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エンジニアがマネージャーになって始めたこと

はじめに

私は入社以来、株式会社ヌーラボでエンジニアをしていましたが、2022年10月からモバイルアプリケーション課のマネージャーとしての役割も兼務しています。いわゆるプレイングマネージャーです。プロジェクトマネジメントやチームマネジメントの経験はありましたが、正式なマネージャー職としても成果を出していくにあたり、この1年間でやったこと、習慣にしたことなどを紹介できればと思います。

マネージャーになって始めたこと

マネジメントに関する書籍を読み漁る

これまでもプロジェクトマネジメント、ピープルマネジメント、チームビルディングなどといったマネジメントに必要な個別の要素については学んできましたが、チームマネジメント全般についての理解はふわっとしたものでした。ヌーラボにはすでに多くのマネージャーがいたので、マネージャーの業務についてはおおよそ把握していましたが、このタイミングでしっかりと学ぶ必要があると考えました。その中でも特に参考になった書籍を紹介します。

  • 急成長を導くマネージャーの型
    私にとってマネージャーのマニュアルの位置付けになった書籍です。マネージャーの業務全般が「マネジメントの地図」という形で体系化して書かれており、各章でその詳細が書かれています。この書籍から取り入れた習慣が多くあります。

  • マネジメント 基本と原則 エッセンシャル版
    マネジメントに関する各書籍や記事でいつも言及されている書籍で、やはり一度ちゃんと読まないとと思い手に取りました。マネジメントに関するあらゆることが書かれていますが、マネジメントの役割の1つとしての「社会の問題に貢献する」という点は、このチームは何のために活動しているんだっけ?私がやっているのは何のためのマネジメントだっけ?という本質的なことに立ち返らせてくれます。

  • 異文化理解力
    私が所属するチームは私以外がアメリカ、インドネシアからのメンバーで構成されています。彼らとコミュニケーションを取るにあたり、私とは違う価値観や文化を知る必要があると考えて読みました。実は読む前は文化だけで人をカテゴライズするのは逆に多様性が無いのでは?と考えていたのですが、「金魚は水の外に出るまで水の中にいることに気づかない」というように、育ってきた環境や文化というのは当人に思った以上に影響を与えているということでした。日本では空気を読みハイコンテキストなコミュニケーションを好む傾向にあり、アメリカでは逆にローコンテキストで詳細までしっかりと伝えるほうが好ましいなどを知ることができました。他にも組織の上下関係の捉え方の違いなども分析してあります。この書籍はコミュニケーションに悩んだら取り出して参照するようにしています。

他のマネージャーの良い習慣を取り入れる

ヌーラボにはすでに多くの尊敬できる、参考にすべきマネージャーがおり、彼らの良い行動を取り入れました。具体的にはここには書けませんが、全社への情報発信の仕方や、課題解決に向けての行動・ステップなどが大変参考になっています。

他のマネージャーと一緒に学ぶ

これはマネージャーになってすぐ始めたのですが、エンジニアリングマネージャーのしごと、という書籍を使ってABDという手法で読書会を行なっています。10回ほどの開催で全18章中12章までようやく進んでいます。書籍の内容ももちろん良いのですが、ABDでは参加者で対話する時間があるため、ここでは書籍から学んだ事を社内にどう適用するかなどを対話し理解を深めています。マネジメントに関して共通する悩みなどもあったりするので、とても良い時間になっています。

組織の仕組みづくりに積極的に参加する

マネージャーはチームの成果を最大化させることに責務を持っていますが、それは組織全体に対しても同じ事が言えます。例えば社内の評価制度の策定などには役職として持っている権限を最大限に利用して積極的に参加しています。私自身その評価制度を運用してメンバーを評価する必要があるため、しっかりと理解しておきたかったのが理由の1つです。

1日の終わりにメンバーの事実をストックする

メンバーの評価に関する事実をストックするようにしました。評価の際は相手のことを思い、徹底的な本音でフィードバックする必要があります。そのためにその日メンバーがとった良い行動や改善したい行動を事実として記録します。よく分からない抽象的なフィードバックを避けて、相手がしっかりと受け止めることができるようにするためです。

1週間のサマリーを作成する

金曜日にはチームの1週間のサマリーを15分くらいかけて作成します。進捗、抱えている問題、次の計画、メンバーのことなどを簡単にふりかえっています。これは後述するチームへのプレゼンなどにも利用します。

1ヶ月毎にチームにプレゼンする

モバイルアプリケーション課ではチームのミッション・ビジョン・バリューを定義しました。これはまだこれから始めようとしているものですが、チームが1ヶ月の間にどうミッションに貢献できたかをまとめて、チーム内にプレゼンします。チームが前に進んでいる実感を得て、モメンタム(勢い)をもたらしたいのが大きな理由です。

最後に

エンジニア兼マネージャーとなったことでやるべきことは増えましたが、マネジメントに関して学習したり業務を進めていくなかで、マネジメントは技術なのだと再確認しています。そして技術だと認識したところでマネジメントがとても楽しくなってきました。この辺りをしっかりと身につけて、新たにマネージャーになるメンバーの育成などにも貢献できればと思います。

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