
「スイカ割りせい」
日常が遊びと化していく田舎 楽しい
目隠しをしてぐるぐる回されると ああ~目が回る~
歩き出したとたんに倒れてしまった ぺっぺ「泥が口に入った」
「うんこじゃなくてよかった」
「遂に死んだかと思った」
「そんくらいで死んだりせん」
とおばあちゃん
「ですよねー」
美憂もおじいちゃんもうまくいかなかったが、なんと おばあちゃんがあっさり一刀の下にスイカを見事に両断した。
「素敵なおばあちゃんだね」
「だな」
美憂が自信たっぷりに頷いた。
花火大会が近いねなどと言いながらスイカを食べていると
「スイカ甘いか」
「はい 甘くっておいしいデス」
「ほうか 昔はなあ イナゴをよくおやつに食べとったもんだ」
ひー 無理
おばあちゃんはスイカの種をぺっぺと2メートルくらい飛ばしている。
なんかすごい
夕方からは海に向かって風が吹く 熱海の海を高台の家の縁側から眺める
「なんか風鈴がりんりんりんって鳴ってさ いいね こういうの」
「私の景色 いいだろ」
なぜか素朴な昭和の遊びに浸ってしまう 
「おばあちゃんもしりとりしよう」
しりとりは懐かしい
「瑠璃蝶」
おばあちゃんのワードは馴染みがない そういう蝶々もいるのかな
「つぎ 美憂の番」
「うー んこ」
「おい 綺麗なもの言え」
おばあちゃんはカカカカカと笑っている。
「うんこさん綺麗じゃん」
「さん付けたらンで終わってるから」
「じゃ コマドリ ね」
と私。
どんどんつながってもう数えるのも無理っていうくらいになった
629周くらいしたろうか
「リンゴ コでもいいよ」と美憂
「甑(こしき)」とおばあちゃん 
「古いの出たな キリン」 
「リンゴ  ああ ンって言ったねえ」と美憂
「あそうか」

あっという間に夜になる
「五右衛門風呂が沸いたよー」と美憂
「なんか名前が怖いよ 入ってる間に煮殺されそうじゃん 釜茹での刑だっけ」
うわあ 部屋に入っただけで暑い 手をそおっと入れてみるが 
「あつ こんなに熱いのよく入れるな」
「鍛えてるからね」
「鍛えるもんじゃないだろ 身体に悪いんじゃないか」
サウナに入ったように 全身から汗が噴き出した。



「はい湯上り美人のいっちょあがり 明日は砂浜に繰り出すよ」
「で?」
「男を捕まえる いや振り向かせる んー 食いつかせる? とにかく愛してると言わせる」
鮎にも逃げられた私たちが 男の人を釣れるのだろうか

「よし ここで待ち伏せだ」
貫一とお宮の銅像が立っていると言うか お宮が貫一に足蹴にされているところだ
「美憂 この話知ってる?」
「知らん」
「知らんのかーい 尾崎紅葉の金色夜叉だよ」
「歌だっけ」
「それ尾崎豊じゃない?作家ね作家」
「あ夜叉白雪の人?泉鏡花」
「文豪ストレイドッグスから離れよう とにかく私が言いたいのは ここはいい男の人を待ち伏せするにはあんまりってこと」
「いや観光スポットだからよく人が集まるんだよ」
そのまま押し切られてしまった
熱海にも外国人が押しかけてきているのをいいことに
美憂がまたしても怪しい英語でどんどん話しかけている
行動力はすごいんだけど、だけど、
「My alls bodies are natural born lovers」
またなにか変なこと言ってる気がする
「Will you hug me? Be ready」
相手の外国人は困惑している
あははははは すみませーんとか言いながら 私は美憂の腕を引っ張ってその場から遠ざかった
十分離れたところに避難できたようだ。
「変なことに私を巻き込まないでくれるか」
「愛の告白は変なことじゃない」
「そういう展開じゃなかったって自分でもわかってるよね 認めろー」
「すまーぬ」
少しは反省したのか 今度は路線変更して 年かさの外国人に話しかけている
「ニホンゴ チョット ワカリマス」
「おお」
「なにか知っている日本語はありますか?」
「アイ シッテル」

