見出し画像

愛知から世界へ

「侍ジャパン女子代表選手20名が決定 第9回 WBSC 女子野球ワールドカップに出場」
https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20210107_1.html

女子野球ワールドカップの代表選手が発表された。先日代表候補選手が集まり合宿が行われ、馴染みある面々が多数顔を揃えていた。その中から選ばれた20人の中に、東海NEXUSからは主将の只埜榛奈が選出された。

彼女がプロ野球選手として一宮にいた2018年、所属チームの愛知ディオーネは年間女王に輝いた。シーズン最終盤の粘りを持ってして勝ち取った年間女王だっただけに「一宮に女子野球チームがやって来」てからのファンは口々にこの頃を最良の思い出として語っている。その中の私も例外ではない。

その2018年にもワールドカップが開催され、日本代表は6大会連続の優勝を飾った。チームの主力である投打の柱と、台湾出身の選手がそれぞれ代表に招集された中で戦わなければいけなかったワールドカップ開催期間のディオーネだったが、肝というべき4番に座ったのが只埜榛奈だった。

それまでは7番、8番といった下位打線を担っていたが、ワールドカップ開催期間中に4番に抜擢されると、7試合のうち6試合で安打を記録する。この期間の8安打のうち半分にあたる4本が得点圏と勝負強さを見せるとそのまま4番としてシーズン最終戦まで戦い抜けた。

4番打者としての数字は17試合に出場し.346、11打点。10月に行われた女王決定戦の初戦は3打数3安打2打点と、見事に4番打者としての責務を果たした。下位打線を打っていた頃は小技や自身の出塁などから上位打線で得点するきっかけを作るなど、打順に適応した仕事をこなすところからも試合の流れを読み取ることに長けていることがわかる。安定した三塁守備とスローイングも評価され、この年ゴールデングラブ賞も受賞した。

2019年に埼玉アストライアへ移籍するも2020年愛知県に再び戻ってきて東海NEXUSに所属することになった。練習では積極的に後輩にアドバイスを送る姿が印象的だ。高いレベルで競ってきた技術、そして経験に裏付けされた一挙手一投足を惜しみなく伝えることがチームの、ひいては野球界全体のレベルアップになるということを我々一般人にも教えてくれているようだ。

私が練習を見学した時には炎天下の中黙々とノックを受けたり、休憩中もバッティングを行うなど個人の練習量もしっかりと確保していた。日陰で涼みながら練習を眺めていたが、その体力には脱帽だ。

これだけ人のため・チームのために行動できる人に対して、野球の神様が見ていないはずがない。日本代表への選出は、これから彼女が世界で輝くための第一歩でしかない。思う存分、JAPANのユニフォームを着て野球を楽しんでほしい。私は海の向こうから素晴らしいニュースが届くことを信じてやまない。

そして、世界中から安心して野球ができるような状況となっていることを心から祈りたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?