Vol.5 心の中の真っ黒なところ
ふと自分ってほんとにつまんない人間だなーって思うことがある。
基本的に私は自分のことが好き。不完全なところもずぼらなところも不器用なところもあるけどなんだかんだ好き。だけど四六時中そうって訳じゃない。
比べる必要なんてないことはわかってるけどどうしても周りと比べてしまうのが人間の性。
それを一番感じたのが成人式後の中学の同窓会だった。久しぶりに会う人と話せて楽しかったんだけど、周りは将来のこと考えていたり夢があってキラキラして見えた。
それに比べて私はどうだろう。普通に大学生をしている。なんとなーく興味のある単位が取れそうな授業をとり、片道2時間かけて大学に通う。起きられなくて単位をふたつ落とした。
将来の夢は特にない。昔から何かになりたいと思うことがなかった。とりあえずありきたりなケーキ屋さんとか幼稚園の先生とか言ってその場をやり過ごしていた。気づいたら22歳。
自分のことなのにまるで関心がない。ただなんとなくで生きている現状から脱したい気持ちはあれど動けない。自分が何者かもわからない。何がしたい?明日すら見えない。未来が見えない。
これまでずっとそれなりに勉強してきた。高校受験、大学受験とそうすることが当たり前だと思ってやってきた。
結局敷かれたレールの上をただ走っているだけにすぎなかった。
途中で寄り道したり周りを見渡していたら違ったかもしれない。そこそこ勉強できて名の知れた大学のネームブランドに縋るちっぽけな人間になってしまった。
厄介なのは全てにおいてそこそこであるが故に自己肯定感は低いがプライドは高いということ。
高校受験も大学受験も一般で受けた。私立単願や指定校推薦を悪く言うわけじゃないけど私は一般で受けたことに大きな意味を持たせてしまっている。自分が頑張った証として。
ほんとこんなこと思うの最低だってわかってるけど、高校受験の時毎日必死こいて勉強してる傍で授業中持ち込み禁止のスマホをいじり、お菓子を食べ、私のテストをカンニングしてた人が今夢に向かって頑張ってる姿見るの正直キツい。カンニングに関しては私も加担したので偉そうなこと言えないけど。
高卒で優良企業に勤めて自分は高校の時頑張ったからって言われるのキツい。
私はずっと頑張ってきたよ。今までの人生、全てにおいて及第点を取ってきた。けどそれだけじゃダメだってことに気づかないまま大人になってしまった。
周りからはいい子だと思われることを目指した。認められて評価されるのが嬉しかった。
だけど現実の自分はそんなよくできた人間じゃないというギャップに苦しくなる。結局自分で自分の首を絞めているだけ。
大学に行くのが当たり前でその方が就職で有利だってそれだけで進学して就活は失敗した。
だからといって思い描いていた将来像との乖離に落ち込むことはない。なぜならもともと何も思い描いていないから。
結局は自分が悪い。というかそれ相応の努力なしに結果がついてくるはずがないことはこれまでの経験からもわかっている。でももはや動き出すことすらも気力が出ない。
一生コンプレックスを感じながら生きていくんだろうな。