その日の夜
「まさか あれで告白されたなんてカウントしてないよね」
「完璧に告白された 愛してると言われたじゃないか 熱海に来たかいがあったなあ」

答え
           
第四章
メンバー名

モモコグミカンパニー お布団ももこもこしとる―
セントチヒロ・チッチ そんなことせんと のんびりしとったらええて
アユニ・D 「餌だけ取られたんか 鮎に?」 
    りんりんさんがこう呼んでいます。 「うんこさん綺麗じゃん」

アイナ・ジ・エンド 
  「愛なしではやってけない」
  「ほうか 昔はなあ イナゴをよくおやつに食べとったもんだ」

リンリン なんか風鈴がりんりんりんって鳴ってさ いいね
「古いの出たな キリン」「リンゴ  ああ ンって言ったねえ」

ハシヤスメアツコ 「あつ こんなに熱いのよく入れるな」
         「赤い橋 休めってことだな」

ハグミー  Hug me

曲名 
愛してると言ってくれ  そのままです
lonely girl        そのままです
summertime       そのままです
SEE YOU        そのままです
MY WAY        そのままです
ぴょ           そのままです
遂に死         そのままです
My landscape      「私の景色 いいだろ」
Alls          そのままです
Bodies         そのままです
Natural Born lovers   そのままです
Hug me?        そのままです
Be Ready        そのままです


アユニ・Dのバンド ペドロ   ぺっぺ「泥が口に入った」
BiSH解散の日 6月29日  629周くらいしたろうか


              第五章



「あり?揺れた?」
「揺れた」
そう言っている間にもビビビビビビと窓ガラスが震える
「大きくね?」
「かも」
そのうちにドゴーンという音までしてきた うわあ 

「すごい揺れだったね」
「うん あ 電気点かない。停電したなこりゃ」
「まじか」
美憂の両親は二人でドライブ旅行中で、今この家には私と美憂しかいない。オープンツーシーターという屋根のない二人乗りの車で 子どもが生まれることを想定していないで買ったということになる
もう一台あれば家族旅行となったのだろうが、車のない私の家からすれば十分羨ましい。
「冷蔵庫空っぽ」
「腐るものがなくてよかった。で 今日何食べる」
近くのコンビニに向かうがここも停電していて店は閉まっていた。
少し遠くにある商店に向かうことにした。
「子供の頃はよく行ってたんだけど 店先に置いてあったガチャガチャやったりさ 10円で買えるどデカい飴を舐めたりさ もう何年も行っていないのに こんな時だけ行くのって なんか悪い気がする」
分かれ道に来た 右に行くと学校 左に行くとその商店だそうだ
感傷に浸って歩いていて 気づいた
「ねえ 星綺麗だよ」
「おお」
停電したおかげでこんなにも綺麗な星が見える 
「暗いのもいいね」
「うん」と美憂
「黒い服着ようかな」
「え なぜそうなる」
「黒いといろんなものが見えてくるじゃん」
「なるほど」
子どもの頃の話をしつつ うんこを踏まないように気を付けつつ 商店に到着した。
「ああ美憂ちゃん 久しぶり」
「あ お久しぶりです」
さすがに気まずそうだ
棚をと見ると なんにもなかった
「このへんのひとみんな買い出しに来ててね さっきまですごかったんだよ いつもああだと店を閉めなくってもよかったんだけど」
「え」


足を運ばなくてもずっとそこにあるという感触を持ちながら暮らしていたのに、それがなくなってしまう
「なんだかなあ」
「うん」
「最後の日はぜったい飴買いに行く」
「うん」

