統計学の考え方が人間関係・居心地の良さにも効く話
人との距離感と居心地の良し悪しの変化
Exce統計学の研修講師、米谷学です。
男女関係・人間関係の相談に多く乗ることがある麻野祐香さんの「note」。
何歳になっても
「あの人と付き合わない方がいい」
と人から言われると
自分ごとではないくせに人との距離感を変える人がいる。
「あの人と付き合わない方がいい」はまだ良いのですが、話してくる本人が直接何かされたわけではないのに、他人と距離を置く人、また距離を置こうと伝えてくる人も、わたくしにとってかなりメンド臭いです。
例えばAさんがあなたに、こんな話をしてきたとします。
Bさんは私(Aさん)のことを悪口を言っていると、他の人から聞いた
その話を聞き、あなたがBさんから特に何かをされていなければ、
「あ~、そうなの?」
で終わる方は多いでしょう。
しかしそうでない方もいるでしょう。
もっとも、「悪い評判も耳にするし、ごもっともだろうなあ」という場合もあるかもしれません。
また悪口とここで言っていますが、話の背景、状況、話す表情、文章ならば顔文字や語尾などの細かい表現の違いは、ここから判断できないかもしれません。本当に悪口の意図で言っていたのかどうかもわかりません。
またBさんにとって、Aさんからされたことの事実を話しただけかもしれません。
ここでは、そうした心当たりの無い場合です。
あなたがBさんのことをどれだけご存知ですか?
また悪口を言っていたと感じたAさんは、本当に落ち度がなかったのでしょうか。
もっとも良くない話題を軽々しく他人に吹聴したBさんの態度も、落ち度が無いわけではなさそうです。
しかしいずれにしてもここで言えるのは、AさんのこともBさんのことも
情報不足
ではないのか?と考えます。
統計学の例
統計学では例えば、ある病気を抱えた方々に、薬を飲んでいただくとします。
このとき半数の人達には、本物の薬を与えます。
残りの半数の人達には、見た目は本物の薬と見た目はソックリな、まったく効果の無いタブレットを与えます。
このとき、その薬が病気の症状を抑える効果があるかどうかを確かめます。
もし本物の薬を与えた集団と、偽物のタブレットを与えた集団とで、統計学的に効果に違いがあると言えるかどうかを確認するような場合があります。
このとき統計学的に差があると言えない場合でも、差があるとは言えないと表現します(統計学では「有意ではない」、差の場合は「有意差が無い」と表現します)。一般に差が無いとは呼びません。
差が0(ゼロ)の場合なら「差が無い」と表現しても良いのですが、差が0でなければ、「差が無い」とは言いません。
また本物の薬と偽物のタブレットとの間に、効果に「差があるかどうか」を確かめるのに、一度行った実験から差があるとは言えないという結論が得られたとき、例えば実験に参加した人数(サンプルサイズ)がもっと多くする必要があるのではないか、など他にも考慮できる可能性があるとして、差があるかどうかの判断を保留します。
人間関係に応用する
さてここで
Bさんは私(Aさん)のことを悪口を言っていると、他の人から聞いた
この話に戻ります。
あなたがAさんやBさんのことについて、付き合い方を大きく変えるほどの判断をするのに情報が足らない場合があります。
そのときは、こうした「悪口を言っていた」という話について更に必要な情報がそこに無いのならば、判断を保留すると考えることも大きく有効だろうと考えます。
居心地が良くなる
このように判断を保留するという考え方を、日ごろの会話など人間関係で応用させると、結局あなたや関係する人達の居心地は良くなります。
判断を保留するというのは、ただガマンするということではありません。
情報不足のため結論を出せない状態だと扱うということなのです。
麻野祐香さんアメブロ:
記事をお読みくださり、ありがとうございます! あなたのサポ―トは、今後更により良い記事を提供するための、大きな力になります!