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【獺祭社員日誌】vol2 ~台湾出身の新入社員から見た獺祭の酒造り~

ゾーイの酒造り研修のレポート2です。いよいよ岩国市での研修が始まります。

vol1はこちら⇓

1日目 洗米


今日は岩国市の本社への出発の日です。羽田から岩国への便は前からあまり多くありませんでしたが、コロナ後は6時55分発の便しか残っていなかったです。家を出ると、街は静かで街灯もまだ寝ていて、飛行機は夜明けと同時に離陸しました。

8時30分、岩国空港に到着しました。実は岩国空港には昨年3月に一度来ているのですが、2回目にしても小さくて精巧な岩国空港に魅了されてしまいました。
今日は、海外営業部の上司に迎えに来て頂き、40分ほどの距離にある本社まで連れて行って頂きました。 山口県岩国市に住んでいると、車は足のようなものなので、どこに行くにも車で行かなければなりません。

曲がりくねった山道を抜けると、突然12階建てのビルが見えてきて、この山の中では蜃気楼かと思いました。

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皆さんにご挨拶して、製造実習に必要なユニフォームを受け取り、試着した後、午前中は環境に慣れることと事務処理、午後は洗米部門での見学に行きます。

洗米部に行く前、先輩方から「洗米は本当に疲れる」「無理せず頑張ればいい」など、たくさんの意見を受けました。何度か文章で読んだことがありますが、洗米は力が必要な仕事です。 自動機械のラインもありますが、すべて手洗いのラインもあり、今日はそこに行くことになりました。

体力には自信があったので、できると思っていました、嬉々として洗米室へ行きました。洗米室では常にゴロゴロと洗米機の音がしています。洗米室の中では話しづらいので、身振り手振りで先輩たちがやっていることを見ていました。

初めて洗米をしてみて、先輩方のアドバイスがよくわかりました。 まず、お米を洗う水は5℃に管理されています。冬、特に山間の本社は本当に寒いです。最初は、米袋を蛇口の出口に結びつけ、米は最初に機械で洗われ、大量の冷水が注がれます。指が固まってしまい、ロープを結ぶのが遅くなってしまいましたが、洗米は時間のコントロールが重要なので、行動を遅らせることはできませんでした。

25kgの袋に入った米を、最初の籠に入った冷たい水、計3つの籠に浸し、余分な水を抜くことで、きれいで艶のある米が出来上がります。4分に1回、それぞれの動作を秒単位で計測し、1秒たりとも無駄にしてはいけない。吸水量や米の重さに影響するからです。米の含水量は、その後の醸造過程で重要な要素となります。

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通常、洗米は2人で行い、向かい合って立ち、一斉に動きます。しかし、動くことができないだけでなく、25kgの米を水かごから一人で運ぶこともできませんでした(一生懸命やってみましたが、スーツケースを運ぶのとは違い、胸より高い位置で運ばなければなりません、申し訳ありませんがチャレンジはしました。)

そのため、相方は大変な思いをして、一定期間に2人分の仕事をしなければならず、本当に申し訳ないと思っていました。 

午後の洗米を終えた先輩たちは、「洗米は楽しかったですか」と笑顔で聞いてきました。 私は楽しいと思いましたが、洗米パートナーは何を考えているのかわかりませんでした。

今日の夕食は海外営業部のメンバーと一緒でしたが、にぎやかで明るい雰囲気の中、岩国市のご当地グルメで獺祭を飲みながら、午後の洗米のことを考えると、思わず蜃気楼のような錯覚に陥ってしまいました。

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