家に帰ってお米の袋や使わなくなったテニスラケットやバッグがしまってある空間を漁っている美憂が
「缶詰あるよ」と声を上げた
「ジンギスカンに桃缶に林檎缶 葡萄缶かもしくは玉ねぎ 特大サイズの卵入りカレー どれでもいいよ」
「うーん 美憂とこんなことするのも最後だろうから大きな卵のやつで」
「あいよ」
「製造年月日が2015年1月14日で出荷が4月30日になってるけど大丈夫か」
「ヴィンテージでおいしいんじゃないか 一晩寝かせたカレーはうまいって言うし」
「まあいいや 食後のデザートは桃缶で」
「あいよ」 
結果 大きな卵入りのカレーは絶品だった。
「デザート行きますか。桃こっちに持ってきて」 
「あいよ アーンする?」
「置き配で御願いします」
「ここでいい?」
「うん」
桃はおいしかった
「あ 田舎のおじいちゃんおばあちゃんから?」
「うん」
「また行きたいな」
「いつでもどうぞ」
「林檎缶もくれ」
「まだ食べるの?」
「ぜんっぜん足りん 林檎持ってきて」
夕飯を食べ終えると外は真っ暗だ
「TV観られない」と美憂
「ラジオ付けてみ?」
「あ ラジオやってる アイナロックスだって」
「ニュースやらんな」
「局地的な停電なんじゃない?」
「かも」
「BiSHの曲ずっと流れてるね」
なんか修学旅行の時みたいでワクワクする
「恋バナとか」
「昼間の美術館の館長にカンチョーしたいとか 美憂は下ネタばっかりだったけどな あ いつもか」
「あれはだってさ 館長がお尻突き出してたじゃん やってくれーって感じだったもん」
「いや ないないない それに館長じゃなくて清掃員のひとだったし」
「そだっけ?」
「そーだよ ゴミ拾ってただけだよ」
「くまモンのぬいぐるみ まだ持ってるよ」
と美憂
「私はここで待つ。くまモン買ってきてって言われたな」
「だって ぬいぐるみショップに入るのは恥ずかしかったから」
「私も恥ずかしかったんだけど」

いつのまにか寝入っていたみたいだ
「おはよ」
「おばよー」
「朝からチッチーッチーてよく啼く鳥だね」
美憂が あくびしながら言う
「いつもこんな 山が近いからなあ ふわー」
「あ 電気点くじゃん やったー お風呂入れる トイレも流せる」
「あユニットバス使うの初めてだっけ?」
「だいじょぶ わかる」
トイレを済ませて お風呂から出る
「ああ 気持ちよかったよ ありがと お先でした なんか熱海の五右衛門風呂 思い出したわー 熱かったー」
「あれ熱すぎだよね」
「鍛えてるんでなかったんかい」
「あはははは」
朝ごはんはジンギスカンの缶詰にした。
缶詰7つはさすがに食べ過ぎたようだ。
「美憂は一個で良かった?」
「たぶんそれが普通」
「お腹苦しい」
「一気に食べるからだよ。すこしは箸休めしたらよかったのに」
「そだね」
腹ごなしと腹休めが済んだところで
「買い出しどうする?電動キックボードで遠くのスーパー行ってみる? 免許取ったっしょ」と訊くと
「あ 今パンクしてる」
「まじか なんでこんなときに」
「タイヤの溝にうんこついてたから ほじくろうと思ってドライバーでうんことったらパンクした」
「清掃いんだけど、ほどほどにな」

答え
第五章
メンバー名
モモコグミカンパニー 桃こっちに持ってきて 
           桃缶に葡萄缶かもしくは玉ねぎ 

セントチヒロ・チッチ チッチーッチーてよく啼く鳥だね 

アユニ・D あユニットバス使うの初めてだっけ? だいじょぶ わかる

アイナ・ジ・エンド あ 田舎のおじいちゃんから?な
リンリン   「ぜんっぜん足りん 林檎持ってきて」
ハシヤスメアツコ  「すこしは箸休めしたらよかったのに」「そだね」

