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データ主権のWeb3.0を実現するフレームワーク「3Cloud」とは

みなさん、こんにちは!DataGateway編集部です。

私たちDataGatewayは、日本の本社に加え、エストニア、インドをはじめとして各国に拠点を置くグローバル企業です。
ミッションとして「データ活用を通して社会における課題を解決すること」を掲げ、プロダクト「3Cloud」「Woollet」の開発、および企業への自社製品導入・DXコンサルティングを行ってまいりました。

今回は私たちDatagatewayが開発しているプロダクト「3Cloud」および、3Cloudを通して実現したい世界観「Web3.0」に関して、ご紹介したいと思います。

Webの歴史とデータ

そもそも今のように「あらゆるサービスがデジタルで実現される」ようになったのは、ほんのここ数年であり、Webの世界は長らく限定的な用途に使用されていました。
Webの歴史をたどりながら、デジタライゼーションが進む新たなWebの世界に求められる要素について、考えてみたいと思います。

Web1.0(Webの誕生~2000年代)

インターネットによって世界中の誰にでも情報を発信することができるようになったことが革命的であるとされ、Webページによる情報発信が始まった時代です。
このWebの世界においては、個人HPがアクティブであったことが象徴的事例としてしばしば語られますが、あくまでもテキストをベースとした一方向の情報発信を目的としたツールでした。

Web2.0(2010年代)

Web1.0の世界が広がるにつれ、様々な用途のアプリがWebの世界に誕生しました。特にSNSやECサイトなどを通して、ありとあらゆる人・モノ・サービスがつながるようになりました。これが現在私たちが日常的に使用しているWeb、Web2.0です。

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このWebの世界は、情報の発信者と受け手がテキスト・音声・動画等の様々な方法でインタラクティブな交流を行うことができ、情報は常にシェアラブルなものとして扱われます。また、あらゆるサービスがインターネットを介して使用することができるようになる、いわゆる「デジタル化」が進んだことにより、私たちに関する様々な情報も、物理空間のみならずインターネット空間で扱うようになりました。

Web2.0の課題とWeb3.0の概念の誕生

しかし、Web2.0の世界が広がるにつれ、その課題も浮き上がってきました。
Web2.0においては、広く利用されるサービスを提供する一部の企業に個人情報が集中します。この個人情報には、私たちの氏名、住所、年齢、電話番号等が含まれることはもちろん、SNSを活発に利用しているのであれば、自身の趣味・嗜好・行動履歴なども含まれます。特定の企業が「自分すらも気づいていない自分の情報」をも、収集することが可能になっているのです。
このようなユーザーのデータを通じて企業は広告・マーケティングを提供しており、企業にとってはデータはいわば「宝の山」となっているため、オンライン空間で悪意のある者から狙われやすくもあります。

クリーム 赤紫 誕生日 Instagramの投稿のコピー (1)

この数年、サイバー攻撃のハッキングや、ユーザーの許諾を得ていない不正アクセスが問題になっていますが、一企業に預けていただけのつもりの個人情報であっても、流出・改ざん・不正利用などが起きえてしまうのが、Web2.0の課題として挙げられてきました。

この課題を克服するのがWeb3.0の概念です。
Web3.0は「データを個人の手に取り戻す」ことを主眼としたコンセプトで、一部の企業が個人のデータを集中管理するのではなく、個人が自分自身でデータを管理できる世界を目指しています。
「ユーザーが自分自身の情報を管理する」といっても、自らサーバを立ち上げたり、認証機能を作成することは必要ありません。Web3.0のコンセプトに基づき、自分の情報を特定の企業に集中させないような設計がなされているサービスを利用することで、自分のデータを自分のものとして適切に管理することができるようになります。

3Cloudとは

DataGatewayが提供する3Cloudは、このようなコンセプトに基づき作られた、「Web3.0の世界で、ユーザが自分の情報を自分で管理することができるようになるためのデータ分散型プラットフォーム」です。

そのため、プラットフォームのインフラ部分からアプリケーション部分まで、あらゆるレイヤーにおいて、「個人のデータの集中」を排除し、セキュアなデータのやり取りがシームレスにできることにこだわっています。

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まずはデータストレージにIPFSなどの分散ストレージを、ビジネスロジックの記述にブロックチェーンを利用することで、データを分散化します。

通常のデータのやり取りにおいては、特定の管理サーバをハブとし、データの書き込みや更新の処理を行いますが、分散型ファイルストレージでは特定の管理サーバを置くのではなく、P2P=すべてのコンピュータが対等にデータを処理し、ファイルを分散して保存することができます。

また、ビジネスロジックの記述にブロックチェーンを使用することで、データとデータ処理プロセスのすべてを分散化させ、特定の組織に過度に情報が集中するのを防ぐことができます。

また3Cloudの概念をもとに開発したWoolletはデジタルアイデンティティを基礎として、個人のデータを安全に活用できるプロダクトです。
これを活用することで、たとえば個人どうし、法人向け、行政などとの個人認証やデータのやり取りがシームレスかつセキュアにできるようになります。

3Cloudのネットワークでアカウントを作成する際には、身分証明を必要とします。(国籍がない方など特殊事情のかたについてはDIDとして身分を保証できる仕組みと連携します。)身分証明を紐づけることで個人認証するため、ネットワーク内での活動において、例えばサクラアカウントやspamに悩まされることがないばかりか、自分のデータを任意で行政・医療・金融といったあらゆるパブリックセクターに連携することができ、他業種でセキュアに自身のデータを活用することが可能となります。

※コラム
このように身分証明との紐づけにより、デジタルアイデンティティを管理する方式で世界をリードする国家に、エストニアがあります。
エストニアでは、全国民がIdentification(身分証明)を紐づける医療システムが国家主導で稼働しており、全国民は自分のかかりつけ医の情報登録、医療カルテの閲覧、また、Covid-19のワクチン接種状況の閲覧を全てネットで済ませることができます。

DataGatewayでは、デジタルアイデンティティのリーディング国家であるエストニアのエンジニアが多く参画し、知見を活かしつつ、「日本型」デジタルアイデンティティ管理システムの確立を目指しています。

3Cloudはこのようにデータ連携・データ統合のための包括的なプラットフォームであり、行政・医療・金融などの高セキュリティが求められる領域でも活用できるとして、現在すでに複数の企業・団体様よりご支持をいただき、実証実験を開始しています。


いかがでしたでしょうか。3Cloudの解決する課題、および、幅広い領域での活用可能性に関して、参考になりましたら幸いです。

DataGatewayでは、今後も3Cloudがもたらす「データ革命」および、プロダクトのアップデート情報に関して、定期的に発信する予定です。

ご質問等ございましたら、下記までご連絡ください。


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