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「データマネジメント」データマネジメント知識体系(DMBOK)第1章の解説

はじめに

今の会社に入って、これからはデータ利活用を行わない会社は成長しないという志のもと、CDO室が立ち上がった。

ただ、CDO室という箱ができたもののどうしたら社内のデータ利活用は活性化されるのかということを試行錯誤してたどり着いた一つの本がデータマネジメント知識体系ガイドであるDAMAのDMBOKだった。

チームメンバーで半年50時間くらいかけて輪読会をしたので、チームメンバーの理解は相当上がったと思う。

この分厚い本を読むのに相当苦労すると思うので、簡単な解説をnoteにまとめることにする。

DMBOKの各章の要約・解説

他の章も興味ある人はこちらからどうぞ。

著者のDMBOKを用いてCDO室を立ち上げデータマネジメントを推進した経験を基にデータマネジメントの進め方をまとめたkindle本を執筆しました。

データマネジメント知識体系(DMBOK)第1章「データマネジメント」について

データマネジメントとは

データマネジメント知識体系ガイドDAMA DMBOK 第一章はデータマネジメントの全体像が書かれている。

データは石油である。という話は有名だと思うけど石油のように価値があるものだよというものではなくて、石油もしくは原油はそれだけだとただのモノであり、精製して管理して使えるようなものにするとやっと多大な価値がでるという話。

じゃあ、データを使えるようにするというのはどのようなことをしないといけないのか、それはデータを資産として管理することであるという事が書かれていて、データを資産として管理する取り組みをデータマネジメントと呼ぶという事が1章の骨子である。

データマネジメントとは、データを資産として管理する取り組みである。

「データを資産として管理する」とは

データマネジメントとは、データを資産として管理する取り組みと書いたが、データだとわかりづらいので他の資産であり、一番わかりやすいのはお金を考えてみる。

会社がどのようにお金を管理しているかというと、まず専用の管理部隊として、財務、経理、経営企画が組織が期初にどのようにお金を使うのかという計画をして、現在どのくらいお金を持っているのか、どのくらい使うのか、どのように精査していくのかをきめてきちっと管理している。

一方でデータの現状はどうかというと、会社全体でどのくらいデータを保持しているのかもわからず、データを使ってどのように会社を成長させていくのかという戦略も描けていない。精査もほとんどされておらず使う人が場当たり的に精査しているような状況。

資産として管理するというのは、データをお金のように正しい体制と正しい戦略と正しい運用がされているという状況を指すのだと思っている。

データとは

DMBOKでデータとは「データは万物に関する事実を表現する役割を持つ」と書かれている。そこにはデジタルとか紙とかは関係ない。

つまり、DMBOKのデータとはRDBに入っているような分析用のデータを指しているのではなくて、意味がある音・文字は全てデータであるとなっている。

データマネジメントの対象のデータは、「意味がある音・文字全て」である。

DMBOKの記すデータマネジメントとは

データマネジメントというと、データを資産として管理することというのは上で書いた通りだけど、それってどういう事よ?と思うけどDMBOKホイール図というのでどういう観点なのか記されている。

ちなみに1章ではホイール図以外のフレームワークについても解説されているけど、この本はDMBOKだけにDMBOKホイール図を覚えておけばよい。

1章で1~13についての概要が書かれているが、今後章ごとに解説記事を書いていくつもりではあるので内容は割愛する。

データマネジメントとはデータが産まれてからビジネスに使われて価値が出るまでの全ての管理のことを指しているというのがポイントである。

DMBOKホイール図

DMBOMホイール図とはデータマネジメントを行うべき12の軸とそれらの軸を実効させるためのデータガバナンスを中央に記したフレームワークの事。

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DMBOKホイール図 DAMAより

データマネジメントの原則と課題

データマネジメントを行う時に抑えておくべき原則を記す。各項目についての詳細は2章以降で説明されるので、ここではデータを資産として管理するためには一筋縄ではいかないことを抑えておくとよい。

  • データは特有の性質を持つ資産

  • データの価値は経済的観点で評価可能、評価されるべき

  • データの管理はデータ品質の管理

  • データの管理にはメタデータが必要

  • データマネジメントには予め計画が必要

  • データマネジメントは機能横断的な活動で幅広いスキルや専門性が求められる

  • データマネジメントには全社的な視点が欠かせない

  • データマネジメントは幅広い視点を考慮する

  • データマネジメントはライフサイクル管理

  • データは種類によってライフサイクルの性格が異なる

  • データに伴うリスクの管理もデータマネジメントに含まれる

  • データマネジメント上の要件がIT上の決定を左右する

  • 効果的なデータマネジメントにはリーダーのコミットが必要

データマネジメントの解説動画

AI事務員宮西さんでおなじみの宮西さんと松田さんの解説動画となります。
データマネジメントについて解説しているので、動画で学びたい人は是非ご覧ください。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。

モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

データマネジメントを学ぶ人が抑えておきたい本

今すぐわかるデータマネジメントの進め方

著者のDMBOKを用いてCDO室を立ち上げデータマネジメントを推進した経験を基にデータマネジメントの進め方をまとめたkindle本を執筆しました。

データ組織立ち上げ編 AI事務員宮西さん
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無料公開のため0円となります。
データ組織の立ち上げに関係する方は是非読んでみてください。

DXを成功に導くデータマネジメント

DXを成し遂げるために必要なデータをどうマネジメントしていけばよいかが書かれている。
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データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。


実践的データ基盤への処方箋

データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。


個人データ戦略活用 ステップでわかる改正個人情報保護法実務ガイドブック

個人情報保護法を順守するための基本的な考え方が実務ベースで書かれている。2022年4月に施工される改正個人情報保護法で新たに追加される概念も同様に記載されている。
政府の出しているガイドラインよりも俯瞰的に読めるためデータプライバシーにかかわる人、データを使ったビジネスを推進する人は読んでおくとスムーズに業務が進められる。


データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK)

自分も要約・解説記事を書いているDMBOK。データマネジメントに興味を持った人がまず手に取ると挫折することは間違いないほどのボリュームがある。
読めば読むほど味が出てくるので、データマネジメントを進めようとしている人は各家庭に1冊は是非買っておきたい。


データマネジメントが30分でわかる本

著者もDMBOKを読むためには非常にボリュームが多く読み解くには苦労するので、かみ砕いた解説書をまとめたと書いてある通り、DMBOKを独自解釈してわかりやすく書かれている。
DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。

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