曲名 
BUDOKANかもしくはTAMANEGI 葡萄缶かもしくは玉ねぎ 

東京ドームの別名はビッグエッグ 
  特大サイズの卵入りカレー 
  美憂とこんなことするのも最後だろうから大きな卵のやつで

チッチさんはカレーが大好きです。

BiSH始動日と初ライブの日
 「製造年月日が2015年1月14日で出荷が4月30日になってるけど大丈夫か」

BiSHの所属する事務所WACK 
  なんか修学旅行の時みたいでワクワクする

BiSHのファンの人 清掃員  
   それに館長じゃなくて清掃員のひとだったし
   「清掃いんだけど、ほどほどにな」

松隈さん BiSHの作曲をしてくれた人 
   「ここで待つ。くまモン買ってきてって言われたな」

新生くそアイドルから楽器を持たないパンクバンドへ
 あ 車 今パンクしてる
 ドライバーでうんことったらパンクした

この時は免許が必要でしたが、電動キックボードは2023年7月の法改正で、16歳以上なら免許不要となりました。


            第六章

「頑張ろう 協力して乗り切ろう」
「うん」
美憂がそう答えると すぐに美憂のお兄さんが声をかけてきた。なんか緊張する。
「Y岩さんが見えたよ」
「あーい」
今日は美憂がお見合いをするのだと言う。
美憂のお兄さんは 見た目はまじめなのにやっぱり血は争えないのか 変わったところがあって
「お見合いするのにニートと言うのはなあ」
「ニートというのは隠そ ニートでもいいんだって 妹と結婚したいなんて人間がこの先現れるとは思えん。頼む。妹のチェキを見たら ものすっごくかわいいー 結婚したーい と言ってたじゃないか 全身全霊で事にあたってくれたまえ」
「いやそれは」

ということで、急遽 お見合いがセッティングされた。
なぜか私も同席している Wお見合いなのか?美憂のお兄さんはおしとやかな人が好みだと言うのは美憂の情報だ
「か かわいい こんなにかわいい人は 人は ああああ」
「僕の妹が?こんなにか? Y岩 毛がないけど 気にしないよな 美憂」
少しはするだろう

料理を食べながら話は進んでいくが もっぱら話すのはお兄さんと美憂だ
「今日はやけに無口」
と美憂のお兄さん
まずい。断りたいんだからいつものように好き勝手に話していれば 相手から断ってくれるのに 今日に限って おしとやかな女性になってしまっている
「どうした。あんまり食べていないじゃないか。いつもは6杯くらいお替りするのに」
お お兄さん ナイスアシスト 少しぎょっとしてる
「もう箸休めか?」
メインディッシュに成田磯焼です。

「これ名物なんだよ」
「よくお中元にね」
「そう長野の親戚に送り 御世話になった高校の先生に送り 人によっては一万円のセットを贈ったりもする」

あんまり食べたので腹痛になったらしい 美憂のお兄さんが介抱していたみたいだけど、
「Y岩さん 大丈夫だった?」
「Y岩は先に帰った」
「ふうん」
美憂はほっとした様子だ。
私もとたんにいつもの調子で話し出す。
「これおいしい おいしすぎて狂う狂う。earthの恵みですなあ」
逆に美憂のお兄さんは無口になっていく

帰る段になって 美憂が
「Y岩さんってショーコと似てないね」
「髪の毛はね 大食いなところと突っ込み役ってのは一緒」
「たしかに」
美憂のお兄さんがタクシーまで見送りに来てくれた
「ショーコちゃん お兄さんに宜しく」
私は美憂のお兄さんのお眼鏡にはかなわなかったようだ あぶないあぶない
私では彼のためにもならないだろう


答え

第六章

メンバー名
セントチヒロ・チッチの自己紹介のフレーズ 見た目はまじめなのに

モモコグミカンパニーの自己紹介のフレーズ  クソニート  
   ニートというのは隠そ ニートでもいいんだって

アユニ・D 僕の妹がこんなにかわいいわけがない担当 
   「僕の妹が?こんなにか?」「Y岩毛がないけど 気にしないよな」

リンリン  今日はやけに無口だな
ハシヤスメアツコの自己紹介のフレーズ メインディッシュになりたーい 
         メインディッシュに成田磯焼です。
アイナ・ジ・エンド 送り人担当
「御世話になった高校の先生に送り 人によっては一万円のセットを贈ったり」

曲名 
ZENSHiN ZENREi 全身全霊 
狂う狂う    そのままです
earth      そのままです
FOR HiM    私では彼のためにもならないだろう

第三話はこちらです。
https://note.com/datapatricii/n/nd909f5a507a5

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なにとぞ

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